12 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 02

メテオ・ストライクス!

いろんな分野で独り言を日々書きます。稼働終了したセガのクイズゲーム『Answer×Answer』を振り返る事もあります。

2016年に映画館で見た映画を振り返る 

謹賀新年。
昨年は、ブログの更新が滞りがちになりまして申し訳ありません。
10月からの新しい部署が慢性的人手不足で、幅広くせわしなく動いているもんで、帰宅してから寝落ちするまでのスピードが速いんです。書かなきゃなあ…とは思ってるんですが。
もう少し余裕が出るまではこういう調子になるでしょうが、果たして余裕が出るのか…正直未知数であります。

2016年は、映画館で映画を見た回数が過去最高になった年でした(まあ大半は『君の名は。』なんですが…)。
若い頃は月に1~2本くらいは見に行ってたんですけど、ここんとこ足が遠のいてました。現在住んでるとこからちょっと遠いという意識があったんですけど、意識改善とJMAXシアター富山のオープンによって劇的に回数が増えました。
映画館というワクワクする空間に復帰した、自分的にエポックな年と言えるでしょう。

ということで、2016年に映画館で見た映画…延べ27本(実質6本w)を振り返った寸評を。


【ガールズ&パンツァー劇場版】(5回)
考えてみれば、この映画が自分を映画館に呼び戻したことになります。
徒歩90分余のシアター大都会、しかも最初は完売空振りという仕打ちを受けながらw、1~2月にシアター大都会で4回、6月にJMAXシアター富山のオープニング上映で1回の計5回鑑賞。映画館で5回見た作品というのは初めてでした。(過去には3回見た作品が複数)
それだけこの映画は、再見性に優れ、TVシリーズ未見の自分でも入りやすいくらい間口が広く作られていました。無論、戦車道という設定は人を選ぶんですけどw、劇場版からTVシリーズに遡った方も結構いらっしゃると聞きます。それだけ完成度が高かった。
プロットは王道で、気持ちの良い甲子園大会を見ている感じ。見終わった後の余韻が非常に良く、細部にもネタが織り込まれていて繰り返し見たくなること請け合い。
おかげで関連書籍など読み漁って、いまだにTVシリーズ見てないのにガルパン世界はすっかり理解してしまいましたw。パチンコも役に立ったし。
90分歩いて映画を鑑賞し、90分歩いて帰りながら反芻するのが楽しかったですねえ。
1年のロングランで興収24億円というのは、これまでの興行常識を覆すもので、映画史上でも特異な存在感の作品になったと思います。

【ゴーストバスターズ】
今年見た唯一の洋画であり、唯一の実写映画です。休日でパチンコも早めに勝ちを決めた夕方、「ふーん、先行上映やってるんだ」という…思い立ったが吉日のノリで見に行きました。
やっぱねえ、80年代が青春だったおっさんとしては『ゴーストバスターズ』というタイトルに思うとこある訳ですよ。脳内にレイ・パーカーJrのテーマ曲が流れて、あの3人+1人+シガニーが浮かんでくる。
このリブート版が全員女性だという情報は逐一入れてましたし、宣材写真など見る限り、メンバーの女性達は一癖ありそうで好感触あり、少し楽しみにしていたのですよ。
結論を言えば、…挑んだ幻影が巨大過ぎましたね。やっぱりどうしても比較しちゃう。旧メンバーがカメオ出演で出てくるとテンションが上がってしまいますから。
旧作要素を抜きにすると、テンポ今一つでもっさりしてるし、各キャラクターもハジけてはいるけど魅力的とは言い難い。電話番のアホな男も面白くなかったし(個人的にね)。
日本での興収はちょうど10億円、世界的にもパッとせず終わって赤字だったそうですし、このシリーズが続くことは無さそう。
80年代の洋画ってのは、安易にリブート・リメイクするもんじゃないと思います。

【君の名は。】(17回)
ただの中毒者ですw。とにかく休日の度に見に行って成分を補充している感じですね。
ここまで来ると、どこがいいみたいな事は考えてませんね。単に世界に身を委ねに行っている。見る度に違うとこで魅入ってますし、流れそのものが快感なのかもしれません。
毎回確実なのは、「前前前世」が流れて入れ替わりのドタバタダイジェストが終わり、宮水家の三人で御神体まで御奉納に行くとこまでくると、(さ、こっからが本番よ)と思って姿勢を正してること。
それと…カタワレ時→マッキーぽとり→「スパークル」あたりは常に涙目で見てることですね。
カタワレ時突入時、瀧くんが三葉に三年前「誰?お前」してしまった事を踏まえ、ちょっとタメを作ってから優しく「三葉」と呼びかけるとこでもう泣いてます。イケメンやなあ瀧くん。それに対して三葉が「瀧くん、瀧くんがいる…」とボロボロ泣くのがもう(以下略)。
どこがお気に入りというのではなく、見る度にポイントが変わってますね。しゃぶり尽くしてます。
で、現在興収215億円くらいですが、この作品の前代未聞の数字動向は観察していて本当に楽しい。
8月最終週公開で、閑散期の9~10月で興収も着席率も強烈な数字を叩き出し、11月は『デスノート』を死闘の末に退けて首位奪回、目減りせずに毎週5億円ずつ上乗せ、『ファンタビ』登場以降は首位は明け渡すも、12月も邦画の新作を次々沈めて集客し続け、ついには削られた箱と座席をこの年末年始に奪還し、完全に正月映画となって『ローグワン』や『バイオハザード』『ファンタビ』と鎬を削るという…。東宝もシネコンも扱いに苦慮してるだろうねえw。新作が『君の名は。』を上回れないんだから。
予想ですが3月まではほぼ確実に上映するでしょう。状況次第では5月もやってるかもしれません。困ったなw。
当然ながら、最初から最後まで脳内上映は可能なんですが、2017年も上映が続く限り見に行くと思います。心身がリフレッシュ出来るのであれば、1800円は安いもんですよ。

【この世界の片隅に】
原作者・こうの史代さんのファンなので、この映画化には大いに期待してました。
結果、よくぞここまで…と絶賛したくなるくらい、世界観を損なわずに動かしてくれたと思います。監督が原作を愛し、忠実に再現するための手間を惜しまなかったということです。そもそも片渕監督はあの『BLACK LAGOON』のアニメ化をやってのけた人ですから、手腕は折り紙付きだったんですけどね。
この映画を妙に持ち上げる文化人は、まず原作が素晴らしいとは絶対言わないんだけど、なんなんだろうねあいつら。腹立たしいわ。
現在の興収が7~8億円くらいですか。規模と宣伝を考えれば大成功です。10億円いったら完全版を作りたいということですが、見たい気持ちもある反面、監督とスタッフにかかる労力を考えると過度に期待しないつもり。映画の完全版って、良し悪しありますしね。
自分は11月にファボーレ東宝で見たんですが、この1月14日よりJMAXシアター富山でも上映が始まります。そこで2回目を見る予定。

【聖の青春】
現在もやってるとこはあるようですが、大方の上映は終わったようです。
内容や出来は概ね好評だったので、今後も残っていく作品になってくれるでしょう。力作でしたしね。体型を寄せて熱演してくれた松山ケンイチに感謝。
興収はおそらく5~6億円くらいのよう。失敗ではないけど、もう少し積んでくれると良かったなあ。

【ポッピンQ】(2回)
しれっと大晦日に2回目を見ましたw。不満点を整理しながら見てた感じですかね。
とってつけた展開、説明ばかりなのに説明不足、描かれないキャラクターの内面など、腐す要素は一杯あるんですけど、面白い要素も結構ある。野菜カレーなのに具が口に入らないとか煮込み不足とか、そんな印象です。
説明不足を補うためにコミカライズや小説があるんですけど、それを読まないと補完出来ない設定ってどうなのよ。映画は単体で成り立たないとダメでしょ。
あとあえて触れなかったけど、エンドロール後の嘘予告(嘘に決まってますよね?)、あれ余計だから。
あまりの不入りにテコ入れを図ってきたか、12月30日よりYouTubeで映画の冒頭17分間が見れるようになりました。90分強の映画で17分もタダで見せる…、追い込まれてますね。(しかしこの17分開放でも面白そうに見えない…)
なんと1月7日から新しい入場者特典も準備したそうです(泥縄)。しかし、既に1月6日で上映終了を告知している映画館が出てきてまして、JMAXシアター富山も1月13日で終了告知が出てます。1月14日から『この世界の片隅に』『イタズラなkiss』『劇場版艦これ』など始まるようですし、仕方ありません。まあ『イタズラなkiss』も壮烈な爆死映画なんだけど…。
東映も映画を皮切りに『ポッピンQ』の展開を考えていたようですが、ここまでやらかすと…。もったいないですが、宣伝失敗、上映時期失敗、脚本軽視のツケでしょう。たぶん興収1億円いくかいかないか…。
上映終了までにもう一回見ておこうかなあw、入場者特典貰いたいし。素材は良かったんでね。

てなとこですね。
現在やってる他の映画については、『ローグワン』はスターウォーズ嫌いなんで見ないし、『バイオハザード』『ファンタビ』も興味ない。
『海賊とよばれた男』は見る気あったんだけど、漫画を全部読んでるのと2時間半の長尺なんで、積極的に動く気になってません。
しばらくは『君の名は。』をリピートしながら、次の作品を待つ感じになりそうです。

2017年もいい映画に巡り会いたいもんです。では。
スポンサーサイト
2017/01/02 Mon. 05:08 | trackback: 0 | comment: 3edit

離島の成人式 

自分の出身地は離島なんですが、成人の日が1月15日だった時代からずっと、成人式は毎年1月3日に行われていました。
これは、就職や進学で島外に出ている人が成人式に参加出来る日という意味がありまして、故に成人式の出席率はかなり高いんですよね。
現在は5つの町が合併してしまってますが、成人式に関してはおそらく旧町ごとの仕切りでやっていると思われます。一カ所に集まってやってたら田舎部の子は可哀想だし。

子供の頃は、成人式そのものは特に興味はありませんでしたが、着飾った新成人が会場(文化センター)からわらわら出てくる頃合いには、おばちゃん達が遠巻きに見物しつつ、「誰々さんとこの息子さん成人式やったんやね」「あの振り袖はダメ」「色が変!」みたいな大規模井戸端会議を繰り広げるというイメージでした。ウチの母親もちょくちょく見物に行ってたなあw。
あの当時(昭和50年代くらい)、子供の自分から見る新成人というのはまさに【大人】で、成人式というのも堅苦しい、おごそかなものだという認識でした。
5才年上の実姉が成人式に出席する時は、いろいろと騒々しい正月だった記憶があります。女性でございますから、晴れ着やら美容院やら前準備がいろいろと大変だったようで。
姉は…浮ついたとこの無い性格で、成人式に際しても振り袖ではなく青系の留め袖を選んで着ておりました。曰わく「振り袖は1回着たらもう着れないけど、留め袖なら年とっても着れる」とのこと。
弟ながら…(なんて可愛げの無い女だ)と思っていたことは、姉本人には絶対言えませんが、留め袖にしたって一生の間でまた着る可能性は低いぞ。まあいいけど。
その姉の成人式ではなかったんですが、…有名な事件がありまして。
成人式終了後、文化センターの玄関口階段に全員勢揃いして記念写真撮影をするんですけど、文化センターそばの写真屋さんが毎年その仕事を請け負っていたんです。
ある年、新成人をズラっと並べて、写真屋のおじさんが全員写るように列の微調整をし、晴れて撮影完了。一同解散となったんですが…。
カメラにフィルムが入ってなかったんです(笑)。おそらくラボで気が付いたんでしょうが、完全な後の祭りアフターフェスティバル。写真撮り直すからもう一回同じ服装で後日集合してって訳にはいかないですからね。その代の成人式写真は無し。
この一件、数日中には全町民の知るところとなりまして、翌年からこの仕事は隣町の写真屋さんが請け負うことに…。自分の代も撮ってもらいましたが、整列してる時に「フィルムちゃんと入っちょっとか?」とかあちこちで話してましたんで、やはりインパクトある事件だったんだなあ…。
1月3日という日程のせいかちょっと浮ついていて、お正月の行事の一つと捉えてました。

単なる傍観者でしかなかった自分が、いよいよ成人式に出席する年がやってきました。自分は【大人】という自覚など無いのだが…。
福岡で買ったジャケットっぽいスーツを着て帰ったら(まだバブルは弾けてなかった時代)、ちゃんと成人式用スーツは準備してありました。まあそっちで正解だったと思います。感謝。
高校卒業して2年、旧友とは一切連絡などしない子でしたので、帰ったからって特に誰とも会わず、格別準備も無いので親と花札やってのんびり過ごし、深夜ラジオ聞きながら寝るといういつものパターンでやってきた1月3日。
………危うく寝過ごすところでしたw。人生最後の、親に叩き起こされた朝でしたね。
朝食さらっと食べて、着替えて…姉の車で送ってもらったんだったか、徒歩で行ったのかは記憶が曖昧。日々死んでいく脳細胞。
会場に入っていくと、同級生の親(係員)から「もう始まるよ!」と声をかけられ(ああ狭い世界だ)、…遅刻ではなかったんですが出席者の中ではほぼ最後にやってきた形になったようで、知り合いから失笑されてました(ほっとけ)。おかげで席も後ろしか空いてなくて、漫画アニメでおなじみの一番後ろの席で所在無し。
目録みたいな冊子を読んでると式が始まり、町長とかその他来賓が何か喋ってた記憶はありますが、内容は1文字も覚えてません。来賓もそんな事は覚悟で喋ってるんでしょうが。
今でこそ荒れる成人式なんて風潮がありますが、自分らは学校の教師が専用の凶器を持ち込んで授業をするのに慣れてた世代ですので、成人式ごときで荒れるわけがありません。横浜銀蠅も一世風靡もビーバップもド真ん中世代だけど、尊重すべき来賓の話を黙って聞く忍耐力なんて初歩の初歩ですよ。
…とはいえ、相当眠かった記憶はありますw。

とりあえず式が終わり、写真撮影も無事終了、解散!
同級生の状況を目で追いつつ、仲の良かった連中とつるむことになります。当然ながら全員男。成人式での同級生の女共の記憶はほぼ無いなあ…。
町をぶらつき、レストランでだべり、その中の一人の家に皆でなだれ込んで積もる話をする…。それだけでしたw。
まあ会うのが2年ぶりとかなんで、話だけで時間が過ぎるというのもありましたし、遊びに行こうにも施設が無い。自分も福岡で散々遊んでましたから、こんな田舎で遊ぼうとするのは虚しいと割り切ってましたし。
でも、あの成人式後のだべってた時間は、充実したいい時間だったなあ…と思うのです。記憶で美化されてるとしてもね。
あの田舎にとって成人式ってのは、イコール同窓会なんですよね、しかも最後の。
その日、成人式後にだべった連中とは、その日を最後に会っていません。同窓会そのものは活動してるんでしょうが、おそらく自分は「音信不通」な同級生なんでしょう。仕方ない。

自分が成人式だった時代よりもさらに過疎が進んだ現在、多少は気質も変化したでしょうが、あの田舎の…成人式という名の同窓会は変わってないだろうと思います。
遊ぶ場所も無く、道は狭く、町民みんな知り合いみたいな場所で、荒れたり暴走したり出来る訳が無い。どこ行っても海か山だよ。
写真屋さんはデジカメになって助かっただろうけどねw。

成人式に出た時よりも2倍以上生き、身体のアチコチにガタが来ているおっさんの、脳裏に残っている大切な記憶でした。
ああ、やだやだ、年はとりたくないねえ。
2017/01/09 Mon. 06:49 | trackback: 0 | comment: 3edit

洋画と邦画の、気になる違い 

はい、生きてますよw。寒いです。
最近思っていることがあるんですよ。上手く文章に出来るか自信が無いんですけどね。
映画が好きな人はたくさんいて、皆それぞれ自分が好きな映画を語ります。で、投票によるベストテン企画なんてのがよくあります。
これが近年………洋画と邦画で傾向が違うような気がするんです。

自分が映画に興味を持ち始めた頃、洋画のオールタイムベストテンとかで必ず上位に名前が挙がっていた映画といえば、『天井桟敷の人々』『市民ケーン』『第三の男』『ローマの休日』『カサブランカ』『風と共に去りぬ』『ウェストサイド物語』などなど、名作の誉れ高い映画ばかりでした。
それは、その企画に答えていた方々の思い入れがその時代の映画に集中していたからでしょう。
1990年代初頭に、「芸能人は歯が命」というキャッチコピーで歯磨き粉のCMが流れてましたが、高岡早紀と東幹久が群衆の中で手を伸ばしながら離れ離れになっていくその映像は、『天井桟敷の人々』のラストシーンのパロディでした。CMの製作者がそういう世代だったということですね。(若い世代は、物好きな映画マニアのみ反応していた)
自分も『市民ケーン』『アラビアのロレンス』は大好きですが、『風と共に去りぬ』も『イントレランス』も…「はあ、大作だねえ」とは思えども、別段好きではありません。『ウェストサイド物語』は途中で寝てました。世代間ギャップですね。

それから幾星霜、21世紀に入って早15年以上。この手のオールタイムベストテンの顔ぶれが大きく変わってきたのです。
有り体に言えば「1970年代の映画の評価が高騰し、それ以前の映画は下がった」んです。
『ゴッドファーザー』『俺たちに明日はない』『明日に向かって撃て』『時計じかけのオレンジ』『ディアハンター』『2001年宇宙の旅』『フレンチコネクション』『タクシードライバー』『アメリカングラフィティー』…なんていう本命線の映画はもちろん、『燃えよドラゴン』『ポセイドンアドベンチャー』『イージーライダー』『タワーリングインフェルノ』『エイリアン』『スターウォーズ』『ロッキー』『小さな恋のメロディー』『エマニエル夫人』『ゾンビ』…といった好事家の心に響く映画まで、70年代の映画がもてはやされるようになったのですよ。
これはもちろん、企画に答える人々の顔ぶれが変わり、年齢が下がった…というか生まれ年が下がったからでしょう。多感な時期に見た映画が70年代の作品群だったと。
あと、現在でも活躍されている俳優や監督が名を挙げた時代が70年代だというのもあるでしょうね。若い人がDVDなり配信なりで映画を見る時、その人の過去の作品を見るというのは大いに有り得ます。それ以前の作品を好んで見るというのは、よほどの映画マニアじゃないと無理でしょうし。
じゃあいずれ80年代洋画が上位になる時代が来るかと言われると………それはちょっと難しいかもw。80年代のノリは重厚じゃないので、こういうベストテン企画には挙げにくいのよね。『アマデウス』『ターミネーター』『ブルースブラザーズ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『炎のランナー』『フルメタルジャケット』『スタンド・バイ・ミー』なんかは上位に来るだろうけど。
まあいずれ、80年代と90年代の映画も上位に食い込みだし、60年代までの映画はジリジリと消えていくでしょう。健全な変化といえます。


対して邦画なんですけどね。
邦画はこの変化が…極めてゆっくりしているというか、オールタイムベストテンではいまだに「黒澤・小津・成瀬・今村」がもてはやされる傾向があります。1960年代までの邦画が依然として強い。
答えてる人達の生まれ年が下がっているのに、何故か評価される邦画の年代が変わらないのです。
これも有り体に言ってしまえば、日本の映画界は評価される邦画の年代が下がると困るので、下がらないように気を遣っています。映画という大衆娯楽に妙な権威を持たせたい方々の意向ですね。
実は、近年ツイッターで邦画オールタイムベストテン企画があって500人余りの一般の方の意見が集計されたんですが、そこで1位になったのは『太陽を盗んだ男』でした。70年代ですねえ、なかなか興味深い。
黒澤はまだまだ評価されるでしょうが、そろそろ60年代までの映画には下がってもらって、70年代以降の映画が評価の中心にならないと健全ではないと思うのですよ。アニメ映画も含めてね。まあ…70年代はともかく、80年代以降の邦画は良作が減っていくんだけどw。
それと、地上波はもう難しいんだろうけど、配信でもいいから気軽に邦画を見られるようにしてほしい。アニメや特撮以外の邦画を年に何本も見る人なんて、相当少数派ですよ。
こういう現状は良くない。

先日、自分の好きな俳優だった根津甚八さんが亡くなられましたが、あのいい男っぷりを説明しようにも出演作品がほとんど放送されない。
松方弘樹さんまで逝ってしまわれましたが、『柳生一族の陰謀』『赤穂城断絶』『真田幸村の謀略』『野性の証明』とかを流す地上波も無い。(BSやCSではあるんだろうけど)
気になった俳優がいても遡れないようになってるから、いつまでたってもオールタイムベストテンの面子が変わらないんじゃないですかね。
このままであれば、邦画の未来は暗いと思います。
2017/01/26 Thu. 04:54 | trackback: 0 | comment: 0edit

『マグニフィセント・セブン』見てきました 

『七人の侍』は黒澤映画で…というより、邦画の中でも指折りに好きな作品です。やはり最初に映画館で見れたのは大きかった。207分全く隙が無い。
無論現在でも、全世界の映画界にオマージュやリスペクト、パロディを生みだし続ける果てしない金字塔です。
『荒野の七人』は昔地上波で軽く見た程度であんまり記憶も無いんですけど、『七人の侍』のプロットを大筋で再現しつつ2時間ちょいの西部劇にまとめた一大名作なのは間違いありません。スター映画でもあるよね。
で、今回『マグニフィセント・セブン』を見てきました。『荒野の七人』のリメイクという触れ込み、つまり『七人の侍』の孫みたいなポジション。見ない訳にはいきません。

最初にタイトルを聞いた時、"マグニフィセント"(崇高、偉大)という単語は日本人には語呂が悪い気がして、いい邦題を付けてやれよ…と思ったんですが、まあ…『荒野の七人』の続編的映画で既に「続」とか「新」とか使ってるんで致し方ないですね。「帰ってきた」とか「リターンズ」とか付けられると萎えるし。
そもそもの『荒野の七人』の原題が"マグニフィセント・セブン"なんで、そこは文句のつけようも無いんですが、なんか惹かれにくいタイトルだと思います。
あと、黒澤映画のハリウッドリメイクでは20年ほど前に『ラストマン・スタンディング』(『用心棒』のリメイク)があって、これが…主演のブルース・ウィリスを皮切りに不満の多い出来だったもので、その記憶が一層不安を煽ります。大丈夫なんだろうか…。
まあ、織田裕二の『椿三十郎』とか、数年前の『隠し砦の三悪人』とか、日本の方がとても酷い黒澤リメイクをやらかしてるんですがね…orz。
ともかく、『七人の侍』を比較対象にしても勝てるわけないし、その超良質リメイクである『荒野の七人』を上回るとも思えないので、…まあ『荒野の七人』の70%くらいの出来であれば充分だという腹積もりで行きました。

上映時間の1時間ちょい前にチケットを買ったんですが、その時点ではまだどの席も埋まってません。平日とはいえ公開日なんだけど大丈夫かなあ…と不安がよぎります。
で、予告編見てる間も客は自分1人で、おいおい貸し切りかよ…と思っていたら、直前に1人入ってきて計2人。うーん…女性は好まないタイプの映画だろうけどさ…。


(ここから盛大にネタバレ入ります)

さて、始まります。
アメリカ西部の小さな町ローズ・クリークと、その近くにある金鉱が主な舞台。実に西部劇な遠景、建物の雰囲気、人物など、ハリウッドはちゃんと金をかけて撮るなあ…と思わされます。日本の時代劇は滅亡しかかっているというのに。
今回の話は、悪辣で手段を選ばない資本家であるボーグが、金の採掘拠点としてこのローズ・クリークに目をつけ、町を開拓した住人達を立ち退かせようと保安官買収の上でならず者を送り込み、自ら町の教会で胸くそ悪い演説をぶちあげ、見せしめに教会を焼き払い、住民数人を射殺。そこまでやってみせて、猶予3週間で立ち退きを強要するというのが発端。ちょっと手のこんだ設定ですね。
耐えきれずボーグに抗議した夫を目の前で殺され、未亡人となったエマ(おっぱい)が、町の全財産を持って守ってくれるガンマンを探していたところ、鮮やかな手腕で騒動を鎮めたチザム(デンゼル・ワシントン)を見て仕事を依頼し、乗り気ではなかったチザムも相手がボーグと知って、熟考の末に引き受ける。
あとは仲間を集めて、町で迎撃体勢を整えるおなじみの流れになっていきます。

キャラクター別に寸評を。
◎チザム(デンゼル・ワシントン)
冷静沈着で凄腕、7つの州の委任執行官(時代劇でいう関八州みたいなもんか)を務め、賞金稼ぎでもある黒人ガンマン。『七人の侍』でいえばもちろん勘兵衛ポジション。
デンゼル・ワシントンも結構な年なんだけど、それを感じさせない精悍な役作りで威厳があります。リーダーとして申し分なし。
自分は黒人ガンマンというと『荒野の少年イサム』のビッグ・ストーンを思い出す世代なんでいいんですが、リンカーンの黒人奴隷解放令の後とはいえ、黒人が委任執行官になれるのかはちょっと疑問。

◎ファラデー(クリス・ブラット)
大胆不敵なギャンブラーにして一流のガンマン。酒と葉巻と女が好き。男の色気のあるいい男。
チャラチャラしてるように見えて、義に厚い面もある。『七人の侍』でいえば菊千代かなあ。

◎ロビショー(イーサン・ホーク)
南北戦争で南軍の凄腕狙撃手として活躍し、"グッドナイト"や"死の天使"といった異名を持つ。
戦争で捕虜になった際、北軍のチザムに助けてもらったことで恩義を感じており、チザムの誘いを快諾し、相棒のビリーと共に仲間になる。
しかし、最初の戦いで彼は一人も撃たなかった。その理由は…。
『七人の侍』でいうと、副将格の五郎兵衛かなあ。必ずしも当てはまらないけど。
イーサン・ホークしばらく見ないうちに渋いおっさんになったねえ。確か自分と同世代だと思うんだけど、役柄が広がると思うよ。

◎ビリー(イ・ビョンホン)
東洋系のガンマンで、早撃ちが得意。そしてそれ以上に得意なのが短刀で、ガンベルトには数本の短刀を常に携帯し、次々に敵を血祭りにあげる。
もともと一匹狼のお尋ね者だったが、その高い戦闘力を見込んだロビショーが相棒として名乗りをあげ、以降共に旅をしている。
割と寡黙なとこと戦闘力で、『七人の侍』でいえば久蔵でしょうね。

◎ジャック(ヴィンセント・ドノフリオ)
丸い熊みたいな巨体の狩猟者で、ライフルだけでなく突進から斧やナイフで敵を仕留めるという殺人鬼スタイル。ちょっと怖い。インディアンの頭の皮を剥いでいたそうで。
仲間になれば人懐っこい陽気なおっさんなんだけどね。
ドノフリオはちょくちょく見かける味のある脇役なんだけど、この映画でも印象的。
『七人の侍』にこんな人はいない。…まあ最初に死ぬ薪割り流の平八と言えないこともない。

◎バスケス(マヌエル・ガルシア・ルルフォ)
メキシコ人のアウトロー。2丁拳銃の使い手。
お尋ね者でありチザムに追い詰められるが、仲間になれば見逃すと言われて仲間入り。ファラデーからメキシコネタでからかわれるが、仲は悪くない。
ファラデーとの関係性からいえば『七人の侍』では勝四郎でしょうね。ただ勝四郎みたいな半人前ではないけど。

◎レッドハーベスト(マーティン・センズメアー)
インディアンの若者だが、部族の長老から追い出されて旅をしていたところを仲間になる。
言葉での意志疎通は不自由だが、素直で前向きでやる気マンマン。
銃も扱えるしナイフも得意だが、最大の武器は弓矢。建物の屋根に陣取り、那須与一か源義家かと言いたくなるくらいの百発百中ぶりを見せつける。カッコいい。
チザムへの忠誠ぶりを見るに、『七人の侍』では七郎次が近いかな。

仲間集めを経てローズ・クリークにやって来た彼らは、名刺替わりに駐留しているボーグ一味30人余りを全滅させます。生かしておいた保安官をボーグへの使いにし、いざ迎撃準備。
今回の映画で物足りなく感じたのは、住人とガンマンの交流があまり描かれなかったことですね。
住人にライフルの特訓をするシーンなどはあるんですが、そこから少しずつモノになるという描写が無いので、結局7人で戦う感じがする。未亡人のエマ(おっぱい)は勝ち気な性格故に黙々と特訓して、スゴい狙撃能力を身につけていくんですけどねw。
そのエマ(おっぱい)に気がありそうなファラデーも手を出すでもなく、なんというかドラマ部分が薄い。父親を殺された少年も、意味ありげにカメラが何度か抜く割に、結局意味は無かったし。脇道に逸れるよりはいいんだろうけど。

逆に、最終決戦はとにかくカッコいい。
大平原を横一線の大軍でやってくるボーグ隊を、あの手この手で足止めし吹き飛ばし、撃って撃って撃ちまくる。いいよいいよ!
それでも徐々に防衛戦が決壊し、町を舞台に乱戦突入。7人の活躍っぷりは素晴らしい。
しかし、町を遠巻きに眺めるボーグが手下に用意させたのは、この時代のリーサルウェポンである…「ガトリンク砲」。うわあ長岡藩だよ。
これが敵味方へ無差別に火を噴き、形勢は一気に不利へ。どうなる7人…!

まあ、『七人の侍』も『荒野の七人』もそうですが、この『マグニフィセント・セブン』も…七人の誰かが死にます。それが誰かは書きませんが、墓の数は同じです。
実は、生き残った面子を見ると…ああ気を遣ってるんだなあと思いますけどね。
七人の奮闘で町が守られた感慨はありますが、上でも書いたようにドラマ部分が薄いんで、「勝ったのはあの住人達だ」みたいな感慨は無いです。
それと、実はチザムとボーグには因縁があることが最後に明かされるんですけど、このプロットにこういうウエットな話が必要だったかは微妙だと思いました。この因縁故に今回の仕事を引き受けたということなんでしょうけどね。
そして、…エンドロールで『荒野の七人』のメインテーマが流れましたw。おかげで余韻は良かったんですが、「やっぱこのテーマ曲には勝てないかあw」と笑うしかなかったですね。

『七人の侍』はともかくとして、『荒野の七人』と比較しても深みは無いです。
ただ、ドラマを犠牲にしてでもカッコよさを優先したんでしょうし、そもそもプロットが上質なのでドラマで変に盛り上げなくてもイケますからね。
キャラクターの妙、新解釈、細かい設定の工夫は感じられますし、何より…久しぶりの大作西部劇ですよ。ここは評価しなきゃね。
だもんで自分としては、偉大な『荒野の七人』の75%という評価をしたいと思います。リメイクとしてはまずまず。
「見てきたよ。なかなか面白かった」と言える映画です。

これで西部劇が復権するとは思ってませんが、ちょくちょく作られるようになるといいですねえ。
おい、日本の時代劇、『超高速!参勤交代』みたいなコミカルばっかやってないで、たまにはバリバリのチャンバラをやってくれよ。大衆が見たいのはそういう映画なんだよ。
2017/01/29 Sun. 04:22 | trackback: 0 | comment: 0edit