05 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 07

メテオ・ストライクス!

いろんな分野で独り言を日々書きます。稼働終了したセガのクイズゲーム『Answer×Answer』を振り返る事もあります。

『はるかリフレイン』(伊藤伸平) 

伊藤伸平という漫画家さんがおられましてね。
キャリア30年余りのベテランで、代表作は………一般の人はあんま知らない気がするなあ(失礼)。
OVAにもなった『楽勝!ハイパードール』がまあ代表作なんでしょうが、連載誌だった徳間書店の「少年キャプテン」突然の休刊に巻き込まれて中断。10年くらいしてから、某雑誌で復活を謳ったら…ほどなくその雑誌が消滅w。運が無い。
その他、単巻や2巻で終わる単行本を90年代に結構出してました。『東京爆発娘』『エンジェルアタック』『エンゼルハート』『ネメシスの剣』とか。00年代は『大正野球娘』があったな。
近年だと『まりかセヴン』が代表作になりますね。
作風としては、身も蓋も無いバッサリした展開に、マニアックなネタを織り交ぜていく感じ。大好きなんですよ。一般ウケはしないけど(失礼)。
そんな伊藤伸平作品の中ではちょっと異色で、ホロリとさせつつも身も蓋も無いジュブナイルとして心に残るのが『はるかリフレイン』。
自分は名作だと思ってます。

主人公である星はるかは、小学校の時からの知り合いである上条啓太と高校入学を機に急接近し、晴れて恋人同士となる。
だが、幸せも束の間、啓太は登校時、待ち合わせしていたはるかの目の前で交通事故に遭い亡くなってしまう。
虚脱しさ迷うはるかの前に不思議な猫が現れ、その直後、時計台の4時の鐘が3回目まで響いた瞬間、はるかは交通事故の前々日に戻っていた。もちろん啓太もまだ生きている。
啓太を救うチャンスを得たはるかは、どうやれば交通事故を避けられるか試行錯誤するが、どうしても啓太は事故に遭い、そしてはるかはまた時計台の鐘とともに前々日に戻ってくる。
果たして、はるかは運命を変えられるのか?

基本的にはこの繰り返しです。
時間、経路、交通事故を起こす相手など、どうすれば啓太は死なずに済むのかを追求するはるかを、作者独特のギャグをベースにしつつ真摯に描いていきます。
毒のある表現も少しはありますが、作者の他の漫画に比べれば非常に抑制されていて、それなりに青春漫画になっているとこがいいんですよね。
この漫画は、連載された媒体が「進研ゼミ高1チャレンジ」(ベネッセ)という珍しいところで、当然読者が全員高校1年生だという前提があったそうです(1997年連載)。そりゃあマニアックには出来んよねw。
制約があるから名作になるっていうのは、いろんな実例がある気がします。

こういう「時間の繰り返し」にはいろんな作品がありますが、この漫画によく似ているのが『タイムアクセル12:01』というマイナー映画です(アメリカ映画)。
この映画では、想いを寄せる女性が射殺される悲劇に遭った主人公が、ある実験に巻き込まれて女性が射殺される当日の朝に戻るようになり、何度も失敗しながら運命を変えようとしていきます。
自分は15年くらい前、オーディオ雑誌のDVD紹介でこの作品の概要を知って、「『はるかリフレイン』に似てる!」と即購入しました。案の定メチャメチャ面白かったですよ。
マイナー映画なんでDVDも処分せず今でも大事に持ってるんですが、今このDVD…Amazonのマーケットプレイスだと最低12000円するんですよね(売らないよ)。
みんなのシネマレビューでも6人しか感想書いてないし、マイナー映画のままなんでしょう。
『はるかリフレイン』の元ネタの一つなんじゃないかなあ…と思ってますが(映画は1993年)、実際どうかは分かりません。どっちも面白いのは間違いないです。

『はるかリフレイン』は1998年に白泉社から出版され、その年のSF大賞星雲賞の候補にも挙がったりして、心に残る漫画となった方が少なからずいたようです。自分も含めて。
どれくらい重版されたのかは分かりませんが、結局…絶版となったようです。まあ致し方ないですが。
絶版ですから「あれは名作だった」と言っても読んでもらう術が無い訳で、1998年頃にそれなりの購買力があったおっさんしか知らない作品となって…幾星霜。

【2016年11月23日、『はるかリフレイン』復刊ドットコムより700円+税で復刊しました!】

この朗報を知ったのは雑誌『ダ・ヴィンチ』での紹介記事。立ち読みなのに思わず「まじか!」と言いそうになるくらい嬉しかったです。
なんでも復刊ドットコムのサイトでの復刊希望投票で支持されたとのことで、やっぱ心に刻んでるおっさんがいるんですよ。
すぐに復刊ドットコムのツイッターアカウントをフォロー、思いの丈をツイートしたりして発売を心待ちにしてました。
TSUTAYAには入ってなくてコミック専門店で確保、それも1冊しか無くて、「相変わらずこの専門店にはセンスのある担当がいねえな!」と心で毒づきながらもニコニコ。
白泉社版はもちろん持ってますがここ何年も読んでなかったので、買ってきた復刊ドットコム版を熟読。結末は変わってませんでしたw。
あとがきも1998年版だけでなく、描き下ろしの2016年版が新たに入っているんですが、…今の絵柄ではるか描くと別人だねえw。『どっきんロリポップ』復刊版もそうだったけど、現在の絵柄でのあとがきは結構むずがゆいです。
ま、それも含めて復刊は嬉しい。

今の若い人にどれだけ通じるかは分かりませんが、手に取ってもらえる機会が出来たことは素晴らしいことです。
復刊ドットコムなんで小さい本屋には並ばないでしょうが、なんとか入手して読んでもらえると嬉しいですね。
果たしてはるかは、無事に啓太を救うことが出来るのか? 結末はあなたの目で確かめてください。
関連記事
スポンサーサイト
2016/11/27 Sun. 05:34 | trackback: 0 | comment: 0edit

コメント

コメントの投稿
Secret

トラックバック
トラックバックURL
→http://meteorsan.blog107.fc2.com/tb.php/2225-95f73365
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)