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メテオ・ストライクス!

いろんな分野で独り言を日々書きます。稼働終了したセガのクイズゲーム『Answer×Answer』を振り返る事もあります。

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『アダムとイブ』(山本英夫・池上遼一) 

池上遼一先生については、今更説明するまでもありません。「究極の絵師」です。
御本人曰く「話を考えられない」そうですが、それ故に迷うこと無く持てる画力を「描く」ことに費やしてこられた。
雁屋哲、小池一夫、史村翔or武論尊といった一癖も二癖もある濃い原作者の、濃縮された原作を魅力的な絵にしていく。色気と艶のある最高の絵でね。
自分が小学生の頃から雑誌でお見かけはしてたんですが、池上遼一という存在を強く意識するようになったのは、高校の頃に連載されていた『傷追い人』と『Cryingフリーマン』から。『めぞん一刻』目当てで読み出したスピリッツでしたが、一気に引き込まれたものでした。
以来、『赤い鳩』も『HEAT』も『信長』も『サンクチュアリ』も常に追っていました。
『覇-LOAD-』は長いこと描いておられたけど…、その後の『六文銭ロック』も含めて、あえて言えば「武論尊が衰えたなあ」と思ってました。そろそろ違う原作者と組んでもらいたい…。
そして、『アダムとイブ』は始まりました。原作者に山本英夫を迎えて。

山本英夫といえば『殺し屋1』『ホムンクルス』といった作品で著名な漫画家。世代的には自分と同じくらいです。
『ホムンクルス』終了後は、原作者を志してしばらく描くのをやめていたようですが、その後は『HIKARI-MAN』を描くなど活動は継続中。取材をしっかりした上で、凝った設定の漫画を描く方というイメージですね。
その山本英夫が、かの池上遼一に提示したのが"透明人間"。
最初は"透明人間"に良いイメージの無かった池上遼一が、山本英夫の原作を読んで…ノリノリになったそう。
この漫画、池上遼一は明らかに楽しんで描いておられます。

話は単純明快、そして複雑。
都内某所。誰にも知られず密室的なスナックで会合を開いている、所属も年齢も身分もバラバラのヤクザ達。ヤクザ達に共通するのは、一人一つずつ…人間の持つ感覚が異様に発達していること。視覚、聴覚、臭覚……など。
そういった超感覚を持つヤクザ達が、ヤクザ業界の影の頭脳になるべく行っていた秘密の会合、その密室に突如何者かが現れる。
全く姿は見えない。しかし確実に迫る男女二人組。確実に部屋の中にいる恐るべき敵に、己の能力を駆使してヤクザ達が挑む。

基本設定はそれだけで、ハッキリ言ってしまえば荒唐無稽なんですが、山本英夫が用意した原作を、池上遼一の超絶作画で料理した結果、とんでもなく面白い作品になってしまった。
とにかく7人のヤクザ達が魅力的。男の色気とはこのことで、池上遼一の真骨頂ですよ。特に"臭覚"に特化した「スメルさん」は池上愛が存分に注がれており、既にこの漫画の顔と言っていい。整った顔で冷静な分析が出来る切れ者でありながら、女性の髪の燃える臭いが好きでたまらないという危ない人。(この漫画、女性は酷い目にあうだけです)
密室の衆人環視の中で、一人また一人と減っていく中、「スメルさん」の分析の元で"透明人間"と対峙するヤクザ達の心境と顔芸だけで進行するのがたまりません。
そしてテンポがいい。先日発売になった1巻の時点で、7人中4人のヤクザが"透明人間"に葬られています。読んでいて息をも継がせぬ感覚。
なまじっか人気が出ちゃうと、『北斗の拳』みたいに…シンが死ぬまでとそれ以降ではテンポが全く違う漫画になる訳ですが、おそらくこの漫画は全2巻か全3巻くらいで突っ走るはず。だから中身が濃密。
密室での異能戦闘ですから、それが当然ですよね。

このスピード感を維持したまま終われば、2000年代以降の池上遼一の代表作になるでしょうし、そのクオリティを引き出している山本英夫の評価も上がるでしょう。
1巻の帯にあるアオリ文句「鬼才・山本英夫が池上遼一を覚醒させる!!」というのは、まさにその通りであり、原作次第で池上遼一はまだまだ引き出しがあるという事です。
ビッグコミックスペリオール編集部としては、正直終わらせたくないとこでしょうけどw、変に伸ばさずスパッと終わってほしいものですね。
とりあえず、読んでない人は1巻を買いなさい。
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2016/03/23 Wed. 03:43 | trackback: 0 | comment: 0edit

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