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メテオ・ストライクス!

いろんな分野で独り言を日々書きます。稼働終了したセガのクイズゲーム『Answer×Answer』を振り返る事もあります。

『君の名は。』見てきました 

新海誠といえば『ほしのこえ』です。大好きな作品。もう10年以上前になりますかね。
同じ時間を過ごしていた男女が、遠く遠く離れていくことで徐々に同じ時間を過ごせなくなる。数年越しに届くメールがあまりにも効果的でグッと来ました。
話の骨格は『トップをねらえ!』なんですけど、それを上手く換骨奪胎してSFなのに男女のせつない話になっている。『トップをねらえ!』はもちろん大好きですが、その子孫と言うべき『ほしのこえ』も大好きです。ソフトもサントラも持ってるよ。
その後の新海誠作品は見てません。単純に機会が無かっただけですが、作品の評価を目にするたび「安定してせつない物語を作っておられるんだな」と思っていました。
それが新海誠という監督さんの作風であり、独特の余韻にファンが多いのでしょう。

6月、富山に新しく出来たシネコンに『ガルパン劇場版』(5回目)を見に行った時、『君の名は。』という映画の予告編が入りました。
美麗な風景、雄大で神々しい彗星、若い男女、そして監督は…新海誠。
「あ、新海誠さんの新作なんだ…。こんなシネコンで上映する映画を作るようになったんだなあ」
8月下旬公開という予告を見ながら、「まあ、劇場では見ないかなあ」と思ってました。ところが…。
東宝が「目標は興行収入20億円のスマッシュヒット」と思っていたこの『君の名は。』は、公開されるや見た人から驚異的に口コミされ、予想外というか…とんでもない勢いの歴史的大ヒットとなったのです。
20億円どころか50億円を楽々通過し、ついに100億円の大台に乗せ、まだ客足が衰えない有様。『シン・ゴジラ』の大ヒットをさらに凌駕してしまいました。
(おっさんに分かりやすく言えば、『子猫物語』が90億円台、『南極物語』が110億円弱、『ターミネーター2』が130億円ほど、『タイタニック』が260億円ほど)

【日本映画の興行収入歴代上位】

1位 千と千尋の神隠し 304億円
2位 ハウルの動く城 196億円
3位 もののけ姫  193億円
4位 踊る大捜査線2 173.5億円
5位 崖の上のポニョ 155億円
6位 君の名は。  130億円(公開中)
7位 風立ちぬ  120.2億円

関係者も、新海誠ファンも、誰も想像しなかったであろう超特大ヒットです。8月下旬公開で、ファミリー層を意識したものでもない映画ですからね。
こうなると、特に見るつもりではなかった自分も、映画ファンとして血が騒ぎます。「これは見ておかねばならん」
出来るだけネタバレを避けつつ、ロングラン化しそうなので特にあわてずタイミングを計っていましたが、午前中からパチンコ勝って懐も暖かく、夕方以降暇になりそうな今日が最適…と思い、上映時間チェックした上でシネコンへ向かいました。

(ここからネタバレ入ります)

予告編で見てましたから、人格が入れ替わるボーイミーツガールだという事は分かってます。この分野には『転校生』という偉大な作品がありますよね。
さて、徐々に滑り出す物語の中で…自分がまずガツンと来たのは、宮水三葉が語る田舎への嫌悪と脱出願望です。
この映画の本筋ではない部分ですが、自分は…田舎がイヤで脱出した人間ですので、ここに非常にシンパシーを感じました。それを美麗に描かれた風景が補完するのです。都会の人は喜ぶかもしれないけど、そこに年中住んでる人には何も代わり映えしない単調な風景が。
人間関係も地元行事も、嫌だと感じだしたらとことん嫌ですからね。
逆に、東京の風景描写は都会に憧れを持つ人間には堪らないものです。自分が福岡に出た時の心境を思い出しました。
この田舎と都会の描写で、自分はこの映画にすんなり入った気がします。

主人公二人は、時と場所を越えて(実は大事なネタバレ)入れ替わるんですけど、翌日には元に戻ってるのがこの話の妙で、周囲の反応でそれを裏付けていく。面白い。
男の子は当然揉んでみるし、女の子は当然触ってみるんです。そうでないといけない。
そんなドタバタの中で、「お前は誰だ?」が効いてくる。単に入れ替わってる相手への疑問だった言葉が、クライマックスで見てるこっちの涙腺を刺激してくる。

祭りの夜、満天の空に彗星が尾をたなびかせているシーンのあと、入れ替わらなくなってしまった立花瀧が、入れ替わっていた女の子が住んでいる場所を求めて旅に出る。
そして…衝撃の事実と謎解きがされるんだけど、今までの新海誠監督であれば(とはいえ『ほしのこえ』しか見ちゃいないんだけど)………ここで終わっていた気がするんですよね。悲しい物語として。
瀧が三葉の過去を見るシーンで、自分は「星野之宣のSF漫画にこういうのがあるなあ…」と思っていました。
宇宙船の不幸な事故で、過去への時空を永遠にさまようことになった主人公が、恋人の過去の姿を見守って終わるという短編があるんですけど、そういう悲しい話なのか…と。
しかし、瀧は入れ替わっていた時の記憶を頼りに、宮水神社の御神体に辿り着き、口噛み酒を飲んで…ついに三葉と出会う。
この…誰そ彼時の邂逅は本当に息が詰まる名シーンで、手のひらの文字に心揺さぶられる思いがしました。物語の序盤で書いてあった文字も伏線じゃん(T_T)。
そしてスペクタクル。運命に抗う宮水三葉の姿は、今までの新海誠監督には無かった展開です。
これを大衆迎合したといえばそれまででしょうが、こういう映画を作れる手腕を証明してみせた監督がスゴいと思いますよ。
若干エピローグが長い感じもしましたが、瀧のその後を見せることで経た年月を表現し、ラストシーンを効果的にしたのでしょう。
なんとも完成度の高い、よく出来た映画だと思います。

それでいて、ツッコミどころも満載なのがまたポイントなんですよね。
入れ替わりにまつわるツッコミどころは言い出せばキリがありません。名前や通学路を忘れた友達なんて怖いでしょうし、組紐作業出来なかったらさすがに婆ちゃんの目は誤魔化せないでしょう。
瀧が、入れ替わった時に糸守町の地名や彗星にまつわる諸々にピンと来てなかったのも無理があります。起きた災害の規模がデカいからね。三葉の父親が何故土壇場で避難に動いたのかも、分かりやすくは描写してない(こういうとこももう一度見たくなるポイント)。
そういうツッコミどころはあえて取り繕わず、主題とテンポを優先したのがこの映画の勝因。設定の穴を無くせば映画が面白くなるというものでもないし。変に説明せず107分で疾走。
古今の映画でファンが多い作品には、ツッコミどころだけで話が弾むものがよくあります。『タイタニック』の板にはディカプリオも乗れただろとかねw。
そういう映画は得てしてリピーターが多かったりするんですが、『君の名は。』もそうでしょう。どういうオチか分かった上で見ると、いろいろ伏線が散りばめられているそうです。
自分も、近いうちにもう一回見に行こうかと思ってます。気になるシーンありますし。

音楽もいいよね。サントラ買わないとなあ。
いい映画にはいい主題歌があると言っていたのは角川春樹でしたが、『君の名は。』で流れる曲はどれも大変印象的。80年代の洋画級ですよ。

叩こうと思えばいくらでも叩けるでしょう。古今東西、売れた映画は難癖つけられるものです。『タイタニック』なんか「船が沈むだけじゃねーか!」とか言ってる人もいましたしw。
でも、売れる映画ってのは、ほぼ分かりやすいものですから。そこに難癖つけて「僕にも出来るよこれくらい」みたいな事を言う人は、売れる映画は一生作れないんですよ。
入れ替わる男女を描いたボーイミーツガール、若い世代だけでなく、昔若い世代だった人達も絶賛しているということは、記憶に響くシーンが多いんでしょうね。理屈じゃないんです。

とりとめの無い文章になってしまいましたが、『君の名は。』はおススメの映画です。
あの全天に尾を引く彗星のシーンは、映画館で見て良かったと思わせてくれますよ。そういうリピーターもいるんだろうなあ。
東宝の社長が「年末年始の映画が一本増えたつもりでロングランする!」と豪語しているそうですので、まだまだ見れますよ。是非見ておきましょう。

…あと、神木隆之介の演技すごいですよ。女の子が男の子の声で喋る演技、必聴。
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2016/10/07 Fri. 03:41 | trackback: 0 | comment: 0edit

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