08 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 10

メテオ・ストライクス!

いろんな分野で独り言を日々書きます。稼働終了したセガのクイズゲーム『Answer×Answer』を振り返る事もあります。

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/-- --. --:-- | trackback: -- | comment: -- | edit

『マグニフィセント・セブン』見てきました 

『七人の侍』は黒澤映画で…というより、邦画の中でも指折りに好きな作品です。やはり最初に映画館で見れたのは大きかった。207分全く隙が無い。
無論現在でも、全世界の映画界にオマージュやリスペクト、パロディを生みだし続ける果てしない金字塔です。
『荒野の七人』は昔地上波で軽く見た程度であんまり記憶も無いんですけど、『七人の侍』のプロットを大筋で再現しつつ2時間ちょいの西部劇にまとめた一大名作なのは間違いありません。スター映画でもあるよね。
で、今回『マグニフィセント・セブン』を見てきました。『荒野の七人』のリメイクという触れ込み、つまり『七人の侍』の孫みたいなポジション。見ない訳にはいきません。

最初にタイトルを聞いた時、"マグニフィセント"(崇高、偉大)という単語は日本人には語呂が悪い気がして、いい邦題を付けてやれよ…と思ったんですが、まあ…『荒野の七人』の続編的映画で既に「続」とか「新」とか使ってるんで致し方ないですね。「帰ってきた」とか「リターンズ」とか付けられると萎えるし。
そもそもの『荒野の七人』の原題が"マグニフィセント・セブン"なんで、そこは文句のつけようも無いんですが、なんか惹かれにくいタイトルだと思います。
あと、黒澤映画のハリウッドリメイクでは20年ほど前に『ラストマン・スタンディング』(『用心棒』のリメイク)があって、これが…主演のブルース・ウィリスを皮切りに不満の多い出来だったもので、その記憶が一層不安を煽ります。大丈夫なんだろうか…。
まあ、織田裕二の『椿三十郎』とか、数年前の『隠し砦の三悪人』とか、日本の方がとても酷い黒澤リメイクをやらかしてるんですがね…orz。
ともかく、『七人の侍』を比較対象にしても勝てるわけないし、その超良質リメイクである『荒野の七人』を上回るとも思えないので、…まあ『荒野の七人』の70%くらいの出来であれば充分だという腹積もりで行きました。

上映時間の1時間ちょい前にチケットを買ったんですが、その時点ではまだどの席も埋まってません。平日とはいえ公開日なんだけど大丈夫かなあ…と不安がよぎります。
で、予告編見てる間も客は自分1人で、おいおい貸し切りかよ…と思っていたら、直前に1人入ってきて計2人。うーん…女性は好まないタイプの映画だろうけどさ…。


(ここから盛大にネタバレ入ります)

さて、始まります。
アメリカ西部の小さな町ローズ・クリークと、その近くにある金鉱が主な舞台。実に西部劇な遠景、建物の雰囲気、人物など、ハリウッドはちゃんと金をかけて撮るなあ…と思わされます。日本の時代劇は滅亡しかかっているというのに。
今回の話は、悪辣で手段を選ばない資本家であるボーグが、金の採掘拠点としてこのローズ・クリークに目をつけ、町を開拓した住人達を立ち退かせようと保安官買収の上でならず者を送り込み、自ら町の教会で胸くそ悪い演説をぶちあげ、見せしめに教会を焼き払い、住民数人を射殺。そこまでやってみせて、猶予3週間で立ち退きを強要するというのが発端。ちょっと手のこんだ設定ですね。
耐えきれずボーグに抗議した夫を目の前で殺され、未亡人となったエマ(おっぱい)が、町の全財産を持って守ってくれるガンマンを探していたところ、鮮やかな手腕で騒動を鎮めたチザム(デンゼル・ワシントン)を見て仕事を依頼し、乗り気ではなかったチザムも相手がボーグと知って、熟考の末に引き受ける。
あとは仲間を集めて、町で迎撃体勢を整えるおなじみの流れになっていきます。

キャラクター別に寸評を。
◎チザム(デンゼル・ワシントン)
冷静沈着で凄腕、7つの州の委任執行官(時代劇でいう関八州みたいなもんか)を務め、賞金稼ぎでもある黒人ガンマン。『七人の侍』でいえばもちろん勘兵衛ポジション。
デンゼル・ワシントンも結構な年なんだけど、それを感じさせない精悍な役作りで威厳があります。リーダーとして申し分なし。
自分は黒人ガンマンというと『荒野の少年イサム』のビッグ・ストーンを思い出す世代なんでいいんですが、リンカーンの黒人奴隷解放令の後とはいえ、黒人が委任執行官になれるのかはちょっと疑問。

◎ファラデー(クリス・ブラット)
大胆不敵なギャンブラーにして一流のガンマン。酒と葉巻と女が好き。男の色気のあるいい男。
チャラチャラしてるように見えて、義に厚い面もある。『七人の侍』でいえば菊千代かなあ。

◎ロビショー(イーサン・ホーク)
南北戦争で南軍の凄腕狙撃手として活躍し、"グッドナイト"や"死の天使"といった異名を持つ。
戦争で捕虜になった際、北軍のチザムに助けてもらったことで恩義を感じており、チザムの誘いを快諾し、相棒のビリーと共に仲間になる。
しかし、最初の戦いで彼は一人も撃たなかった。その理由は…。
『七人の侍』でいうと、副将格の五郎兵衛かなあ。必ずしも当てはまらないけど。
イーサン・ホークしばらく見ないうちに渋いおっさんになったねえ。確か自分と同世代だと思うんだけど、役柄が広がると思うよ。

◎ビリー(イ・ビョンホン)
東洋系のガンマンで、早撃ちが得意。そしてそれ以上に得意なのが短刀で、ガンベルトには数本の短刀を常に携帯し、次々に敵を血祭りにあげる。
もともと一匹狼のお尋ね者だったが、その高い戦闘力を見込んだロビショーが相棒として名乗りをあげ、以降共に旅をしている。
割と寡黙なとこと戦闘力で、『七人の侍』でいえば久蔵でしょうね。

◎ジャック(ヴィンセント・ドノフリオ)
丸い熊みたいな巨体の狩猟者で、ライフルだけでなく突進から斧やナイフで敵を仕留めるという殺人鬼スタイル。ちょっと怖い。インディアンの頭の皮を剥いでいたそうで。
仲間になれば人懐っこい陽気なおっさんなんだけどね。
ドノフリオはちょくちょく見かける味のある脇役なんだけど、この映画でも印象的。
『七人の侍』にこんな人はいない。…まあ最初に死ぬ薪割り流の平八と言えないこともない。

◎バスケス(マヌエル・ガルシア・ルルフォ)
メキシコ人のアウトロー。2丁拳銃の使い手。
お尋ね者でありチザムに追い詰められるが、仲間になれば見逃すと言われて仲間入り。ファラデーからメキシコネタでからかわれるが、仲は悪くない。
ファラデーとの関係性からいえば『七人の侍』では勝四郎でしょうね。ただ勝四郎みたいな半人前ではないけど。

◎レッドハーベスト(マーティン・センズメアー)
インディアンの若者だが、部族の長老から追い出されて旅をしていたところを仲間になる。
言葉での意志疎通は不自由だが、素直で前向きでやる気マンマン。
銃も扱えるしナイフも得意だが、最大の武器は弓矢。建物の屋根に陣取り、那須与一か源義家かと言いたくなるくらいの百発百中ぶりを見せつける。カッコいい。
チザムへの忠誠ぶりを見るに、『七人の侍』では七郎次が近いかな。

仲間集めを経てローズ・クリークにやって来た彼らは、名刺替わりに駐留しているボーグ一味30人余りを全滅させます。生かしておいた保安官をボーグへの使いにし、いざ迎撃準備。
今回の映画で物足りなく感じたのは、住人とガンマンの交流があまり描かれなかったことですね。
住人にライフルの特訓をするシーンなどはあるんですが、そこから少しずつモノになるという描写が無いので、結局7人で戦う感じがする。未亡人のエマ(おっぱい)は勝ち気な性格故に黙々と特訓して、スゴい狙撃能力を身につけていくんですけどねw。
そのエマ(おっぱい)に気がありそうなファラデーも手を出すでもなく、なんというかドラマ部分が薄い。父親を殺された少年も、意味ありげにカメラが何度か抜く割に、結局意味は無かったし。脇道に逸れるよりはいいんだろうけど。

逆に、最終決戦はとにかくカッコいい。
大平原を横一線の大軍でやってくるボーグ隊を、あの手この手で足止めし吹き飛ばし、撃って撃って撃ちまくる。いいよいいよ!
それでも徐々に防衛戦が決壊し、町を舞台に乱戦突入。7人の活躍っぷりは素晴らしい。
しかし、町を遠巻きに眺めるボーグが手下に用意させたのは、この時代のリーサルウェポンである…「ガトリンク砲」。うわあ長岡藩だよ。
これが敵味方へ無差別に火を噴き、形勢は一気に不利へ。どうなる7人…!

まあ、『七人の侍』も『荒野の七人』もそうですが、この『マグニフィセント・セブン』も…七人の誰かが死にます。それが誰かは書きませんが、墓の数は同じです。
実は、生き残った面子を見ると…ああ気を遣ってるんだなあと思いますけどね。
七人の奮闘で町が守られた感慨はありますが、上でも書いたようにドラマ部分が薄いんで、「勝ったのはあの住人達だ」みたいな感慨は無いです。
それと、実はチザムとボーグには因縁があることが最後に明かされるんですけど、このプロットにこういうウエットな話が必要だったかは微妙だと思いました。この因縁故に今回の仕事を引き受けたということなんでしょうけどね。
そして、…エンドロールで『荒野の七人』のメインテーマが流れましたw。おかげで余韻は良かったんですが、「やっぱこのテーマ曲には勝てないかあw」と笑うしかなかったですね。

『七人の侍』はともかくとして、『荒野の七人』と比較しても深みは無いです。
ただ、ドラマを犠牲にしてでもカッコよさを優先したんでしょうし、そもそもプロットが上質なのでドラマで変に盛り上げなくてもイケますからね。
キャラクターの妙、新解釈、細かい設定の工夫は感じられますし、何より…久しぶりの大作西部劇ですよ。ここは評価しなきゃね。
だもんで自分としては、偉大な『荒野の七人』の75%という評価をしたいと思います。リメイクとしてはまずまず。
「見てきたよ。なかなか面白かった」と言える映画です。

これで西部劇が復権するとは思ってませんが、ちょくちょく作られるようになるといいですねえ。
おい、日本の時代劇、『超高速!参勤交代』みたいなコミカルばっかやってないで、たまにはバリバリのチャンバラをやってくれよ。大衆が見たいのはそういう映画なんだよ。
関連記事
スポンサーサイト
2017/01/29 Sun. 04:22 | trackback: 0 | comment: 0edit

コメント

コメントの投稿
Secret

トラックバック
トラックバックURL
→http://meteorsan.blog107.fc2.com/tb.php/2236-c2f6bec0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。