08 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 10

メテオ・ストライクス!

いろんな分野で独り言を日々書きます。稼働終了したセガのクイズゲーム『Answer×Answer』を振り返る事もあります。

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/-- --. --:-- | trackback: -- | comment: -- | edit

『幻魔大戦』(平井和正) 

昨日、ブログを書き上げて「さ、ツイッターでも見ながら寝るべ…」とトレンドを見たら…"平井和正"という文字。イヤな予感がして確認したら…訃報でした。
平井和正。日本におけるSF小説の立役者の一人。『ウルフガイ』シリーズ、『幻魔大戦』、その他もろもろ…。巨匠と呼ぶのは何か違いますが、各方面に今に至る多大な影響を与えた偉大な小説家であります。
自分は正直な所、角川文庫版の『幻魔大戦』(全20巻)しか読んでないんですが、これがまた…なんとも凄い小説だったんですよ。角川映画版の『幻魔大戦』から入った自分には、「なんでこの小説は変な方向に爆進してんの?」としか思えなかったんですが、困った事に…これが実に面白かったんですなあ。
『幻魔大戦』という小説は、『真幻魔大戦』や『ハルマゲドンの少女』などの一連の小説とパラレル…というか、前世後世の繋がりのある壮大な設定になってます。
元々の始まりは石ノ森章太郎氏の漫画版『幻魔大戦』からで、そこを軸にいろんな方向へ創作されていった形です。角川文庫版の『幻魔大戦』は、当初は漫画版の小説化としてスタートします。
しかし、漫画版や映画版の『幻魔大戦』に近いストーリー展開だったのは文庫の3巻までで、4巻以降は小説版独自の展開になっていきます…。

高校生・東丈が野球部のレギュラーになれず腐っていたところへルナ王女とベガが接触し、それがきっかけで丈が強大な念動力に目覚める。やがてニューヨークで瞬間移動能力を持つソニー・リンクスを幻魔から救出するまでは、映画版でもよく知られた流れ。
ルナ王女は後援者を得て、ニューヨークを拠点に超能力者組織を作ろうとするが、東丈は日本に帰り、高校の文芸部の久保陽子と共に"GENKEN"(幻魔研究会)という組織を立ち上げる。丈はGENKEN主催の講演会を開いて成功させ、その講演に感化された人々の加入と支援によって、GENKENは更なる発展を遂げる。
順風満帆に見えたGENKENだが、創立メンバーである久保陽子は東丈が大きくなって自分の側から離れていく葛藤に悩み、その隙を丈の旧友である江田四朗(幻魔の手先)に突かれて拉致され、丈に救出はされるものの…影を負ってしまい丈から距離を置いた存在になる。
久保陽子の離脱と入れ替わるように頭角を現してきたのが井沢郁江。丈を補佐し、よく働くが故に久保陽子の黒い嫉妬を買い、波動を送られて子宮癌となってしまう。
苦悩する丈は井沢郁江の子宮癌の進行を止めるべく、代理の少年を派遣して光を送り込むも事態は好転せず。久保陽子から送り込まれる黒い念を断ち、井沢郁江を真冬の高山の頂上に運んで、自ら一心不乱に光を送り込み、ついに子宮癌を消滅させる。
この一件で、"死の手前から帰ってきた女"としてカリスマ性を身につけた井沢郁江は、名実共にGENKENのナンバー2となり、後に東丈が失踪してからはGENKENのトップ代行として辣腕を振るう事になる。その独善的な方針はいろいろと波紋を呼んで…。

この辺までで半分ちょいくらいですかねw。あくまでも大まかな流れで、丈の周辺(姉・三千子とか家族とか)の話なんかは触れてませんけど。
この後はもう、東丈不在のGENKENでの内部対立、野心マンマンの大学生・高鳥慶輔の策謀といった内ゲバが展開し、もはやどこにも爽快感の無い内容になっていきます。正直、東丈が強大な念動力を発揮すれば解決した場面もあったような気がw。
まあ『真幻魔大戦』(12年後)への繋がりとか、『新幻魔大戦』(江戸時代)からの繋がりとかあるんで、『幻魔大戦』だけで綺麗に完結させる訳にはいかんのでしょうけど。

この小説については、平井和正が某宗教団体の幹部だった経験と、そこに愛想を尽かして抜け出してきた遺恨が原動力になったそうです。だから内ゲバ描写が生々しい。
その宗教臭さがイヤだった方もいらっしゃるでしょうが、自分は単純に人間同士のドロドロした関係と、時折挟まるエログロを楽しんでましたw。もちろん「宗教団体とか関わるもんじゃないな!」という教訓もうけましたね。
まあ、出来れば東丈をしっかり復活させてもらいたかったもんですが…。

作家の吉岡平さんが、こんなツイートをされてたんですけどね。

世代によって温度差(ぶっちゃけ 知名度)が はっきりくっきり分かれる作家ですな 平井和正先生 四十代半ばを境に 上は衝撃 下は誰それ?という反応ですわ
https://twitter.com/torinakisa/status/556472788785963008

これはよく分かります。自分も、あの映画があったから平井和正に触れる事が出来ましたが、無かったらスルーしとったでしょうね。
あの80年代、日本最初のラノベが『妖精作戦』(笹本祐一)だという説には賛成ですが、そこに至るまでの下地を作ったのが…栗本薫、高千穂遙、夢枕漠、そして平井和正だろうと思います。この辺の作家に影響を受けた人が、現在作家をやってるようなもんでしょう。
今なら完全にラノベの範疇であろうパラレル世界設定で、超能力者が活躍するような話を、エログロく辛気くさい内容で引きつけて読ませた功績は甚大。
しかも『幻魔大戦』の文庫は、当時としては画期的な書き下ろし文庫で、ほぼ月刊ペースで発売されたというのも凄い。今でいう鎌池和馬(とある魔術&科学シリーズ)みたいなもんですね。
…ま、長編のほとんどが未完扱いですがw、『幻魔大戦deep』で一応の幕引きはしたらしいので、ちょっと読んでみたいね。東丈がどうなって、個人的に好きな井沢郁江がどうなったのか…。

鎌池和馬を引き合いに出したので、最後にこんな動画を。

『とある魔術の幻魔大戦』予告編 by ニコニコ動画

これはスゴいw。映画『幻魔大戦』の予告編の音声に、とある魔術&科学シリーズの映像を上手く乗せている意欲作です。やっぱキース・エマーソンのシンセはええわあ~。
『幻魔大戦』を知っていて、かつとある魔術&科学シリーズも理解出来るという、非常に狭いターゲット向きの動画ですがw、『幻魔大戦』のノリを理解してもらうには良いと思います。

ああ、押し入れに眠っている角川文庫版の『幻魔大戦』全20冊、読みたくなっちまったw。
この小説に出会って、人生は豊かになったと思うよw。いいもん読ませてもらいました。
平井和正先生の御冥福をお祈り致します。
関連記事
スポンサーサイト
2015/01/19 Mon. 02:26 | trackback: 0 | comment: 0edit

コメント

コメントの投稿
Secret

トラックバック
トラックバックURL
→http://meteorsan.blog107.fc2.com/tb.php/1701-1843ce39
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。