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メテオ・ストライクス!

いろんな分野で独り言を日々書きます。稼働終了したセガのクイズゲーム『Answer×Answer』を振り返る事もあります。

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『日本沈没』(1973年版) 

「科学者に大事なモノは、直感とインスピレーションだ!」

これは、この映画の三人の主役の一人である田所博士(小林桂樹)の印象的な台詞。一瞬ネタかと思うような乱暴な台詞ですが、名優・小林桂樹の演技が冴えて、(そうかもな…)と思わせてくれます。
かのエジソンの箴言『99%の努力と、1%のひらめき』も、日本人は99%の方に重きを置いて語りたがりますが、実際は「いくら努力したって、ひらめかねー奴は駄目なんだよ」というニュアンスで語られた…というのは衆知の事実。
その直感とインスピレーション故に、いち早く日本が沈む事に気付いてしまった田所博士の背負った悲哀は、この映画の軸の一つ。

そんな、アウトローな研究者である田所博士が、政界、いや日本の黒幕とも言うべき老人に呼び付けられる。
老人は異変を感じていた。「ツバメじゃ…」。例年ならもう渡ってきているツバメが、今年はほとんど見えない…。「なぜじゃ?」
田所博士は、異変を感じた老人に敬意を払いつつ乱暴にw話す。ツバメだけではない。あらゆる動植物に異変が出ていると。
田所博士は新聞を二つに裂く。裂いた新聞をもう一度合わせる。
ウェゲナーという科学者は、アフリカと南アメリカの海岸線の形って…似てるよね…という直感を元に大陸移動説を唱えた。その説は学界に失笑され、ウェゲナーは失意のうちに死んだ。「そして…大陸移動説は、今や誰も疑う者の無い、常識です」
老人は、D計画という名の、田所博士への資金援助を始める。

首相(丹波哲郎)は、別段有能な政治家ではなかった。自覚もしていた。
だが、首都圏を襲った未曾有の大地震(死者・行方不明者360万人)での陣頭指揮の中で、国民を守るという信念を抱き、連鎖する災害に懸命に対応しつつ、日本人脱出計画を模索していく。
黒幕の老人が首相に渡した三つの結論。日本人がいかに脱出すれば良いかを詰めた結論だったが、三つ目の最たる結論が………「何もせんほうがええ…」。日本人は日本列島と運命を共にするのがいい…と。
首相は涙を流しつつ(この丹波哲郎の演技は鳥肌もの)、その結論を胸に秘め、脱出計画に邁進する。「一万人が駄目なら千人…いや一人だっていい! 問題はキミ…人の数だよ!」

深海作業艇の有能なパイロットである小野寺(藤岡弘、)は、田所博士の依頼で共に深海に潜った事がきっかけで、D計画にヘッドハンティングされる。
やがて、D計画の中での役割をほぼ果たした彼は、恋人(いしだあゆみ)とともに日本を退去する算段をつけていた。
だが、富士山の噴火による混乱で恋人は消息不明になり、彼は沈みゆく日本を駆け回って救援活動を指揮しながら、恋人を捜し続ける。

この三人の主役が悩み、奮闘する間も日本列島は沈んでゆく。それを止める術は無い。
日本と運命を共にする者、日本を脱出する者。日本列島は地図から消え、世界中に散っていく日本難民達…。

”世界のどこかで…”


今、この映画に触れるのは不謹慎だと言われるかもしれませんが、この映画ほど災害や震災の無常感を描けている作品は無いと思うんです。
人間は天変地異には無力であるが、人間としての営みを続けるための努力をして、大自然に立ち向かっていく。それが人間の存在価値でしょう。
日本列島という”母親”を失った日本人が、それでも世界各地に散って命を永らえるラストシーンの、不安と希望の入り混じったなんとも言えない感覚がとても好きです。

今回の大震災の数日前に、千葉か茨城で大量のイルカが迷い込んできて浜辺にうちあげられるという事があったそうです。おそらくは地磁気の狂いが原因なんでしょうけど、結果論ですが”科学者に大切なのは、直感とインスピレーションだ!”を地で行く予兆と言えます。緊急地震速報もいいですが、こういう予兆を活かせる研究も多少はしてほしい。

小林桂樹、丹波哲郎、藤岡弘、…立場の違う三人の、避けられない災厄への努力。この映画は、単なるパニック映画ではなく、日本人論も含んだ名作であると思います。是非御覧ください。
同名のリメイク版(2006年版)は、見ても見なくてもいいですw。
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2011/03/20 Sun. 04:42 | trackback: 0 | comment: 2edit

コメント

前兆現象としてパルス電磁波が発生するっていうのは
何十年も前から知られていますけれど、解析で正確な
予測に結びつける技術は未確立です。

※場所、メカニズム、規模が全く同じであれば似た
ような前兆が起きる可能性も想定できますけれど、
1回限りの事象を相手に再現性や普遍性を見出すのは
困難であるため。

それでも、研究者は少数ですが存在しています。
Natureの公開討論で木端微塵に悲観されようとも、
百年先を見越して頑張っていますよ。

リメイク版の日本沈没シミュレーションでお偉いさんの
科学者が「再現性」などと口にしているシーンは流石に
アレだと思いましたけどね(2回も沈むわけないでしょw)

すずっち #- | URL | 2011/03/21 07:46 * edit *

>>すずっち様
予知、というのは、甚だ難しいもんだというのは分かります。
予兆があっても、それを感じとれるのは…もう『虫の知らせ』レベルの話ですしね。確実な裏付けをとるのは困難でしょう。
全ての事象を見渡す、『博物学』でもない限り、無理かもしれませんね。

リメイク版は、突っ込むためにあるような映画でしたねw。

メテオ #- | URL | 2011/03/21 13:26 * edit *

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