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メテオ・ストライクス!

いろんな分野で独り言を日々書きます。稼働終了したセガのクイズゲーム『Answer×Answer』を振り返る事もあります。

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『アンタッチャブル』見てきました 

体調はぼちぼちでありますが、ちょっと忙しい日々が続いてましたのでブログさぼっておりました。
一週間余り遡って5月19日の話ですが、今年も上映されている朝一の名作映画祭り【午前十時の映画祭8】に行ってまいりました。
今回のプログラムの中でも、これは見逃したくないなあ…と思っていた映画『アンタッチャブル』。見るのは20数年ぶりですが、映画館で見るのは初めてなので、楽しみにしておったのですよ。
ケビン・コスナー、ショーン・コネリー、アンディ・ガルシア、ロバート・デニーロらの演技、エンニオ・モリコーネの音楽、そして監督はブライアン・デパルマ。
今見ると、名前で客が呼べるってレベルじゃないですよね。近年、こんなワクワクするメンバーの映画を見たことがない。
あ、ごく普通にネタバレするのでよろしく。

時は禁酒法、アル・カポネの時代。
物語は、ギャングからの酒の買い取りを拒否した酒場が、見せしめに爆破され、お使いに来ていた少女が巻き込まれて死ぬという展開で始まります。ギャング=無法の悪という図式。
その悪を取り締まるために捜査官のエリオット・ネス(ケビン・コスナー)が着任。警察で訓辞をたれ、情報を元にガサ入れを強行するも、そこに酒は無く空振り、物笑いのタネとなる。警察自体がすでにアル・カポネに買収されていたのだ。
失意のネスは帰宅中、孤高で骨のある警官マローン(ショーン・コネリー)と出会い、彼に協力を要請する。
マローンは当初渋りながらも意を決して快諾。警察学校に出向き、射撃の上手い若手ストーン(アンディ・ガルシア)を抜擢し、さらに事務の達人ウォーレスが配属され、4人のチーム"アンタッチャブル"が結成される。
マローンの確かな情報で、酒の集積場と化した郵便局を急襲して成果をあげたネスに対し、カポネの意を受けた市会議員が賄賂を持って懐柔に来るも突っぱねたネス。さらにカポネを追い詰めるべく、カナダからの酒の密輸現場を押さえ、金の流れを示す帳簿を入手する。
これでカポネを脱税で裁判にかけられると意気込んだ矢先、確保した証人とウォーレスが殺され、マローンもカポネからの刺客に殺される。
仲間を失い、裁判も取り下げられる寸前のネスは、証人になり得るカポネの事務方がシカゴを脱出する情報を掴み、これを銃撃戦の末に水際で確保。ついにカポネに対する裁判が始まる。
しかし、法廷でカポネは余裕の表情を見せる…。


今回、初めて映画館でこの作品を見たんですが、「ああ、映画を見たなあ!」という気分にさせてくれました。演出も、キャスティングも、音楽も、これぞ映画。
演出そのものは、現在の映画のねちっこさからすれば…すごくあっさりしてます。これを浅いとするか、テンポがいいとするかは人それぞれでしょうが、自分は絵巻物感覚みたいで好きですね。
アンタッチャブルの4人とアル・カポネを除けば、見せ場は一人一回くらい。警察署長と、巻き添えで亡くなった女の子の母親、カポネの用心棒、新聞記者が複数回印象に残るくらいか。
ネスの妻と娘への危害をチラつかせながら、そっちには話が行かなかったのも良かった。そっち方面に話が行くとイヤな話になるからね。
ポチョムキンオマージュ(乳母車階段落ち)については、シカゴ駅で母親が乳母車を引っ張り上げようとしだした時点で、ちょっと笑ってしまいましたけどね。公開当時ならもっと素直に面白がれたかもしれない。

改めて…1987年当時のケビン・コスナーは凄いね。完璧な正義の主役顔。端正な顔つきに誠実なオーラ、そりゃクラーク・ゲーブルの再来と言われるわ。
現在の映画界だとこういう人は逆に埋もれてしまうかもだけど、こういう人じゃないと成立しない映画もあるんです。この後に『フィールド・オブ・ドリームス』『JFK』『ダンスウィズウルブズ』と全盛期を迎えますが、『アンタッチャブル』をスクリーンで見ると、それも当然だと感じました。
この映画で唯一アカデミー賞を受賞したのが、助演男優賞のショーン・コネリー。経験の浅いネスを導いていくベテランという役どころ、主役級の大スターが一歩引いていることで生まれるリアリティ。この映画の白眉。
テキパキと郵便局に踏み込む段取りをする指揮能力、時には死体を銃で吹き飛ばして自白させ、警察署長と殴り合ってでも情報を掴もうとする行動力。これらがネスにも次第に乗り移っていくのが実にいいんですなあ。
マローンに抜擢された若手ストーン役のアンディ・ガルシア。とにかくいい男。
共演陣が豪華だからまだ自己主張は無いけど、ネスやマローンに忠実で、要所で場面をさらっていくとこに片鱗を感じます。
例のポチョムキンオマージュでの、乳母車キャッチからの片手射撃は、…まあ漫画的ですがアンディ・ガルシアなら許せます。
そして、アル・カポネ役のロバート・デニーロ。希代のカメレオン役者がここでも怪演。
この後の映画撮影のため体型は変えられなかったそうですが(服の下にボディースーツで体型を太めにしてある)、髪は抜いてカポネの雰囲気に近づけたそうです。スゴいねえ。
一番印象的なシーンは、冒頭のひげ剃りされながらの演説ですねえ。内容もさることながら、カポネが顔を動かしたせいで頬が切れてしまい、理髪師が文字通り凍り付く…あの数瞬ですよ。こっちの心臓も止まるかと思ったわ。
パーティーで幹部を撲殺する狂気にまみれたシーンもスゴいですが、オペラを見ながらマローン殺害成功の報を聞き、恍惚の表情で涙ぐむとこもスゴい。デニーロは心底楽しんでるわ。
いい映画は悪役が魅力的ですが、デニーロ演じるアル・カポネの巨大感は素晴らしいですよ。善悪はともかく、お仕えしてみたいものです。
その他、騎兵隊の隊長、裁判官なんかもいい味出してたと思います。

画面に映る世界も金かかってます。キチンとしていて隙が無い。
通りに並ぶクラシックカー、警察署、住居、シカゴ駅などのセットなど、当然のように統一された世界観になっています。今だとCGなんでしょうけど、この当時はそうはいかないからね。
おかげで余計なことを考えずにストーリーに没頭出来るし、俳優の演技を堪能出来るってものです。
こういうとこで勝負が出来ないから、邦画はアニメ主流になってるんだろうねえ。(『この世界の片隅に』の呉市を、ちゃんとお金をかけて実写セットで組めるか? 無理でしょ)

上にも書きましたが、テンポがよくて見やすい反面、深みのある映画とはいえません。『ゴッドファーザー』みたいなのを期待すると肩透かしを喰うかも。
面白いことは間違いないので、深く考えずに見てほしい作品です。映画論をぶつような人でなければ、娯楽作品として楽しめるはず。
何より、昨今のハリウッドでも見られなくなった、ビッグネーム揃い踏みの豪華さで、それぞれ役に徹して魅せてくれるんですから、何も言うことは無いのですよ。

午前十時の映画祭でのプログラム、まだこの映画をやってるとこもありますので、機会があれば是非。長谷川一夫の『雪之丞変化』になってたらゴメンなさい。
なんだかんだで『アンタッチャブル』ももう30年経って、名画の範疇になってるんですねえ。身体が言うことを聞かない訳だ…。

ちなみに自分は、職場の付き合いの必要が無ければ酒類は一切飲まないので、"禁酒法"は歓迎ですがねw
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2017/05/28 Sun. 13:15 | trackback: 0 | comment: 0edit

『美女と野獣』(字幕版)見てきました 

世の中は連休だったそうですが、そんな戯言が無関係な接客業の皆様は激務お疲れ様でした。自分が厚生労働省の役人なら、入れ替わりで接客業の人全員に5月8日から9連休取らすけどね。経済はメチャクチャだろうけどw。
自分も通常の休日はありましたが、連休何それおいしいの?くらいな感じで仕事をしておりました。その休日も、あえて混まない映画を見に行ったくらいで(後日書くよ)、あとは身体を休めておりました。
で、連休中は絶対混んでるから避けていた映画『美女と野獣』、満を持して5月8日に行って参りました。

『ララランド』『モアナと伝説の海』の時も書いたように、1991年のディズニーアニメ『美女と野獣』は映画館に見に行きました。
『リトルマーメイド』あたりから始まったディズニーアニメの快進撃を決定的にした名作。モチーフとなったジャン・コクトー版の『美女と野獣』を完全に過去の物にし、『美女と野獣』といえばコレという評価を得て、当時長編アニメーション賞が無かったアカデミー賞の作品部門で優秀賞5作品に入った、歴史的な映画であります。
自分も大変気に入って、サントラも買ってよく聴いてましたし、LDもDVDも買って家で鑑賞もしてました。コレと『アラジン』を抜きに90年代は語れないです。
故に、今回の実写版はどうしても"字幕版"で見たかったのですよ。繰り返し見て、サントラで聴きまくったフレーズを、いきなり日本語にされても萎えるので。
富山市三大シネコンで、『美女と野獣』の字幕版を上映するのはファボーレ東宝のみ。『シング』もそうだったけど、なぜ字幕版を見たい客層を無視するんかね? 腹立つわ。
で、『美女と野獣』の上映が始まってから、ファボーレ東宝のタイムスケジュールをちょくちょくチェックしていたんですが、意外なことになってましてね。
上映開始当初は"吹替版"の方が回数が多く、時間が上手く合わなかったので、4月27日は『攻殻機動隊』を見に行き、5月4日は混雑を避けて…ある映画を見に行きました。
で、5月8日に備えてタイムスケジュール確認したら…"字幕版"の方が回数多くなっているんです…。
調べてみると、全国あちこちで「吹替版より字幕版の方が客が入っている」という現象になっているようなんですね。天下のディズニーですから、吹替版の出来が悪いということは無いのですが…。
推測ですが、1991年版『美女と野獣』を字幕版で見た人は多く(当時は吹替版を並行上映とか無かったし)、その後のソフトでもバカ売れしたVHSやLDは字幕版が主で(吹替版もあったけど)、DVD版で初めて吹替版音声が同時収録でしょうから、あの主題歌や劇中歌の数々は英語じゃないとイヤだという人は結構いるんじゃないでしょうか。
全くの新作なら、『モアナ』みたいに田舎は吹替版だけ見とけ!みたいなノリでも不満は小さいでしょうが、ただでさえ見た人が多い『美女と野獣』では、今までとは違う傾向になったのでしょう。今まで吹替版オンリーだったイオン系シネコンも、急遽字幕版をやり始めたそうです。
となると、数年内にディズニーが予定している『ムーラン』や『アラジン』などの過去作実写化についても、字幕版の要望が高くなるのではないでしょうか。
ま、おかげで見やすい時間帯に字幕版が見れた訳ですけどね。

ファボーレ東宝到着、券売機で前から3列目真ん中を確保。
1日6回上映の字幕版ですが、自分が見る回だけ少し小さめの小箱になってます。平日昼間だしまあ仕方ない。
パンフレット買って、時間待ちのうえ入ります。観客は10人、男は3人。


(ここからネタバレですが、ストーリーは1991年アニメ版そのままです)

ディズニーおなじみのシンデレラ城アイコンを映したまま、画面がスッと手前に引いていくとバラが現れて、あの…アニメ版の開始時と全く同じBGMが流れ出すんです。ここで鳥肌立ちました。もちろんナレーションも入ります。
ある城の傲慢イケメン王子が豪奢な舞踏会を開いているところへ、老婆が現れて「寒さをしのがせてくれたら、一輪のバラを差し上げます」と願うが、王子は笑って拒絶。
老婆は実は魔女で、城と王子と使用人らに呪いをかける。バラの花びらが全て散る前に、誰かから愛されなくてはならない。さもなくば王子は永遠に野獣のままとなる…。
とにかくね、この冒頭の舞踏会からして金かかってますよ。キャストもセットも補完するCGも。画面に圧倒されます。邦画の漫画実写化が恥ずかしくて溜息が出るレベル。
また、この舞踏会は2回目以降のリピーターには違う面白さがあるでしょうね。誰がどこにいるのか確認するのが楽しそう。
んで、場面転換してのベル登場。ベルや村の人が歌い継いでベルの人となりを歌い上げていく、アニメ版でも屈指の名シーン。
これもねえ、セットといいキャストといいスゴい出来です。アニメ版の…図書館でハシゴに乗ったベルが滑らかに移動するシーンはありませんでしたが(そもそも本が少なかったw)。
ベル役のエマ・ワトソンは、確かに聡明だけど美人過ぎないかと思ってましたが、歌も頑張ってるし、外見しか見ないガストンが惹かれるんだから美人でもいいかと。
そして! そのガストンが今回の映画の白眉!
アニメ版でも存分に脳筋で姑息なアゴ割れっぷりでしたが、ルーク・エヴァンス演じる実写版ガストンは惚れ惚れするイケメンなんですよ。恐ろしいまでにカッコいい。
その…アクが強いを通り越した外見で、俺様っぷりを見せつけてくれるガストンは、アニメ版から抜け出してきたというか、アニメ版以上にガストン。とにかく人の話を聞いてないw。
野獣のいる城に乗り込むべく、民衆を煽動するガストンもカッコよく、スピンオフを一本作ってもいいくらいでした。
そのガストンの傍らにいつもいて話し相手になるル・フウも、ほのかな同性愛者でガストンに惚れている設定が加わったことで、コメディリリーフとガストンの理解者を兼ね、要所で楽しい演技を見せてくれます。
この二人が強烈過ぎて、ベルの父親とかその他の村の人が印象薄いですけどw。

さて、野獣の方は…さしてケモナーでもない自分が普通に見れるレベルの実写キャラクターになってます。この辺はさじ加減難しいだろうねえ。恐い時と愛嬌ある時も表現しなきゃいけないし。
次第にベルと打ち解けて親密になっていく表現はよく伝わってきましたし、アニメ版での小ネタも(スープ皿に顔突っ込んで汚れるとか)しっかり入ってました。
二人だけの舞踏会のシーンは、アニメ版に比べると少しあっさりしてる印象でしたが、それで評価を下げるものでもありません。
野獣が王子に戻るシーンも、野獣が宙に浮いて光に包まれていくという…アニメ版の演出をしっかり踏襲していて、思わず「おおっ」と嬉しくなってしまいました。
直後に来る、この映画最大の苦笑いポイント…"王子よりも野獣の方が良かった気がする"というアレも、アニメ版に比べたら落差は小さくなっています。王子はイケメンで、改心した様子が伝わってきますしね。
野獣に仕える使用人の方々はもちろんCGで、時計、燭台、ポットなど、アニメ版と同じ役回りをこなします。
この使用人達が奮戦して乗り込んできた村人を撃退し、その直後に……最後のバラの花びらが落ち、動かない家具になっていくシーンは、オチを知っているのにちょっと泣きそうになりました。
呪いが解けて人間の姿に戻った使用人達も、なかなかよくキャスティングしてあったと思います。
しかし、CGなどのテクノロジーの進化はスゴいねえ。

アニメ版と比べて改変してあったとこに少し触れると。
まず、村と城の位置関係が近くなっているようです。アニメ版はやたら遠そうでしたが、今回の映画ではそんなに遠くない、本来は城下町だったという感じで描かれています。
あとは魔女ですね。群衆に紛れて城に入り込んだ魔女が、クライマックスで大きく関わります。違和感はありませんが、ずっとそこにおったんかい!というツッコミはしたくなります…。
魔女は何のために傲慢な王子の城に行き、王子を呪いにかけたのか。そこは全く語られませんが、魔女の思惑が気になるところです。
細かいとこだとベルの母親のエピソードだとか、父親のキャラクターが細かくなっただとか、実写化に際して補強されてるとこはあります。ル・フウもそうですね。

物語は古典ですが、それを細部までこだわって実写化し圧倒的に迫ってくる。横綱相撲です。
アニメ版に思い入れがあれば、その再現っぷりに感嘆すればいいし、聴き慣れた曲の数々を堪能すればいい。
全くの初見でも、豪華な演出と王道のラブロマンスを楽しめば良い。序盤中盤終盤、隙が無い。
自分は字幕版しか見ませんが、吹替版のキャストも話題作りとか一切無い実力派揃いで、そっちを見ても大丈夫。
ここまで真ん中の王道なのは、近年珍しい気がしますね。そりゃあ興収快調だわ(現在70億突破)。

おそらく6月から7月も上映されていると思いますから、モノは試し、御覧になってみてはいかがでしょうか? 自分はあと1回見ておこうと思ってます。

♪Tale as old as time
♪Song as old as rhyme
♪Beauty and the Beast
2017/05/10 Wed. 09:11 | trackback: 0 | comment: 0edit

『GHOST IN THE SHELL』(字幕版)を見てきました 

『攻殻機動隊』は、まあ…好きな作品ですよ。
ただ、士郎正宗の原作はほぼノータッチでしたし、それを元にした押井監督の『GHOST IN THE SHELL』も公開された頃には見てません。後年、知り合いとコタツで酒盛りしながら見て、お約束のように寝たりした程度です。
1995年の自分は金沢市在住で、仕事とセガサターンに忙しく、そして10月にエヴァンゲリオンが始まり、それを12月にLDで見て衝撃を受けることになる時期だったので、映画館にはあまり行ってなかった。
富山に来て、スカパーのPPVで『攻殻機動隊』というアニメをやってて、かなり面白いらしいというところからですね。さすがにPPVでは見なかったけど、アニマックスに降りてきたとこでガッツリ見て、「これは確かに面白いわ」と認識しました。ハマってはいなかったけど。
しっかりハマったのは、2013年頃にパチンコでCR攻殻機動隊が出た時ですね。スペックと演出が好きだったので、打ち込んで分からないとこを見て解決してました。面白い機種だったなあ。
そんなに詳しくはなかったのに、パチンコを機に全体像を把握し、漫画も読むようになった。そういう感じです。根っから心酔してる人には申し訳ないですがw。
世界観や概念において、内外のアニメや映画に大きな影響をもたらしたのは間違いないでしょう。

そんな攻殻機動隊が、ハリウッドで実写映画化されました。
思い出すのが10年くらい前に、チャイドル上がりのタレント吉野紗香が攻殻機動隊ファンで、ブログで「草薙素子役をやりたい!」と希望を述べたら……それだけなのに大炎上したという、訳の分からない事件がありましたよね。吉野紗香は気の毒にも謝罪まで強要されていました。
攻殻ファン的には、そういう発言をする事自体が思い上がっているので制裁を加えたようなんですが、「攻殻という作品のファンは特権意識の高い馬鹿ばっかり」と刷り込まれた記憶があります。
というか、攻殻ファンの男共の大半は…押井や神山特有の小難しい世界観に酔い過ぎていて、草薙素子を神格化し、女神か何かだと思い込んでいたのでしょう。
結果的に、攻殻機動隊を好きな女性ファンを一人排除し、アニメファン全体のイメージを悪化させただけです。
映画化で公式からこういう配役になりましたという発表があって、それに対してブーたれるのは構いませんよ。それはどんなコンテンツの実写映画化にもあることです。
ファンの芸能人がただ「この役やりたい」と発言しただけで叩いて叩いて謝らせるってのは、攻殻ファンのお里が知れてるってもんです。
あの時…吉野紗香を叩いて批判して土下座させた攻殻機動隊ファンのボンクラな皆さんは、今回ハリウッドでスカーレット・ヨハンソンが少佐を実際にやるのは叩かないんですかあ? 土下座させないんですかあ? 日本人がやるべきとか言ってたじゃないですか、日本人じゃないんですよおお?
吉野紗香を叩いたくせにスカーレット・ヨハンソンにはダンマリの連中はその程度の存在。反論があったらどうぞ。笑ってあげるから。
ま、攻殻の公式も…ハリウッドでの映画化だったら馬鹿な連中も干渉出来ねえよな…という考えもあったかもしれませんね。
気持ちの悪い攻殻ファンが一杯いたことは覚えておきましょう。


(ここからネタバレ入ります)

さて、そのハリウッド版『GHOST IN THE SHELL』を、4月27日に見てきました。
物語そのものは、押井版(人形使い)を分かりやすく再構築しながら、攻殻機動隊の世界観に沿うネタをいくつか散りばめてある感じです。
そして、主人公である少佐の断片記憶と苦悩、自分探索が関わってきます。
親切な再構築ではあるんですが、気になったのは…少佐の脳移植全身義体が"初の成功例"だという点が強調され過ぎていて、少佐が『ロボコップ』のマーフィーと同じに見えてしまうことです。
あれも自分の正体を記憶の断片から自分で探す話でしたし。作り出した企業に黒幕がいるというとこも同じだしね。(してみると、やっぱ『ロボコップ』は偉大な作品だよなあ)
無論攻殻の本質はそこではないんですけど、特に前半は『ロボコップ』っぽいなあ…と感じる場面が多々ありました。
押井版ほど暗くない代わりに、ちょっとお涙頂戴的な演出はあります。そこは、107分のアクション作品として分かりやすくするためのもので、理屈っぽいことを並べて煙に巻くよりは遥かにいいと思います。

世界観はすごく頑張ってます。
『ブレードランナー』の東洋大都会イメージを突き詰めた、巨大で入り乱れた東洋文化都市。街の随所に何もそこまで…と言いたくなるほどの立体ホログラム広告。
冒頭のドンパチの舞台となる居酒屋(料亭?)の、香港日本中国がチャンポンになった感覚。オリエンタルとでもいえばいいのか。
CGにせよセットにせよ小道具にせよ、画面の中にチープだと感じる部分が無く、これがハリウッドで映画化するってことだなと痛感。日本映画はどんなに頑張ってもこれが出来ない。金をかけるってのはこういうこと。
映画が始まる時に配給会社のロゴが入りますが、パラマウントの後でアジア系が二つありました。おそらく中国と香港かと。ここに日本の会社が入れないってのがねえ。そりゃあ中華系の世界観になるわな。
日本映画がリアルタイムで世界に売れたのを『君の名は。』で初めて見ましたが、その東宝も明らかに不慣れを露呈してましたし、映画の元ネタは出せても、映画として世界に売ったり、協力して製作して配給したりというのは、日本の映画会社には出来ないんでしょうね。そんな事を想定せずに生きてきたから。
見ながらそういう事を痛感してました。

その日本要素といえば役者ですが。
公安9課を束ねる荒巻を演じるのが北野武ですけど、正直なところ演技が上手いとかはありません。台詞も聞き取りにくい。英語字幕が補助してくれたけどw。
ただ、妙な存在感はあるのと、日本語でボソボソ喋っているので…おそらく日本以外の人にはそれほど不評ではないんではないかと。自分らが洋画を見ていて、英語でボソボソ喋っている俳優を大根だとは思わないみたいに。
後半で荒巻が拳銃を使うんですが、ここの動きはサマになってます。さすがは『アウトレイジ』。
黒幕を追いつめた荒巻が少佐に盛んに同意を求めるシーン、あれは「お前が殺したいだろうけど、俺が殺っちゃっていいか?」ということだろうね。
少佐が自分の正体を探していく過程で出会う女性を、桃井かおりが演じているのですが、英語を喋っても実に桃井かおりで味がありました。
現在は海外で役者活動をしておられるので、北野武みたいな不安定さは欠片もありません。
渡辺謙みたいに目立たなくてもいいので、こういう風にサラッと洋画に出てくる日本人俳優がもっといてほしいですねえ。
エンドロールにはチラホラ日本名が読みとれましたが、講談社とかはちゃんとロゴ使ってもらえよ。中華系は漢字のロゴ使ってるぞ。

スカーレット・ヨハンソンは頑張ってると思いますよ。アクションもこなしつつ、内面性を追求する難しい役ですが、外見も含めて不満は無いです。
ただ義体が白っぽ過ぎて、着ぐるみというか肉襦袢というか、そんな印象。もう少し暗色にしてもらえると良かったなあ。
バトーは中盤からカメラアイになって、「ああバトーだ」と納得w。少佐の相棒感はよく出てました。
トグサは結構活躍してて、中華系俳優でもいいよねとは思ったけど、アニメみたいにいい男ではないので…吹替で山寺宏一の声が付くのは違和感あるだろうなw。
サイトーとか出て来ないのかな…と思ってたら、クライマックスで突然狙撃役で登場して笑いました。
イシカワ、ボーマはいるようだけど判別出来ず。パズ?…いません。

『攻殻機動隊』として見ると評価は割れるだろうけど、アクション洋画として見ればまずまず面白いと思います。『ブレードランナー』と『ロボコップ』と『マトリックス』のミックスみたいな感じで。
続きがあってもいい終わり方なんだけど、アメリカでの興収を見るに…まあ無いかな。コケた訳でもないけど、大ヒットとも言えないし。
でもね、やっぱハリウッドは凄いですよ。曲がりなりにも『攻殻機動隊』をこのレベルで映画化出来るんだから。これに関しては日本映画じゃなくて良かった。
『無限の住人』も、いっそ全部ハリウッドに任せたら良かったかもしれないね。そういう歴然とした差を感じました。
元ネタを知ってる人も知らない人も、見といて損は無い映画ですよ。
2017/05/02 Tue. 13:41 | trackback: 0 | comment: 0edit

『君の名は。』31回目の感想その2 

前回の訂正。
富山市の『君の名は。』が終了したと書きましたが、シアター大都会はまだやってました。5月5日に終了予定。
といっても夜9時台のレイト1回だけなんで、休日に見に行くというのもねえ…。片道100分だから、帰宅が深夜2時前になるからなあ(寄り道するとこも閉まってるから、単に歩くだけだけど)。
とりあえず休日のシフトを見たうえで再考はしてみますが、32回目は…無いかなあ。
さて、『君の名は。』を細かく語っていくよ。

(前回の続きから)

組紐を作る宮水家の三人。
「私もそっちがいいわぁ」とごねる四葉に対し、諭し説教をかます一葉ばあちゃん。何度聴いても実に市原悦子、素晴らしい演技。
繭五郎の大火に対し、「え、名前付いとるの?繭五郎さん可哀想…」と反応する四葉の性格の良さ、いいねえ。
昨年12月の糸魚川大火で、ばあちゃんの言う「この辺一帯丸焼けになっちまった」という台詞に説得力が増した気がします。
ばあちゃんが肩を叩きながら「せやのに、あの馬鹿息子は…」と嘆く、その馬鹿息子こと宮水俊樹は、土建屋の勅使河原宅で宴会中。
その様子を伺いながらテッシーが言う「腐敗の匂いがするなあ」は名台詞。いろいろ応用が利くわ。
父から「週末は現場手伝え。発破使うでな、勉強や」と言われたテッシーの返事の重さと、二度目の返事のヤケクソっぽさ。いかにも父と息子の親子関係です。
自室で神社方面を眺めながら「…たまらんなあ、お互い」という台詞、家業ある身の身動きのとれなさを共有する三葉への語りかけであり、ほのかな恋心もあるんでしょう。テッシーの抱える心の重み、これがクライマックスに生きてきます。
しかし、テッシーの部屋は高価そうないろんなアイテムが無造作に置いてありますよね。無線機関係が主みたいですけど、土建屋の跡取りとしてこういうものは買ってもらえたんでしょう。
自分の友達関係でも、家業がある家の子はいろんなものを買ってもらってた記憶があります。

神社の舞台で巫女舞をする宮水姉妹。
同じ振り付けを踊っているはずの姉妹の動きが、少しずつズレているのはリアリティあります。おそらくモーションキャプチャー作画なんでしょう。これをセル画でやってたら原画マンが死ぬw。
この振り付けは本職の人に作ってもらってるそうですが、実は「彗星が二つに割れて落ちる」という意味を込めているそうです。本来はそういう事実を伝承するために始まった舞いだったのが、繭五郎の大火などで書物も意味も失われ、形だけが残っている。
舞いの場面の最後に、姉妹が鈴を合わせて"人"みたいな図形を描き出していますが、これこそが「彗星が二つに割れて落ちる」ことを表現しています。舞っている二人も周囲の人も全く気付いていないけども。
そこから梱包された白米が出てきて、『口噛み酒』のくだりになっていく訳ですが、この辺は新海誠監督のフェチシズムですね。
サヤちんの「神様嬉しいんかなあ、あんなお酒貰て」に、テッシーが被せ気味に「そら嬉しいやろ!」と言うのは、監督の願望でもあるかとw。
この場面、冷やかし役である松本君の「見てみい、宮水や」という台詞、2ちゃんなどのネット界隈でいろんな用途によく使われてました。「見てみい、コピペ荒らしや」みたいな感じで。松本君は便利なツッコミ役。
行事が済んでの宮水姉妹、あーだこーだ言いながら石段を降りて、三葉心の叫び…
「もうこんな町嫌やあ!こんな人生嫌やあ!来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!」
イケメン男子はともかくw、自分が中学高校の時に田舎で考えていたのとほぼ同じです。都会に出たい子にとっては床の間に飾ってもいいくらいの至言ですよ。

場面変わって、瀧くんのお目覚め。中身は三葉ですが。
男性の身体に驚く儀式もそこそこに、お父さんが声をかけてくる。
瀧くんのお父さんの声は、もはや大御所声優といっていい井上和彦さん。少ない出番ですが、らしい演技をされています。父子家庭ならではのサバサバした父親。
トイレでリアル過ぎる何かを見てしまった瀧ちゃんですが、外に広がっている東京の風景に心を奪われます。自分も福岡で暮らしだした頃は、いろんな風景に心奪われていたもんです。
スマホを駆使しながら「東京やあ~」と、おのぼりさん状態の瀧ちゃん。もみあげをクルッと触る仕草が可愛いです。

(次回へ続く。他の話題の更新が挟まることもアリ)
2017/04/28 Fri. 02:36 | trackback: 0 | comment: 0edit

『君の名は。』31回目の感想その1 

先日、富山県内での『君の名は。』の上映が終わりました。
4月に入ってからは花粉症に起因する体調不良が長引き、映画館には『ひるね姫』を1回見に行っただけで、『君の名は。』を見に行く余裕がありませんでした。
せめて昼間か夕方にやってくれれば動けたと思いますが、公開末期ということで上映が日に1回、それも夜かレイトになってしまってましてね。翌日の仕事を考えるとなかなか…。
そうこうするうち、シアター大都会、ファボーレ東宝は上映終了、残るJMAXシアター富山も20日で終了のアナウンスが出ました。
で、19日は休日、「最後なんだから是が非でも映画館で見ておきたい!」と一念発起、体調は相変わらず不良なれどもドリンク剤まで使って整え、夜9時半のレイトの回を見に出かけました。(翌日は朝11時出勤なんだけど、考えないことにした)

本当は、夕方からの映画を1本見てからハシゴしようかとも思ったのですが、体調面、適当な映画が無い、『君の名は。』に集中したいなどの理由でやめました。
で、夕方にシネコンに行き、チケットを確保。そのまま紀伊國屋書店にしけ込んで立ち読み三昧…と思ったんですが、やっぱり体調が今一つ、長時間立ち読みはクラクラするので適当に切り上げ、シネコンの待合いソファに座り込んで、予告編見ながらスマホでツイッターやって暇を潰します。
まあ…シネコンの人には(あの『君の名は。』リピーターの帽子の人、最後だから見に来たんだわ)とか思われてんだろうなあ…と考えてましたが、ここで萎縮しては男がすたる。
ツイッターにしょうもない事を書きつつ、ようやく夜9時20分になり、アナウンスと同時に立ち上がってチケットをモギってもらいます。
5番スクリーンに一番乗りし、いつものポジション(前から4列目真ん中)を確保。ドリンク剤、目薬、ウィダーインゼリーと、前準備もしっかりやります。
ひょっとしたら自分一人かとも思ってましたが、さすがは興収249億円、平日夜9時半のレイトなのに10人お客がいます。初見なのかリピーターなのかは知りませんが、いい時間を過ごせるといいですね。
予告編が入った後、カメラ男のダンスにポップコーン君がポップコーンを派手にまき散らして、いよいよ本編が始まります。
あ、遠慮せずにネタバレするんで、そのつもりで。


隕石が降ってくるのを長回しで見せるファーストシーン、これを見るたび「ああ『君の名は。』だよ」という気分になったものですが、映画館では今回が最後。
「朝、目が覚めると何故か泣いている。そういうことが時々ある」
目覚める二人、実はもの凄い伏線。
「ずっと何かを、誰かを、探している。そういう気持ちにとりつかれたのは、たぶんあの日から」
「あの日、星が降った日。それはまるで…まるで、夢の景色のように、ただひたすらに美しい眺めだった」
浴衣姿の三葉をカメラが回り込んで、尾をひく彗星との構図が決まったところで出てくる『君の名は。』のタイトル。これがメチャクチャカッコいい。毎回惚れ惚れしていました。
RADWIMPSの『夢灯籠』が流れてのオープニング。ここはとにかくリピーターじゃないと気付かない伏線の嵐。
オープニングで好きなのは、瀧くんと三葉が背中合わせに立ち、瀧くんが急成長するシーン、窓際での気怠げな三葉、一瞬挟まる手のひらに文字を書くシーン、巫女衣装の三葉が舞っているあたりの流れですかねえ。
あと三葉と瀧くんの衣装が変わっていくとこ(実は時系列順)も。
このオープニングがあることで、この物語はこの二人の物語なんだという刷り込みにもなってます。

オープニングが終わって、三葉の寝姿。「瀧くん瀧くん…覚えてない?」という台詞と場面が被る。ここも伏線。寝てる三葉は瀧くんだというのを示唆してる。
飛び起きた三葉、胸を揉みだす。起こしに来た妹に急かされ、鏡の前でようやく…自分が女性になっている事に気付く。
階下で朝御飯を食べる祖母と妹、三葉に対し「今日は普通やな」「昨日はヤバかったもんな」と冷やかし。
さっきの寝起きのシーンは昨日の出来事だという場面の確認。この後も、テッシーサヤちんからの「婆ちゃんに御祓いしてもらったんか?」、古典の授業中の「あら、今日は自分の名前覚えてるのね」など、繰り返し念を押してきます。
登校中の三葉父の選挙演説、横にテッシー父が作業着で並んで立ってます。
「町長と土建屋は、その子供も仲ええなあ」と皮肉る男子は松本くんといい、女子二人は桜と花という名前だとのこと(新海誠監督の公式情報)。後に三人とも東京での姿が描かれます。
また、この選挙演説絡みのシーン最後のところで、駐車場に止まっている車の中に、「高山ラーメン 吉野」の軽トラがあります。自分は10回目過ぎでようやく気づきましたw。
あの高山ラーメンのシーンでの「この人、糸守出身やで」を証明する伏線です。

古典の授業をする女性の先生は、新海誠監督の前作『言の葉の庭』のヒロインである雪野で、声優も同じ。今作のエンドロールでは"ユキちゃん先生"となっています。
この授業での黄昏時→誰そ彼→彼は誰→カタワレ時という内容は、この作品の重要なポイント。
テッシーサヤちんと語らう昼休み、テッシーが示す月刊ムーの内容は、実はこの映画で瀧くんと三葉に起こっていること。
ちなみにテッシーこと勅使河原克彦も、小説版『言の葉の庭』に出てくるキャラクター。性格は違うそうだけど。
「ウチもうこの町嫌やあ」から始まる三葉の愚痴は、五島列島出身の自分メテオの心に響きまくりました。狭すぎるし濃すぎるし(そうだそうだ!)。
三葉が帰った後の、テッシーの「普通にずっと、この町で暮らしていくんやと思うよ、俺は」という、諦めと達観の入り交じった台詞もグッと来ます。家業があるから抜け出せないんだよね…。

(以下、続きます)
2017/04/24 Mon. 04:53 | trackback: 0 | comment: 0edit

『ひるね姫』見てきました 

神山健治というアニメーション監督については、特に好きだ嫌いだということは無く、ただ…非常に理屈っぽい話を作る人だというイメージがあります。
代表作である『攻殻機動隊SAC』(スタンドアローンコンプレックス)からして、異様に理屈っぽい。素材が神山監督の理屈っぽさを上手く吸収して、評価される作品になった感があります。…原作者(士郎正宗)にはあまり好かれてないようですけど。
近年は『サイボーグ009』を今風にリファインした作品をやってましたが、石ノ森世界観と神山監督の理屈っぽさが噛み合ったのかは、見てないので何とも言えません(キャラクターデザインが気に入らない)。
師匠である押井守監督から理屈っぽさを色濃く受け継ぎ、『攻殻機動隊SAC』の他にも『精霊の守り人』『東のエデン』など実績を積んでいる。アニメ界においては名の知れた監督です。
その神山監督が、一般向け劇場用アニメ作品で勝負するのが『ひるね姫』。日テレのバックアップの元、原作の無いオリジナル作品で果たしてどこまで勝負出来るのか?

本当はJMAXシアター富山で『ゴーストインザシェル』(攻殻機動隊のハリウッドリメイク)を見る予定だったんですが、お疲れモードで予定時間に起きられず。
ファボーレ東宝のスケジュールを確認すると、『夜は短し歩けよ乙女』と『ひるね姫』がちょうどいい時間だったので、……もう1日1回上映まで減っている『ひるね姫』を見ておくことにしました。あんまり入ってないんだろうなあ…。
ファボーレ東宝到着、券売機で『ひるね姫』の座席表を見ると……自分だけみたいだなあ。これはお一人様覚悟か。前から3列目真ん中確保。
とりあえずパンフを買い、10分前開場と同時に入場。スクリーンにウザい情報番組やウサギのアニメが流れてるとこが、実に東宝直営。
予告編見てたら、もう一人入場してきました。貸し切り回避w。
さて、始まります。


(ここからネタバレ入ります)

この話、【夢】と【現実】が交互に、微妙にリンクしながら進んでいきます。
まず【夢】の中のハートランドという国の紹介。
機械作りに絶対の自信を持ち、全ての国民が24時間体制で機械作りに勤しんでいる。高速道路は常に大渋滞で遅刻が常態化しており、国民は常に新車への買い替えを強制される。
ハートランド王はそれで国民を幸せにする自信があるが、娘のエンシェンが魔法使いとして生まれたことを悩んでいる。エンシェンは魔法のタブレットを使い、機械が自我を持ち勝手に動くようにしてしまうため、塔に幽閉されている。
しかしエンシェンは塔を抜け出し、魔法のタブレットを奪回するため金庫に侵入し…。

ここで【現実】の女子高生、森川ココネが目を覚ます。今までの話はココネが見ていた夢。
ココネは起き出して、自分と父親の為に朝食を作る。あまり会話は無いが、ココネが学校に出かけると父親がLINEでいくらか会話してくる。娘のことは気にしているよう。
父親は自動車修理工を営んでおり、近所のじいさんのパンクを修理するが、しれっと自動運転機構を組み込んでしまっている。いいのかw

また【夢】のハートランド王国。
ハートランド王国にはよく"鬼"が襲ってくる。その"鬼"に対抗するため、エンジンヘッドと呼ばれる大型機械兵を作り上げ、迎撃する。
その騒動の中、ピーチというバイク乗りを見つけたエンシェンは、彼を手下にするため彼の前に駆けつける。

ここで【現実】のココネが学校の教室で目を覚まし…。
…という感じで、【夢】と【現実】が交互に展開し、その展開はリンクしているのです。だからストーリーを説明するのが難しい。
とりあえず【現実】のココネに関する重要事項を書き出すと…

◎2020年の岡山県に住む女子高生である
◎呑気でおっとり、よく寝る、ハートランド王国の夢を見る
◎父親(モモタロー)は自動車修理工で、ちょっとわけありな雰囲気
◎母親は亡くなっているようだ
◎1才上の幼なじみのモリオがいるが、彼氏でもない

で、この父親が警察に連れていかれるんですが、父親はある物に隠してココネに大事なタブレットを託す。
そのタブレットを狙っているのが、日本有数の自動車企業であるシジマ自動車の重役である渡辺という男で、【夢】ではハートランド王に仕える異端審問官という役回り。どうやらこの男が全ての元凶。
一度は奪われたタブレットだが、ココネは奪還に成功し、モリオと共に自動運転のサイドカーで逃避行を始める…。

そう、この映画のキーワードは「自動運転」なんです。
2020東京オリンピックの開会式に、シジマ自動車は自動運転車による選手入場を予定しているのだが、無事成功するかは未知数。重役達は危ぶむが、会長である志島一心は強行しようとしている。
志島一心には有能な娘がいたが、「自動運転」を推し進めようとして父親と対立し、シジマ自動車を辞して駆け落ちする。その相手が森川モモタロー。
娘は駆け落ち後に女の子を産むが、ほどなく事故によって他界する。
志島一心は、娘を失った喪失感と贖罪から、東京オリンピック開会式での「自動運転」に固執していく。
重役の渡辺は、会長の亡き娘が完成させていた自動運転アルゴリズムを入手し、開会式を成功させたうえで会長を追い込み、シジマ自動車を乗っ取る算段をし、内密に行動を起こす。
…この裏事情が分かれば、話はだいぶ分かりやすくなるんですが、正直なところストーリーの流れが親切ではないんですよね。人によってはかなり混乱すると思います。
あえて乱暴な言い方をすれば、【夢】を無くして【現実】だけにしちゃえばストーリーは簡潔になると思うんですよ。
ついでに、主人公を森川モモタローにすれば、かなりストレートな話になって、神山監督っぽくなるでしょう。
ただ、それでは『ひるね姫』ではないし、日テレその他の後押しで製作費が出て、この春休みに全国ロードショーするような映画にはならないのです。

【夢】と【現実】が交錯しまくるため、「おや?」と思うところもありました。
ココネが持ってた1万円札は、給油に消えたの?
モリオが「家に戻る」ように設定したサイドカーは、何故最後のあの場面であそこに現れたのか? あの場所を「家」だと認識したのであれば、なかなか意味深だと思います。
【夢】の中で落ちたエンシェンと、【現実】のココネが落ちかけてるのはリンクですが、【現実】のココネはどういう経緯で落ちかけているのかが分からない。タブレットを追って落ちたんだろうとは思いますが、ちょっと雑な気はしました。
エンドロールでココネのお母さん(つまりモモタローの嫁、志島一心の娘)の話が展開するんですが、この映像の一部分でもいいから本編に持ってきた方がよかったのではないか? 本編中の情報では、ココネのお母さんはどういう事故で亡くなったのかがハッキリしないので(自動運転のテストで亡くなったという解釈でいいはずだけど)。あの車がどんな事故を起こすのか、エンドロール中ビクビクしながら見てました。
ハートランド王国を襲う"鬼"とは何の暗喩なのか、分かるようで分からなかった。人の悪意?
【夢】の中のエンシェンは、ココネではないってことでいいんだよね?

映画作品としての話をすると、声優として起用されている俳優さんは全て違和感無く上手かった。
高畑充希という女優さんの知識は無かったんだけど、ココネの岡山弁でフニャフニャした喋り、実に上手かったし、主題歌の『デイドリームビリーバー』もなかなかのものでした。
渡辺役の古田新太、モモタロー役の江口洋介、志島一心役の高橋英樹(…桃太郎侍)など、文句のつけどころが無い。ジョイ役は釘宮理恵だw。
キャラクターデザインも見る前は微妙な印象だったけど、動いてると問題ない。陰影が無いのも別に悪いとは思わないし。
あくまで個人的な感想ですが、感動したかと言われるとそれは全く無いです。泣ける場面は皆無。
じゃあ駄作かと言われるとそんな事はない。野心作だとは思う。でも…もう少しどうにかなったんじゃないか、分かりやすくなったんじゃないかという気はします。
途中、「ハード屋がソフト屋に頭を下げるようになったら、物作りは終わりだ」という台詞が出てくるんですが、この葛藤をそのまま映画の主題にしても良かったかも。90年代にゲーム業界が通ったとこですよね。現実でも「自動運転」に真剣なのはグーグルだったりする訳ですし。
「自動運転」にしても、なぜココネの母親はそこへ邁進したのかをどこかで見せてほしかった。【夢】でもそこに利点がある描写が無かった。
動機づけが弱いからカタルシスも弱い、そこがもったいない気がしました。
小説を読んで補完した方がいいかな。

いろいろ書きましたが、オリジナルのアニメ作品としては頑張っていると思います。
オリジナルで、見る人を混乱させずに楽しませるというのは大変なんだなあ…と再認識しました。
万人向けとは言い難いですが、物を作る側の人にはかなり刺さると思いますよ。
映画館で見れるのもあと少しだと思いますので、興味のある方はぜひ。
2017/04/09 Sun. 03:03 | trackback: 0 | comment: 0edit

前後編映画にはリスクがある 

映画がウケるとシリーズ化するというのは、昔からよくある話です。
ナンバリングが付いていくタイプでは『ロッキー』や『ランボー』、『ターミネーター』『エイリアン』『ミッションインポッシブル』などが有名ですね。1作目の高評価をうけて2作目を作ったら、これも客が入ってシリーズ化していく。『インディジョーンズ』もそうか。
日本だとナンバリングはしないものの、『男はつらいよ』『駅前シリーズ』、植木等の『日本一の○○男』など喜劇に多いんですが、近年は『ビーバップハイスクール』と『あぶない刑事』、『踊る大捜査線』『海猿』が成功したくらいですかね。
割と多いのが、『バックトゥザフューチャー』や『マトリックス』『スターウォーズ』のように、1作目のヒットをうけて3部作とかサーガ化するケースですね。2作目と3作目を同時に撮影しちゃうのが多いようで。『ロードオブザリング』は最初から3部作ですけど。
変則的なのは『スーパーマン』で、あれは1作目と2作目が同時撮影されています。1作目のエンドロールの最後に「NEXT YEAR SUPERMAN Ⅱ」と出るのは有名な話で、2作目の三悪は1作目にちゃんと登場しています。

さて、近年の邦画では最初から「前後編」を謳った映画がよく作られています。
『デスノート』『進撃の巨人』『64』『ちはやふる』など、ジャンルも方向性もいろいろなんですが、とにかく前後編にしたがる。
これにはもちろんメリットがあって、まず重厚な原作をあまり端折らずにじっくり映画化出来ます。原作ファンの不満も抑えられるでしょう。
加えて、単純に2本撮るより予算が少なくて済みます。俳優のスケジュールも押さえやすい。
それでいて、後編は前編の80%くらいの興収が計算出来るのですから、映画業界としては利益をあげやすい。
10年くらい前に人気漫画を映画化した『NANA』という作品があって、非常に好評で40億円の興収をあげ、意気揚々と続編の製作を発表した…ものの、主演の宮崎あおいを始め幾人かのキャストのスケジュールを押さえられずキャスト交代となり、結果『NANA2』の興収は12.5億円となってしまった。この事例が、最初から前後編で映画を撮る流れの発端になったのでしょう。
しかし、必ずしも良いことばかりだとは思わないんですよね。

前後編ということは、前編を見てない人が後編を見るはずがない。だから後編は前編の80%くらいになるし、『進撃の巨人』みたいに前編の評判が悪いと後編では半減してしまう。
これは意外と怖いことだと思うんですよね。客が入る見込みの無い映画を上映しなきゃいけない。空席だらけ。
今年の春、2つの前後編映画が封切られたんです。『3月のライオン』『サクラダリセット』ですね。
自分は『3月のライオン』という漫画については、「漫画ジャーナリストの間では評価される作品」というイメージを持ってまして、将棋漫画好きにも関わらずかなり苦手な作品です。正直、面白いと思ったことはありません。
そういう感じなもんで、映画館で予告編を見ても全く食指が動かず、「ああ今年はこれが東宝の前後編映画なのか」としか思ってませんでした。ほんわかな雰囲気を醸し出す漫画と違って、えらく殺伐とした内容っぽいなあ…という感想。
ま、原作が好きな人は見るんだろうよ…と思っていたら、これが春休み前から公開してるのに、4月2日時点の興収が5.7億円…。4月半ばからは後編が始まるんですが。
ちなみに昨年の『ちはやふる』は前編が興収18億円ですので、比較するまでもなくこれは「爆死」です。
原作自体はまあ…意識高い漫画読みにはウケてるみたいですし、NHKでアニメ化もされてるんですが、一般層への広がりは無いかも。
見た人のレビューを読んでもかなり賛否ある内容で、口コミも良い方には作用しなさそう。そもそも原作ファンは羽海野チカのほんわか作風が好きなんであって、殺伐とした世界観は望んでないようで。
ま、いろいろな戦略ミスがあったうえでの現在の興収なんですが、問題は…これ後編の公開を控えてるんですよ。後編は前編を超えないというのに。後編5億もいかないのが濃厚。
昨年の『ちはやふる』にしたって、後編公開時に東宝がうっかり「来年、完結編を作る」とかアナウンスしちゃう大ポカをやらかして(つまり後編では完結しないと明言してしまった)、後編興収が12億に止まり、その完結編も宙に浮いて立ち消えになったままなんですがね。やれやれ。
『3月のライオン』後編は、『コナン』『クレしん』がランキングを賑わす時期に、ディズニーの実写版『美女と野獣』と同じ日に封切られます。もし前編と同規模の箱を用意するんであれば、シネコンにとっては壮大な罰ゲームとしか言いようがありません。
もう一つの『サクラダリセット』は規模はそれほど大きくないんですが、公開初日に…31週目の『君の名は。』よりも客が入らなかったという体たらくで、2週打ち切りするシネコンが続出してます。たぶん1億もいかない。
東宝じゃないから切り捨てやすいんだろうな。

この春の2作品が提示した前後編映画の問題点、「前編が失敗したら後編はただのお荷物」。
これは非常に重要だと思いますけどね。今までは運良く利益を出せていたけど、安易に前後編で映画を作ると失敗した時に傷口がデカい。
昨年もかの有名な漫画『イタズラなKiss』の実写版映画が最初から3部作で作られ、1作目が60館ほどで公開されたんですが、あまりの不入りで2作目は公開規模が20館ほどになり、3作目は…いまだに公開日程が決まってません。公式ツイッターが親切丁寧なのが不憫でね…。
アニメ『偽物語』の映画も無駄に3部作にした結果、8億→3億と興収だだ下がり。『偽物語』は『化物語』の余韻があるうちにさっさと公開すべきだったのに。
最初から前後編あるいは3部作という映画にはリスクがあるということが、一気に表面化してきた感があります。
東宝は懲りずに来年も前後編を企画してるんでしょうが、見る方に2倍金を出させる映画にちゃんとなっているのか、検証した方がいいんじゃないでしょうか。
2017/04/05 Wed. 03:56 | trackback: 0 | comment: 0edit

『キングコング~髑髏島の巨神~』見てきました 

このブログを辛抱強く読んでいただいてる方にはもうおなじみかと思いますが、ブログ主は現在猛威を振るうスギ花粉に苦しめられています。
無論鼻水止めは飲んでいるんですが、薬を飲むと鼻や口腔が乾燥して別の苦しさがあったりしまして、いずれにせよ体調はおもわしくないのであります。
実際、先週の休日は映画を見に行く予定を急遽取りやめて、部屋から出ずに寝てましたし。(『シング』か『ひるね姫』を見るつもりだったんだけど…。)
さて、29日の休みは体調もほどほどだったので、いよいよ封切られた期待の映画『キングコング~髑髏島の巨神~』と、30回目の『君の名は。』を見に行きました。


『キングコング~髑髏島の巨神~』日本版予告編 by YouTube


この予告編、どう考えても「見なきゃいけない感」に溢れてますよね。怪獣映画好きの血が騒ぎます。ナレーション立木文彦の煽りもたまりません。
しかも、東宝が捨ててしまった「怪獣プロレス」ですよ。必然的にB級扱いにはなるだろうけど、最近はハリウッドの方がこの方面に理解あるしね。
キングコング映画には今まであまり縁が無い人生だったんですけど、楽しい映画に洋の東西は関係ないのです。

シネコンは春休みでレディースデーのため、若い女の子達(ほぼ女子高生)でごった返していました。券売機にも女の子達が長蛇の列。
「すげえな、これみんなキングコングの客かしら」と一瞬思ったものの、あと30分で始まるキングコングの座席は…それほどでもない。なんだよ、『ひるなかの流星』とか『PとJK』の客か。
チケット確保して、パンフを買うも…変形サイズのせいかスタッフさんが「すいませんが…」と恐縮しながら、"崖の上のポニョ"のロゴ入りビニール袋に入れてくれて…困惑。ポニョってもう10年くらい前の映画だよな…。このシネコン出来てからまだ1年経ってないんだが、東宝直営でもないのになんでこんな袋があるんだろう?
とりあえずパンフはトートバックにしまい込んで、ひたすら女子高生を眺めながら時間を潰し、さて行きますか、『キングコング~髑髏島の巨神~』(2D字幕版)を見に。


(ここからはネタバレのジャングル)

アバンタイトルは太平洋戦争、とある島に墜ちたゼロ戦とムスタングのパイロットが、島の中で殺し合う場面から始まります。
一進一退の攻防の末、日本軍パイロットが軍刀で優位に立ち、ムスタングのパイロットを仕留め…ようとした時、キングコングが現れて二人が凝固したとこでタイトルバック。(どう見てもキングコングに怒られたようにしか見えない構図w)
オープニングで主なスタッフを表示する間、バックには終戦から冷戦という政治情勢がダイジェストで流され、オープニングが終わって表示される西暦は1973年。そう、この映画は1973年が舞台。
ベトナム戦争終結のゴタゴタの中、特務研究期間モナークを仕切る男ランダは、悲願である太平洋の人跡未踏の島"スカルアイランド(髑髏島)"の調査を政治家に認めさせることに成功する。
ベトナムから引き上げる陸軍攻撃ヘリ部隊のパッカード大佐(サミュエル・L・ジャクソン)麾下が輸送と護衛を行い、ベトナムで米軍相手の仕事をしていた元SASのコンラッド(トム・ヒドルストン)がガイド役を請け負った。
髑髏島の周囲は常に嵐で、今まで誰も近づけなかったのだが、先年打ち上げられたランドサット(地球観測衛星)からは精密な写真が送られてきていた。秘境の全貌は把握している。
ヘリ部隊は嵐に翻弄されながらもこれを突破、ついに髑髏島を視界に収める。研究チームを下ろし、反響で地質を調査するべく広範囲に爆弾を落としていく。(完全な『地獄の黙示録』オマージュ)
敵のいない島に爆弾を落とす楽な任務。ロックを流しつつのんびりと飛んでいたヘリの一機に、突如大木がぶつけられ撃墜される。
ヘリ部隊の目の前にいたのは、怒りを露わにする巨大なキングコングだった…。

この、1973年という時代設定が絶妙だと思うんですよ。謎が謎でいられた最後の時代というか、夢があった時代ですよね。
そして、アバンタイトルに出てきた太平洋戦争時のパイロットが、まだ生きていられた時代。横井さんや小野田さんが隠れていた時代。
そしてもちろん、ベトナム戦争ですね。いろんな要素の集結点としての1973年です。

ヘリ部隊はキングコングに全て叩き落とされ、生き残った者も墜ちた場所で大きく二つのグループ(研究者チーム、大佐チーム)に別れ、お互いの連絡も取れなくなる。
3日後、島の北端に輸送船が来る手筈なのが唯一の希望だが、墜ちた場所は南側。北端へたどり着かねばならない。
しかしこの髑髏島、キングコングだけでなく、危険極まりない生物だらけ。人間側は一人また一人と犠牲になっていく。
研究者チームは原住民と遭遇し、そこで保護されていたムスタングのパイロットから詳しい情報を得る。キングコングはこの島の王であり、原住民にとっては神であると。
しかし一方のパッカード大佐は、部下をキングコングに殺された怒りで冷静さを欠き、復讐を誓っていた…。

ムスタングのパイロットであったマーロウは、28年ぶりの英会話に興奮してるのかやたら明るい。
ゼロ戦のパイロットであったグンペイ・イカリ(字幕ではガンペイ)は亡くなっていたが、二人で協力して何度も島からの脱出を試みたそう。形見の軍刀、グンペイの奥さんの写真など大事にしていた。
後半、マーロウが軍刀を構え、「HUMEIYO YORI SI WO」(不名誉より死を)とカタコトの日本語で言うシーンは熱い。字幕版推奨。
原住民の方々は言葉を発せず全く笑わないのだが、マーロウとはそれなりに上手く付き合えていたよう。常に危険生物に備え、キングコングの庇護の元で生きている。
日本の怪獣映画みたいに踊りとか踊ってはくれないけど、なかなか味のある方々でした。

2つのチームは合流を果たすも、北端へ急ぎたい研究者チームとキングコングに復讐したい大佐が対立。
髑髏島で最も恐ろしいスカルクローラー(獰猛なトカゲ型モンスター)に襲われ犠牲者を増やすも、墜落ヘリに残っていたナパームを入手した大佐は、キングコングを焼き払う作戦をたてる…。

スカルクローラーはマジで怖い。監督が「スカルクローラーの顔は、『千と千尋の神隠し』のカオナシ、『新世紀エヴァンゲリオン』の使徒サキエルなんかを参考にした」と言ってますが、無機質な顔で貪欲に襲ってくるのはやめてほしい。
小型ならキングコングでも倒せるが、大型のやつはキングコングでも喰われるというのも恐ろしい設定。
大型スカルクローラーとキングコングの最終決戦は、まさに手に汗握る激戦であります。

てな感じでストーリーを書きましたが、見所はもちろんキングコングと愉快な人喰い生物達です。
近年のゴジラ映画が捨ててしまった、超肉弾戦、理想的怪獣プロレスがハリウッドレベルで繰り広げられます。見なきゃ損です。
とにかくキングコングの存在感最高。出し惜しみせず終始活躍します。モーションキャプチャーで動きを作っているので、実にいいアクションをします。CGならではのスピード感も抜群。
数年後に実現する、キングコングとゴジラの対決が楽しみになってきました。

俳優陣も文句無いんだけど、おそらくこの映画を見た全ての人が「中国人のお姉ちゃんは何?」と思っているだろうとは思いますw。活躍もしないし死にもしない。
まあ大人の事情なんでしょう。それ以上は怖いから言わない。
エンドロール直前の最後のエピソード、こういう渋い締め方は日本の怪獣映画には無いねえ。ホロリとくる。
それと、エンドロールは長いと思っても絶対最後まで見ろ。ニヤッと出来るから。

監督が日本の怪獣映画をリスペクトしまくっているのがよく伝わってきましたし、怪獣プロレスが好きな人には御褒美過ぎる映画です。(グンペイ・イカリというネーミングは、任天堂の横井軍平さんとエヴァンゲリオンの碇シンジからだそう)
ぜひ、大画面で見てほしいですねえ。その価値は十二分にあります。3Dや4DXもいいらしいですよ。
吹替版でもいいと思いますが、字幕版が安全かと思いますw。
自分も時間が許せばもう一回見たいですねえ。キングコング男前です。
とりとめの無い文ですいませんが、見れる人は見れ!
2017/03/31 Fri. 12:44 | trackback: 0 | comment: 4edit

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