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メテオ・ストライクス!

いろんな分野で独り言を日々書きます。稼働終了したセガのクイズゲーム『Answer×Answer』を振り返る事もあります。

『聖の青春』見てきました 

1998年8月9日。
まだ金沢市在住だった自分はその日、前の職場の仕事で中学生相手の夏期講習会の講師やらアシストやらやらねばならず、いやいや早朝に起床。
玄関に届いてる朝刊を取ってきて(お試し名目で3ヶ月だけタダで入れてくれてた)、着替えながら三面記事に軽く目を通していました。
…その片隅に載っていた訃報の衝撃は今でも忘れられません。
将棋棋士、村山聖(むらやまさとし)八段死去。
なんというか衝撃が大き過ぎて、その日一日はずっとその訃報の事を考えながら仕事をしていました。
その年、村山八段は病気療養の為に対局を一年間休場されてまして、じっくり休養して戻ってくるもんだと思ってましたし、羽生ファンの自分でしたが、同世代の村山八段の動向は常に気にしてましたので…。
業病と戦っているとはいえ、あれほどの実力がある、自分と同世代のまだ若い棋士が亡くなった。ああいう喪失感を味わったのは、村山八段が初めてだったかもしれません。

村山九段(死後追贈)の生と死は、各種メディア、特に将棋系メディアで大きく取り上げられました。
特に雑誌『将棋世界』の村山聖追悼号は大変な読み応えで、今でも本棚に保管してあります。
その後、大崎善生さんの書かれた力作『聖の青春』が反響を呼び、各賞を受賞。村山九段の生涯を語るうえでの基本線となります。
『聖の青春』を翻案して漫画化したのが、『聖-天才羽生が恐れた男-』。
漫画化したのは山本おさむ。あの、耳の聞こえない聾唖者の高校球児を描いた号泣名作漫画『遙かなる甲子園』で有名な方です。
始まった時に、この題材にこの漫画家って卑怯だろ…と思ったんですが、案の定読めば読むほどボロボロ泣ける漫画となりました。全9巻。先頃愛蔵版仕様全3巻で復刻してます。
(山本おさむさんは、奥様を村山九段と同じネフローゼからの病気で亡くされているそうです)
『聖の青春』は一度テレ朝系で2時間TVドラマになってます。村山九段を演じたのは………藤原竜也。あまりにも村山九段のイメージと違うので見ませんでしたw。だってねえ…。
メディア的な動きはそんな感じでしたが、亡くなられてから10年15年と経過し、将棋界における村山九段は、プロ野球における津田恒美的な形で語られるようになりました。
人気漫画『3月のライオン』にも、村山九段をモデルとする棋士が出てきたりもしています。
そして今年2016年、実写映画化の運びとなりました。

自分としては、一報を聞いた時にはそう期待してなかったんですが、役作りのため20kg増量したという松山ケンイチのスチール写真を見た時に「あ、これは本気だ」と思いました。
公開が迫ってくるに連れて、おそらく…原作通りではなさそうだなとは察しましたが、そもそもあの原作を、漫画でも全9巻の長さがあるものを2時間に落とし込むんですから、改変と端折りはやむを得ないでしょう。
公開が始まっても、なるだけネタバレは避けて楽しみにし(ネタバレというよりは、改変ポイントかな)、そして今日11月30日…見て参りました。

(有名原作モノですから問題無いかとは思いますが、とりあえずここからネタバレです)

ゴミ捨て場の横でスーツのまま倒れている村山聖が、親切なおっちゃんに関西将棋会館まで運んでもらって、フラフラと盤の前に座るや人が変わったように対局に挑む…というファーストシーンから始まる本作。
キャスティングの話からになりますが、松山ケンイチの村山聖っぷりは入魂の出来映え。元がいい男だもんで美化されてはいますが、ひねた性格でコミュ障、業病と生きながら将棋の高みを目指す姿がよく演じられています。
その村山が意識し続ける鬼神・羽生善治を演じる東出昌大がね、笑っちゃうくらい羽生なんですよw。棒みたいな喋り方もそうですが、対局中の所作がね、羽生モノマネ選手権かと思うくらい似てる。思わずニヤニヤしてしまいました。
クライマックスでこの二人が大一番を熱演するんですが、演技というより対局としていいシーンになっていたと思います。
村山聖の師匠で、終生暖かく見守り続けた森信雄役のリリー・フランキーが出色の出来。どっからどう見ても森師匠。看護婦に「その時は村山君の負けです」と静かに言うとこや、荒崎に電話で「村山君が亡くなりました」と淡々と話すとこが泣けて…。
エンディングテロップに"筒井道隆"と出て「え?誰役?」と思ってパンフ見たら、東京で村山を世話する雑誌編集長橋口(『聖の青春』を書かれた大崎善生がモデル)だったのも衝撃。久しぶりに見たら枯れた中年のいい演技になったねえ。
その他、村山の弟弟子の奨励会三段江川、村山の遊び仲間となる棋士荒崎(先崎学九段がモデル)、村山の父親など、配役は非常に良かったと思いますし、それが作品のグレードを上げています。

で、気になったのは…改変部分ですね。
この映画は、前にも書いたように2時間に落とし込むために端折ってあります。
そしてドラマチックにするために、あえて事実とは違う話にしてあります。ぶっちゃけて言えば、"目標でありライバルである羽生善治"という部分は、かなり改変してます。
これはもちろん、将棋史に輝く羽生善治という大スターを最大限に活かす脚本にして、集客に繋げたかったからに違いありません。それは見ていて痛いほどよく分かりました。(漫画版のサブタイトルだって"天才羽生が恐れた男"ですからね)
だもんで、普段将棋をあまり見ない方の感想はかなり良いです。七大タイトルを独占するような最強の棋士と、業病を抱えながら高い次元で戦える村山聖という構図ですから。
逆に、将棋通、将棋クラスタみたいな人は、改変されたところがどうしても気になるようです。自分が「ああ、変えたな」と思ったくらいですし。
具体的に言えば、村山聖が和服を着て羽生に臨んだタイトル戦(王将戦)。森師匠が写真撮りまくってましたけど、あのタイトル戦の本来の対戦相手は谷川浩司王将です。ですが、この映画では谷川浩司の出演シーンは羽生七冠誕生のとこだけ。
これはもちろん、ライバル羽生を際だたせる為に他の実力者を描写しないからですけど、事情を知っていると「タニー出番無しかよ」と思わざるを得ません。
当時の関西のトップは谷川浩司で、村山の目標はどっちかというと谷川の方だったという事情もありますんで、…知っていると複雑な気分になるところです。
また、クライマックスの羽生との対局もタイトル戦のような演出がされてましたが、二人の最後の対局となった死闘はTV中継のある「NHK杯」で、そこで羽生を追い詰めながら…秒読みに追われて勝ち筋を見落とすというドラマチックな幕切れでした。
タイトル戦の格調もいいですが、意外と事実にのっとってTV対局での死闘にした方が良かったのでは…とも思います。
まあ先述の通り、普段将棋に縁の薄い方には概ね好評なんでなんとも言えないとこですけどね。
村山が話すエピソードの相手を変えるのは、なるほど…と思いながら見てました。一度は女を抱きたいと話したのは羽生じゃなく先崎ですけど、こういうのはドラマですからね。
(食堂で村山と羽生が話すシーンは良かったと思います)

あと意外だったのは、子供時代のエピソードをさらっとしか出さなかったことですね。
ネフローゼと診断され、入院生活の中で将棋と出会うとこまでは見せましたけど、同室の子供が亡くなっていく中で村山聖の死生観が出来上がっていく流れがあるので、それなりに尺をとると思ってたんですけど。
まあ、あまり子役の演技ばかり続くと別物の映画になっちゃいますけどね。致し方なし。

平日の昼間に見たんですが、20人余りのお客さんがいました。結構話題になっているようです。
8割は将棋に興味がある人だとしても、残り2割に「将棋界」というものが伝わってくれると嬉しいんですよ。
映画の中で描写される、将棋会館なる建物、控え室検討の雰囲気、タイトル戦、タイトル戦の大盤解説会に集まってくる将棋ファン、盤を挟んで死闘を繰り広げる棋士という職業、そしてその棋士になれるかどうかの瀬戸際で足掻く奨励会三段リーグという存在…。
こういう人間くさい要素で出来上がっているのが…将棋界というものですからね。
ちょっとでも興味を持ってもらって、羽生善治が恐ろしい存在だと一端でも理解してもらえればいいな、と。
(だから、この映画が羽生善治ライバル設定で通したのは間違いではないのです)
普段縁の無い方も楽しんで見れるはずですし、泣き所もある映画です。興味が湧いたらぜひとも劇場へ。
同世代のおっさんとして、こういう生き方をした人がいた、と知ってもらえると嬉しいです。
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2016/12/01 Thu. 03:16 | trackback: 0 | comment: 0edit

読んでますと言われるのは励みです 

2ちゃんの「AnAnの思い出を語るスレ」に、なんか長い回想を書かれてた方がおられて、いろんなプレイヤーさんの名前が出てたんですけど、なんと末席に自分が…ブログ名で出てきて吹きましたw。まあプレイヤーとしては三流ですから。
出していただいただけでも光栄ですが、時折ブログ読んでますと言われると嬉しいです。
ここ1ヶ月あまり、多忙と疲れで更新頻度がだだ下がりで申し訳ないですが、なんとか3日に1回は更新したいなあ…と思ってます。

ようやく新しい部署にも慣れてきたんですが、時間が不規則な事が多いとこなもんで、睡眠優先だったり寝落ちしたりが多いんですよ。
12月に入ったので書きたいことはあるんですが、師走ゆえの忙しい時期でもありますので、とりあえずは先月以上の更新を目標にしていきます。
軽い愚痴はツイッターで言うクセがついたのもありますけどね。

休日ごとに映画館行ったりして、疲れをとってないダメな大人でありますが、ブログ書くのは好きなんで頑張りますです。
2ちゃんに書き込まれた方、有難うございました。また時折読んでください。
2016/12/04 Sun. 02:34 | trackback: 0 | comment: 0edit

『君の名は。』200億円到達 

■EMPIRE
新海誠。この名前を覚えておいてほしい。
もしこのクレイジーな世の中に少しでも正義があるのであれば、これから数年の間に日本アニメ界の偉人である宮崎駿と同様の評価を彼は受けることになるだろう。そして彼は来年には早くもオスカー像を手にしている可能性もある。
アカデミー賞長編アニメ映画賞かアカデミー賞外国語映画賞。いやその両方かもしれない。
今年、日本のアニメ映画を1本しか観ないつもりであれば、この作品を観るべきだ。そして2回以上観るべき。

■The Telegraph
この映画は笑ってしまうほど美しい。
例えば雨のあとを描いた美しいシーンは、現実世界における「鮮明さ」「輝き」「知覚能力」が洗練されたような感覚にさせる。ストーリーを話すことはもちろんネタバレとなる。
しかし、この作品に“本当のネタバレ”というものはない。新海誠作品を理解する唯一の方法は、自分自身でその世界に浸り、織り重なった2つの命のそばにある自分の心の組紐を感じ、銀色の弧を空に描く彗星を自分の目で見つめるしかない。

■The Guardian
目もくらむばかりに輝く“体いれかわりロマンス”。新海誠監督は、自身が日本のアニメ界の新たなキングであるという評価を確立した。
「目が覚めると夢は消えている」というが、この素晴らしい映画ではそんなことはない。スクリーンから不思議な光が消えたあとでも、観客はずっと楽しい空想の中に浸っている。

(転載ここまで)


イギリスの三大評論紙による『君の名は。』への評価文なんですけどね。三つとも最高点の星5つ採点だそうで。
自分がこのブログで、『君の名は。』に対する思いをダラダラと書いているのなんか笑止千万なくらい、簡潔できちんとした評論ですよね。さすがは大英帝国。
あまりにもきちんとし過ぎていて、まともな映画評論をなかなか読めない日本の映画界にガッカリしてしまうくらいです。変に格調ぶって小難しい理屈を並べた挙げ句、最終的には貶せばいいという評論家の多いこと。
で、いざ観客に支持される映画が出てくると「誉め慣れてない」ので素直に誉められず、いきなりアラを探して自慢顔するという悪癖。
『この世界の片隅に』を過剰に誉めようとしてますが、これもまた「誉め慣れてない」が故に評論家の仕事を放棄して単なる応援団になっているか、「『君の名は。』なんかより遥かに素晴らしい…」みたいな評論家とは思えない勝手な比較論を展開して、胡散臭さ全開の文章を書いて悦に入っている。
それぞれが全く違う魅力を持った素晴らしい作品なのに、比較論でしか語れない奴は評論家ではありません。ただの依怙贔屓。
今になって、淀川長治さんや水野晴郎さんがいかに立派な評論家だったかが分かります。しっかり誉めて見る気にさせていたんですから。荻昌弘さんは苦言は呈すけど、馬鹿な比較論をするような事はしなかった。(御三方とも、TVで映画の案内役をする仕事を経た上でそうなっていったのでしょうが)
今年の映画大豊作は、映画評論家の器を見極めるのにもってこいであります。評論ではなく個人の感情を剥き出しにし、馬脚をあらわしまくってる連中の多いこと。

さて、絶賛ロングラン中の『君の名は。』が、興行収入200億円に到達し、観客動員も1500万人を突破しました。
興行収入ランキングでは『ハリーポッターと賢者の石』の203億円を今週抜き、『アナと雪の女王』『タイタニック』そして『千と千尋の神隠し』の三強に次ぐ4番手となります。もはや伝説の域です。
しかも8月最終週からの封切りで、9~11月という興行的には書き入れ時が無い期間の数字、もちろん史上初。
驚嘆すべきは11月で、週ごとの伸び方が…179億→184億→189億→194億→199億…と測ったようなきれいな5億の伸び。
どんな映画も週を追うに連れて興収の前週比は60~80%くらいになるはずなんですが、公開から10週を越えていた『君の名は。』が全く落ちずに100%推移を続け、関係者やウオッチャーが大騒ぎ。この11月で「最終的には180億くらいで止まるよ」みたいな観測が全て覆されていくのは痛快であり、歴史的なスゴいモノをリアルタイムで見ている楽しさがありました。
そして今週も…依然として100%推移しているのです。ウオッチャーはもう『君の名は。』の数字に目が釘付け。
動員1500万人というのも、昭和29年の『ゴジラ』第1作が951万人、『七人の侍』が960万人(3時間半だけどね)、『キングコング対ゴジラ』が1200万人ですから、やっぱりスゴいことなのです。

ただ、こういう事態になるとシネコンは大変だと思うんですよ。
これから年末にかけて、『海賊と呼ばれた男』『モンスト』『ローグワン』など話題作が目白押しになってきます。シネコンが箱割りをどうするのか、間違うと死活問題ですからね。
現に『RANMARU』という映画が、先日全国的に大箱でドーンと封切ったら…公開した土日でかろうじて9位、着席率が5%以下という笑えない大爆死で(日曜の着席率は1.5%…)、割り当てた大箱が無駄になりました。おそらく早々に打ち切られるでしょう。
(着席率は土日に20%で一流、10%でまあまあだと思ってください。9月に『君の名は。』が叩き出した60%台は異常w)
とりあえず現在上映中の『ファンタビ』『君の名は。』『この世界の片隅に』は間違いなく年末年始もやることになり、『ファンタビ』『ローグワン』などは吹き替え版、3D版などで複数箱をとる訳で、シネコンの箱割り責任者は頭を悩ませていると思いますよ。

だもんで『君の名は。』の勢いが止まらないとはいえ、来週以降は箱が減らされると思います。具体的には、箱が小さくなるか、上映回数が減らされるか、ですね。
ただ、『君の名は。』を見たいお客さんは相変わらず多いので、特に都市部では着席率が上がって、下手すれば完売もあり得ます。
こういう10年15年に一度の異常事態に対応するのは大変でしょうが、願わくば…それなりの箱数を『君の名は。』にあてがってほしいですね。
自分の予測では、『君の名は。』の最終興行収入は…230~240億円だと思ってるんですが、そこを越えて『アナ雪』に迫ってもええんやで。

じゃ、今日も『君の名は。』(12回目)見てきます。
2016/12/07 Wed. 13:16 | trackback: 0 | comment: 3edit

『銀河英雄伝説タクティクス』終了へ 

まことに勝手ながら、「【銀河英雄伝説タクティクス】」は 2017年2月28日10:59をもちまして、サービスの提供を終了させていただきます。 詳しくはゲーム下部「お知らせ」をご確認ください。 https://t.co/7KTMclmxvX #銀英伝TAC
https://twitter.com/gineiden_tac/status/806936568279638016


…と、公式ツイッターからのお知らせがありました。一部で話題のPCブラウザゲーム『銀河英雄伝説タクティクス』、サービス終了です。
公式ツイッターがお知らせを流し出したのが昨年の6月。
しかし開発が遅れて、プレオープンなどを経てようやく正式スタートしたのが…今年の1月28日。
銀英伝クラスタの期待を集めまくったこのゲーム、1年保たずに終了という結果となってしまいました。まあサービス期間は13ヶ月ですけど。

PCブラウザゲームですから自分は無縁の存在ですが、銀英伝クラスタの端くれとして注目し続けていたんですが、…とにかく当初から「これじゃない感」が出まくっていたんですよね。
事前予約でラインハルトかヤンのどちらかが貰えるという、謎の大盤振る舞い。どう考えてもその二人はスーパーレア、ハイパーレアの扱いだろうに…と思いました。
で、ゲームが正式に始まると…プレイヤーの感じてる違和感がツイッターや2ちゃんに溢れ出し、読んでるこっちも苦笑い。
やっぱねえ、帝国側と同盟側の登場人物が呉越同舟になってるのが一番ネックだったと思うんですよ。『艦これ』を意識したんでしょうが、銀英伝は国家間の戦争という設定がありますんで混ぜられてもねえ。
混ぜたいんなら、例えば…帝国・同盟に対抗する第三軸の国家を立ち上げて(フェザーンではなく)、戦績をあげ版図を広げていくと両国家の人材が得られるみたいな光栄SLGのノリとかならまだ…。
PCブラウザゲームなんで"課金"をしてもらう要素も入れないといけませんし、難しいのは承知なんですけどね。
でも、登場人物にコスプレさせるのは無いわあw。格調も緊張感もありゃしない。

いろんな媒体からゲーム出てる銀英伝ですが、90年代にボーステックから出たパソコン版だけがまともなゲームという状況は、今回も変わりませんでした。
『銀河英雄伝説タクティクス』が終わる一報を聞いた方は皆思ったであろう台詞を、あえて書いておきます。

「銀河の黒歴史が、また1ページ…」
2016/12/09 Fri. 10:04 | trackback: 0 | comment: 0edit

2016年の漫画雑誌(1) 

仕事忙しくて疲れてます。布団に横になるとバタンキュー状態。
12月なんで書きたいことはたくさんあるんですが、このままだと思うように更新出来ないんで、とにかく簡略に。
雑誌ごとに漫画を振り返ってみます。

【ビッグコミックスピリッツ】
『猫のお寺の知恩さん』は、アクションで『富士山さんは思春期』を完結させたオジロマコト先生の意欲作。主人公にとって年上のお姉さんである知恩さんの魅力だけで成り立っている漫画(誉め言葉)。まあこのまま知恩さんを魅力的に描いてもらえれば問題無し。
『かなたかける』は、長距離陸上経験のある高橋しん先生の大河駅伝漫画。といっても『奈緒子』とは全く毛色の違う漫画で、想いで貫く高橋しん漫画が絶賛展開中。
『ワイルドピッチ』は、野球描かせりゃ太鼓判の中原裕先生だけあって読ませる内容。作品としては長くなりそうです。
『恋は雨上がりのように』は月刊から隔週に移籍してきた不安はあったものの、今のところクオリティは落ちてない模様。
『スローモーションをもう一度』は、今時の高校生が80年代アイドルの話で盛り上がるという、ちょっと苦しい展開なんですがw、題材が題材だけにしっかり読んでいます。絵が『気まぐれオレンジロード』の影響受けまくり。
『ふろが~る』は、ツーリングに出るようになってから今一つな感じ。も少し身近な話題にしてくれた方が…。
『気まぐれコンセプト』は、電通の立場が悪くなってからネタにキレが無くなってきた。予想外のヒットが生まれるようになって、広告代理店が肩で風をきる時代がようやく終わるのかも。
『もしもし、てるみです』は、うさくん…いや、水沢悦子の巻末2ページ漫画なんですけど、スピリッツで現在一番面白いと言い切れる傑作。早くコミックスで読み直したい。


【ヤングマガジン】
『カイジ』は…相変わらずワンポーカー。連載で読むと進まないんだけど(アカギよりはマシだけども)、来年には一区切りつくんだろうか。
『セーラーエース』は実に単調なんだけど、なんというか…読んじゃうんだよねw。不思議な漫画だ。
『センゴク権兵衛』は、歴史漫画として見るとそれほど面白くはないんだけど、切り口が独特なんでそこは評価。長宗我部の息子が素晴らしい若武者に描かれているのが切ないねえ。
『ヤキュガミ』は、ロッドの能力の高さの根源がよく分からん。『バトルスタディーズ』に比べると深みは無いけど、面白いことは面白い。


眠い、今日はこんなとこで。
2016/12/16 Fri. 04:24 | trackback: 0 | comment: 0edit

『ポッピンQ』は何故不入りなのか? 

『ポッピンQ』の予告を最初に見たのは、『君の名は。』を初めて見た時でした。
以来、『君の名は。』で15回と『聖の青春』で1回の計16回、ほぼ皆勤賞で予告を見てました。
こんな予告なんですけどね。


『ポッピンQ』予告編 by YouTube

………なんじゃこれは? 見る度にそう思っていたものです。どういう層に向けたアニメなのか、さっぱり分からん。そもそもそのタイトルは何ぞや。
かの東映アニメーションが満を持して送り出す完全オリジナル作品、この謎っぽさは気になります。多少調べたり、公式ツイッターをフォローしたりして、どういう映画か探ろうとしたんですが…。
主人公達が異世界に飛ばされたりダンスを踊ったりするのでプリキュア世代を狙ったものかと思いきや、主人公達は卒業間近の中3で、大人になっていく事への葛藤や自分の心と向かい合うことを主題にしているというティーンエイジャー向けのよう。
しかし…プロモーション告知活動は、主人公達5人の声優さんを全面に押し出したり、キャラクターデザインが高名な黒星紅白さん(『キノの旅』の表紙や挿絵など)だという事をアピールしたり。ニコ動で先行番組をやるなど、完全に"大きいお友達"を狙ってます。どういうことやねん。
それでいて、東映アニメーション60周年と銘打ち、オリジナル作品には破格の200館体制で年末年始に勝負に出るというのです。訳が分かりません。
とにかく、これは見るしかあるまいな。そう決めておりました。

で12月23日より公開になったんですけど、………興行収入の数字、ツイッターや2ちゃんねるスレの反応など、あちこちから「不入り」「ガラガラ」「貸し切り」などの悲痛な反応があがってくるのです。公開初日(祝日)の着席率が7%ほどだったとか…。
出来が酷いのか、はたまた告知が大失敗してるのか、とにかく見ないことには始まりません。
12月27日、16回目の『君の名は。』とハシゴする形で見に行きました。メンズデーで1100円だったし。

身体はお疲れモードなのに、いつもよりも早起きして昼前には映画館へ。
まずチケットを2枚買ったんですが、先に見る『君の名は。』が既に数席埋まってて、後に見る『ポッピンQ』は…誰も買ってないな…。まあ冬休みだし時間になれば何人か来るよね、うん。
さて16回目の『君の名は。』は、お疲れモードが響いてか少し集中を欠いた鑑賞になったんですが、それでもカタワレ時は泣けましたし、相変わらず余韻が最高でした。
いつもなら他のお客(20~25人くらいいた)の感想戦を聞きながらゆっくり箱を出るんですが、『ポッピンQ』への連結が5分しか無かったものでw、明るくなると同時に急いで出て、すぐそこのスタッフさんにチケット見せて「そのまま向かいの箱に入っていいか?」確認。
スタッフさんは快く許可してくれ、「終わったら言ってください。入場者特典をお渡ししますんで」とのこと。ああ、先着20万名に何かくれるという話だったな。とりあえず曖昧に返事をして入場。
中は…誰もいないw。とりあえず席に座って、いつも見てる東宝系ではない東映系予告を見る。新房でアニメ化される『打ち上げ花火、下から見るか、横から見るか』、ディズニーの『モアナ』、ジブリの米林の新作『メアリと魔女の花』、右京さんの『相棒4』などなど。
そしてカメラ男が相変わらずキレのいいダンスを踊った後で、いよいよ『ポッピンQ』が始まりました。
………観客は、自分だけです。貸し切りです。覚悟はしてましたが…。

話は、高知県在住の中学3年生である小湊伊純が、卒業式を翌日に控えているにも関わらず陸上部で100mのタイムアタックを繰り返しているところから始まります。
彼女は大会で自己ベストに及ばず同じ陸上部の子に負けたことにトラウマを抱えていて、出せていれば勝てていたはずの自己ベストを出すことにとらわれ、そして卒業式を終えたら両親と共に引っ越して東京へ行かなければいけないことにイラついています。悪態をついて母親とはちょっと険悪。
翌日、卒業式に向かうはずの伊純は逆方向の電車に乗って、知らない駅で降り、そこで異世界に飛ばされてしまいます。
"時の谷"と呼ばれる異世界にはポッピン族というヌイグルミのような種族がおり、崩壊の危機に瀕した"時の谷"を救うよう要請されます。
どうやって救うのか? 「ダンスじゃ!」………

…ストーリーはこの程度にしておきますが、とにかくこの映画は良いとこと悪いとこが混在し過ぎ。カオスです。
最大の不満点は、「尺が足りない」ということ。これに尽きます。
主人公格である陸上熱血バカの小湊伊純だけでなく、クールで秀才で孤立しがちな日岡蒼(ひおかあおい)、ピアノが好きだが楽しんで弾けなくなった友立小夏、両親の教えで合気道と柔道をやりつつもお洒落も楽しみたい大道あさひ、ダンスが大変得意だがコミュ障でダンスユニットを追い出された都久井沙紀…という計5人。はっきり言って個々の内情を追えていない。伊純には100mのトラウマを払拭する場面が用意されるけど、あとは沙紀に用意されてるくらいで残り3人は何を乗り越えたのか分かりにくい。
5人それぞれに付いているポッピン族に至っては、伊純に付いてるポコンと沙紀に付いてるルピイくらいしか印象に無い。
全体的に膨大な設定消化とストーリー消化に懸命で(説明台詞多い)、タメが無いという感じです。まあ90分あまりの映画では…ね。
異世界やダンスといった"プリキュア"的な要素が目立つのに、出てくる用語が「同位体」や「ハブポイント」など、小学生中学生の女子にはちょっと難しいのもどうかと。蒼の視覚的解説能力もね。
大人は「同位体」と言われれば「ああ、ツーカーなんだな」と思いますけど、若年層には不親切な気がしました。
パンフを読んでて気付いたんですが、監督と企画とプロデューサーで数ページ鼎談してるんですけど、企画の立ち上げやデザイン、ダンスへのこだわりなどいろんな話が出る中で、「脚本」という話が全く出てこないんです。どうも…この3人、揃いも揃って設定フェチらしいんですね。
脚本担当の荒井修子さんという方については、パンフでは全く触れられずインタビューすら無いという軽んじられ方。調べてみると実写畑の人でアニメの脚本は初めてのよう。なんかまとまりの無い原因が見えてきます。
音楽については、劇伴は素晴らしい出来だと思いますが、ダンスシーンに流れるエイベックス系JPOPにかなり違和感ありました。タイアップなんだろうけど。

逆に良いとこも豊富です。監督らがこだわってるとこは明らかにいいw。
ダンスシーンは恐ろしく力入ってまして、最初に踊った時の全員バラバラな動きのCGというのは逆に新鮮でした。それが揃っていくのもまたいいです。
余談ですが、長老が「奇跡のダンスじゃ!」とか言い出した時に、『シムーン』の「翠玉のリ・マージョン」を思い出しました。
伊純のトラウマ克服はカタルシスあります。ただ、そこがクライマックスかと思いきやそんなことは無いんですがw。100mを11秒88で走れる中3女子って、全国トップレベルですよ。
ラスボスとの一連のやり取りと戦闘も気合い入ってます。クオリティは高い。あさひちゃんがラスボスの腕をキメたまま体重をかけて落下し、そのまま床に叩きつけたのは鬼だと思いました…。渋川剛気かよ。
ポッピン族の造形と動きもスゴい。同じ姿の個体が全くいないという厄介な種族なのに、よく動かしてます。
黒星紅白さんのキャラクターデザインが、ほぼそのまま動いているのは見応えあります。御本人も満足しておられるよう。
伊純の母親役をやった、唯一の芸能人枠である島崎和歌子は高知県出身という一点で起用されたんでしょうけど、さすがにネイティブな土佐弁を聞かせてくれます。声の圧力が無くてフワフワしてはいるけど、それはそれで個性でしょう。島崎和歌子が母親役というのがこっちの心にダメージありますけどw。
場当たり的な脚本ですが、最後は卒業式に絡めて上手く終わらせてます。余韻はいいですね。

見終わって箱から出てきたらスタッフさんが待ち構えていて、入場者特典のカレンダーをくれましたw。自分一人の為に…w、申し訳ない。
公開日から5日、果たしてこの映画館で何人が『ポッピンQ』を見たんでしょうか。


【12月27日の販売数(座席数 着席率】
*1 妖怪ウォッチ 51656(361565 14.2%
*2 バイオハザード 45698(480683 9.5%
*3 ローグワン 34181(339171 10.0%
*4 ファンタビ 27508(170739 16.1%
*5 ぼく明日 21953(156287 14.0%
*6 君の名は。21169(119629 17.6%
*7 土竜の唄 17235(251806 6.8%
*8 海賊とよばれた男 9471(134151 7.0%
*9 仮面ライダー 5990(74644 8.0%
10 モンスト 4251(65988 6.4%
11 ピートと秘密の友達 3262(70752 4.6%
12 ドントプリーズ 2955(6980 42.3%
13 この世界の片隅に 2763(16562 16.6%
14 好きになるその瞬間を。2420(26872 9.0%
15 ポッピンQ 1826(68769 2.6%

……平日は着席率10%超えれば大したものなんですが、『ポッピンQ』は2.6%。100席に2~3人です(座席数多いのが事態を一段と悲惨にしている)。
いびつな面はあれども決して悪い映画ではないのに、何故こんな記録的不入りになっているのか。これはもう一にも二にも宣伝告知の失敗です。
確かに宣伝量は多いと思いますが、どの層に見て欲しい映画なのか全然伝わってない。異世界のビジュアルやポッピン族を見たら小中学生対象と思うし、声優推しやキャラクターを見るとアニオタ向けに見える。そもそも『ポッピンQ』というタイトルが謎過ぎて、どういう映画なんだかさっぱり分からない。
結果、どの層にも「自分には関係なさそう」と思われてスルーされてしまった。アニオタが一部見に来てるくらいで、この話を一番見て欲しいティーンエイジャーには全く届いてない。
厳しい事を言うようですが、お金を払って見る映画でこれをやったのが大失敗だったんじゃないでしょうか。TVスペシャルなり2クールアニメとかであれば、見てくれる人も飛躍的に増え、内容も評価されたでしょう。脚本も余裕が出来るでしょうし。
話によれば、本来は1月末から卒業シーズンでの公開だったはずなのに、東映の年末年始作品にトラブルがあって『ポッピンQ』が前倒しになったということですが、真偽は分かりません。本当なら不幸なことですが、宣伝がチグハグなのは変わらなかったでしょう。

東映アニメーション60周年作品、名作ではないけど力入っている佳作なのは間違いない『ポッピンQ』。
周知されず興味持たれず、打ち切りになるやもしれません。今なら…ほぼ貸し切りで見れますのでw、興味を抱いた方は是非。
2016/12/28 Wed. 06:20 | trackback: 0 | comment: 0edit