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メテオ・ストライクス!

いろんな分野で独り言を日々書きます。稼働終了したセガのクイズゲーム『Answer×Answer』を振り返る事もあります。

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アルファ碁がもたらしたもの 

アルファ碁と李世ドル九段の第五局はアルファ碁がきっちり完勝し、李世ドル九段の1勝4敗に終わりました。
今日は休みだったんで、序盤から終局近くまで実況見ながら堪能してたんですが、李世ドル九段が苦しい展開だった夕方5時過ぎに…パッタリと寝落ちしてましたw。だから投了は見てないんですけど、夜11時頃に目覚めて(寝過ぎ)確認したら、2目半だか4目だかの差だったそう。
第一局から第三局はアルファ碁が異次元の強さを見せつけて世界を震撼させ、第四局もアルファ碁が圧倒する流れから…李世ドル九段渾身のワリコミでアルファ碁の一時混乱を引き出し、待望の勝利。
この流れでの第五局、李世ドル九段が勝てば「所詮ソフトよのう」とか「AIなんぞまだまだ人類の敵ではないわ」みたいなお調子者が大量発生するとこだったんですが、アルファ碁先生はキッチリと勝ちきって、3連勝がフロックではない事を証明しました。
今回の勝負、始まる前はただのエキシビジョンマッチで、李世ドル九段5連勝当然という見方だったんですが、終わってみれば歴史に残るスーパーイベントとなりました。そこで、今後の流れを考えながら思った事を書いておきたいな、と。


【囲碁の定石の概念が変わる】
今回、一番印象的だったのは…アルファ碁が繰り出す手に対し、九段レベルの囲碁棋士が解説をつけられなかった事です。あ、日本の棋士ね。
特に序盤から中盤にかけて、「え?なんでそんなとこに?」という反応が多かったように思います。あからさまに嘲笑している人もいましたし。
ところが、その手があとで実を結び、李世ドル九段を撃破するもんだから、下手な事を喋れなくなってしまったw。「こういう手を打ってはいけないと教わってきましたし…」と不服そうではあったけど。
もちろん、棋士の方がそうやって強くなってきたのは間違いないんだけど、それは…棋士の中で「良い手・悪い手」の認識が大方共有されている世界でのこと。盤面が広大な囲碁においては、展開の可能性を絞ることで戦略を考えやすくしていた訳です。
アルファ碁は膨大な自己対戦をこなして学習したそうですが、参考として取り込んだ棋譜はアマチュアばかりだそう(プロの棋譜は絶対数が少ないから)。だもんで、プロの認識や流行からは無縁なんです。
時に、今は廃れた昭和棋士の打ち回しまで披露して李世ドル九段を翻弄する姿に、「え、そんなんで李世ドル九段に勝てるの?」と思わされたことでしょう。最新の戦型を追う棋士には衝撃。
この"アルファ碁ショック"を、今後活かせる棋士が出るかで囲碁界は変わってくると思います。


【トップ棋士敗北の衝撃】
上にも書いたように、始まる前は李世ドル九段全勝だとみんな思っていました。
アルファ碁がしばらく前にヨーロッパチャンピオンに勝ったというニュースがあったんですが、日本の高尾九段なぞ「Googleがお金払って、勝ったことにした宣伝活動だと思ってた」とぶっちゃけてましたw。まあそういう認識でしたし、昔から「囲碁でソフトが棋士に勝てるようになるには、まだ10年20年かかる」とよく言われていました。
で、胡座かいていたらこの結果です。囲碁界始まって以来の衝撃でしょう。
救いがあるとすれば、これが演出やヤラセではなくガチで敗北したので、その衝撃に人々の耳目を一気に集めたことです。囲碁というゲームも再認識されたでしょうし、お金では得られない宣伝効果があったはずです。
李世ドル九段は一般人にも有名になったでしょうし、現在世界最強の中国のカケツが「李世ドルには勝てても、俺には勝てねえ!俺とやれ!」と名乗り出る流れは実に少年漫画でしたw。その後カケツもアルファ碁の実力を認めましたが。
また、韓国の弁護士がGoogleに謝罪と賠償を請求するとか言ったり、韓国棋院がアルファ碁に"名誉九段"を授与すると言い出したり、韓国ならではのドタバタも見られました。
日本棋院も、理事が「井山とやれ!井山に勝たなければ認めん!」とか言い出して、井山いい迷惑w。常日頃どうしても将棋の陰に隠れがちな囲碁が、ここぞとばかりに動いてますね。
アルファ碁に負けたのは衝撃でしょうが、少しでも得をしないとイカンという棋界全体の動きは良いことだと思います。『ヒカルの碁』に続く材料が無かっただけにね。


【ドワンゴ、大誤算】
将棋で『電王戦』を開催しているドワンゴが、実は囲碁でも今度『電聖戦』を開催するんですよ。
で、以前行われた記者発表でドワンゴの人が「2年でGoogleのアルファ碁に追いつき、その後プロ棋士にも勝てるようにしたい」みたいな事を言ってたんですよねえ(笑)。
…まあ、アルファ碁の急激なブレイクスルーが読めなかったにせよ、ドワンゴの人は今頃…穴があったら入りたい気分でしょう。日本国内のソフトのレベルでは妥当かつ前向きな目標設定でしたし。
ただ、『電聖戦』はもう目も当てられない可哀想なイベントになりました。アルファ碁どころか、トップではないプロ棋士相手に何石か置かせてもらって、その上で相手していただくレベルのソフトばかりですから、マスコミとしても「え?日本のソフトレベルってこの程度なの?」と逆に驚かれるでしょうし。
Googleとドワンゴの資金力と、抱えている人材の圧倒的な差と言ってしまえばそれまでですが、タイミングは最悪ですわな。日本が世界に遅れをとっているという論調でのニュースにされそう。


【将棋は幸運だった】
将棋は棋士とソフトとの勝負を『電王戦』という形で商売に昇華させ、チェスや囲碁のようにトップ中のトップが討ち取られるというプロセスを回避しました。
それには、2007年の渡辺竜王vsポナンザという一戦の経験が活かされた訳ですけどね。これ以来、羽生・渡辺の二枚看板は出さないという戦略。
おかげで囲碁派からはずっと「羽生は逃げた」だの戯言を言われる訳ですけど、この戦略を推し進めた故・米長会長は偉いですよ。ドワンゴからは棋戦という形で金を得られるし、将棋界は傷つかない。
羽生四冠が1995年の将棋年鑑の「棋士がソフトに負けるのはいつか?」という問いに「2015年」と答えているのは有名な話ですが、将棋は日本国内のみ盛んですから、プログラマーや団体も段階的な進歩を繰り返して、羽生四冠の言った通りになった。IBMやGoogleが本腰入れてたらもっと早かったでしょうねえ…。
今は『電王戦』もマシンスペックなどに制限を加えて、あくまでも興行として成り立つようにしていますから、性能全開のスパコンとかと勝負はしません。黒船の排除。
アルファ碁みたいなディープラーニングのAIが来たとしても、将棋に関しては囲碁ほど意外な手は打たれないでしょう。その代わり鬼のように強いだろうから人間必敗だけどね。
将棋界はそれなりに安定しているので、無理に話題を作らなくても棋士の個性だけでやっていける(変態ばっかりだしw)。
でな感じで、囲碁派がいくら罵ってこようとも、将棋はトップがソフトとガチで勝負はしないのです。
まあ、二日制のタイトル戦はいずれ一日制になると思うけどね。


ともあれ、この一週間はとても面白かった。
Googleには良い宣伝になったし、囲碁界も悪い事ばかりではなかった。李世ドル九段が一発入れた第四局は盛り上がったし。
あとは、アルファ碁がもうしばらく囲碁をやってくれると面白いんだけどね。IBMがチェスでカスパロフに勝ったディープブルーを、即解体して逃げたみたいなのは勘弁。
アルファ碁にとって囲碁はあくまで通過点なんですが(神の一手とかどうでもいいんだろうね)、今回の戦いを踏まえた上でカケツ戦とかやってくれれば嬉しい。井山はどうでもいいわ。
熱戦を見せてくれた両先生、お疲れ様でした。
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2016/03/16 Wed. 04:41 | trackback: 0 | comment: 0edit

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