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メテオ・ストライクス!

いろんな分野で独り言を日々書きます。稼働終了したセガのクイズゲーム『Answer×Answer』を振り返る事もあります。

『モアナと伝説の海』見てきました 

映画館で見たディズニーアニメといえば、『美女と野獣』『アラジン』の2本です。
『美女と野獣』の時は、雑誌や映画紹介番組などから伝わってくる情報の端々に「これは見ておくべき映画だ」という波動が感じられたんですよね。そしてそれは正しい予感でした。あの二人きりの舞踏会のシーンは、現在の3DCGアニメに繋がる歴史的シーンだったと思います。
『アラジン』も同様、いやそれ以上の波動を感じまして、これも見て大正解。映画館で2回、しかも2回目は…若い女性と連れだって見たというね(満員立ち見でしたが)。若かったなあ。映画でデートしたのはあれが唯一。
2作品ともLDを買い、しばしば見直していたものです。サントラも買ったな。
その後は、特にディズニーアニメを映画館で見ることはありませんでした。出来がいいのは分かってるんですが、特にそそられるものが無かったというか。『ライオンキング』の手塚パクリの件がちと腹立たしかったのもあります。
かの『アナと雪の女王』の頃は、自分が映画から離れてた時期だったんで、あの喧騒も特に気にしてませんでした。まあディズニーなら面白かろうくらいなもんです。別に嫌いではありませんよ。

で、昨年から映画に復帰して、予告編でよく見ていたのが『モアナと伝説の海』。
これも「あ~、ディズニーがまた隙の無いキチンとしたアニメを作ったんだなあ」くらいにしか思ってなかったんですが、徐々に伝わってくる情報が…ちょっと興味を引くものだったんです。
「ディズニーにありがちなプリンセスストーリーではない」「モアナは戦闘力が高い」「モアナが男前」「海のマッドマックス」などなど、前評判がディズニーっぽくない。
それらを踏まえて、改めてこの予告編を見るとですね…


『モアナと伝説の海』日本版予告編 by YouTube

これはひょっとして傑作なんじゃないだろうか? 少なくとも見ておかねばならない波動は出まくっている。
何よりも主題歌が耳に残る、うっかり鼻歌で歌ってしまう。アカデミー主題歌賞にもノミネートされ、惜しくも『ラ・ラ・ランド』に敗れたものの、サントラ買って損は無いレベルの曲ですわ。
よし、とにもかくにも見なければ始まらない!

で、17日は休日。
残業と花粉症で体調がおもわしくなく、諦めようかというとこでしたが、二度寝で何とか動けるくらいまで回復。
『モアナ』と『君の名は。』(29回目)というハシゴだったんですが、今にして思えばハシゴ出来る体調ではなかったなあ。(翌日は職場でヨレヨレ、ミスもありましてね…)
とりあえず『モアナと伝説の海』を見るべく、パンフも買って、最大箱のスクリーン1に入ります。ええのう最大箱。

(ここからネタバレしまくります)

自然の恵み豊かな南洋の島、モトゥヌイ。人々はここで実りある共同生活を営んでいた。
村長(むらおさ)の娘であるモアナは、利発で明るく、将来の村長となるべき女の子で、海に限りない憧れを持っている。
村長であり父であるトゥイは、そんなモアナに危ういものを感じ、「海は危険だ。お前の幸せはここにある」と諭す。
だがモアナの祖母で、変わった言動で知られるタラは、モアナが海に愛されている事を知っており、モアナを海へ導こうとする。
ある日、自然豊かなモトゥヌイで作物が穫れなくなり、魚も網にかからなくなる。楽しかった日々に射す不穏な影。
モアナはサンゴ礁を越えて外海で漁をすることを提案するが、父に一蹴される。モアナ自身がカヌーを操ってサンゴ礁を越えるも、すぐに転覆して命からがら帰ってくる。
海へ出ることを諦めたモアナを、タラおばあちゃんが隠された秘密の洞窟に案内する。
そこにあったのは、たくさんの船とカヌー、そしてモアナの祖先達が海を航海していた記録絵。祖先達は偉大な航海士であり、外海からモトゥヌイへやってきたのだ。
しかしその航海は1000年前に突如中断していた。おばあちゃんが昔話してくれた伝説、女神テ・フィティの心が1000年前にマウイに盗まれ、それが引き金となって闇が世界を覆うというのは本当だったのだ。
やがておばあちゃんは倒れ、余命幾ばくも無い中、モアナに「お前の心に従うのだ」と最期の言葉を贈る。
モアナは食糧を持って洞窟へ走り、祖先達が遺したカヌーで夜の海へ漕ぎ出す。
そのカヌーの下を、輝くエイが道案内でもするかのように泳ぐところで、自分の涙腺崩壊(おばあちゃんは背中にエイのタトゥーを入れてる)。

とにかくね、おばあちゃんが強烈なんですよ。
村長の母でありながら変わった言動で微妙な存在なんだけど、伝説を真実だと知っており、モアナが海に選ばれた事も知っている。だからといって、モアナに強制するようなことは言わず、必要な時に助言していく。
ツイッターで「最高のババア映画」という評も見かけましたがw、まさにその通り。しかもクライマックス手前で、挫けそうになったモアナの前に、絶妙のタイミングと、最強の演出をもってババア現れるんだよ! 俺を泣かせてどうするw
しかも吹替版の声優が夏木マリなんですよ。『千と千尋の神隠し』の湯婆婆。この声でモアナを元気づけ、諭し、背中を押すんです。ディズニーめ、あざとい!

モアナが目指す、テ・フィティの心を盗んだ半神半人の英雄、マウイ。
身体はごつくて強そうだけど、妙にノリが軽くて、モアナの申し出をあっさり蹴ってトンズラしようとするんだけど、紆余曲折を経てモアナと協力関係になります。
『アラジン』で言うところのランプの精ジーニーに似た立ち位置ですが、それほど万能ではなく、姿を自由に変えられるという特殊能力はあるものの、あくまでも補助能力といった感じ。
彼の心境が徐々に変化していくのも、物語の重要なところですね。
海賊達との最初のバトル、カニの化け物との中ボスバトル、最終決戦前哨戦、最終決戦本戦と4つのバトルがありますが、モアナとマウイの協力関係は変化していきます。

あと、とにかくCGがスゴい! スゴいとしか言いようが無い!
昔は「CGは水の表現が苦手」とかしたり顔で言ってたもんですが、波、水しぶき、浅瀬、外海など、ここまで進化したのかと感嘆する映像。
さらには人、男性は上半身裸にタトゥーを入れてるんですが、服で誤魔化しようの無い動きと筋肉感が素晴らしい。
いろんな空の色、島の木々の緑、岩肌、溶岩など、違和感など存在しないレベルで、「ああ、日本はこの分野で勝負しちゃイカンな」と悟らせてくれます。
かけた金額は相当なものでしょうが、全世界で回収出来るディズニーだからこその映像でしょうね。
これをスクリーン1の巨大な画で見れたのは僥倖。

今回、字幕版は大都市圏でしかやっておらず、地方は全て吹替版です。字幕版見たかった…。
吹替版で主役のモアナを演じるのは、屋比久知奈(やびくともな)という22才のまっさらな新人さん。沖縄出身だそうですが、この娘さんが…いい意味でちょっと棒なんですよ。
拙い部分もあるけど一所懸命さが伝わってきて、モアナのキャラクターによく合ってる。オーディションを綿密にやったうえで、ディズニーがあえて選んだちょっと棒。
英語版もハワイ出身の16才の女の子が演じ歌ったそうで、この作品におけるディズニーの基本戦略なんでしょう。
夏木マリを筆頭に吹替版の面々も素晴らしいんだけど、字幕版も見たかったなあ…。市内3つのシネコン全て吹替版というのは残念。

オチは書きませんが、上手く締めてました。
『アナ雪』でのMayJの役回り(エンディングで主題歌熱唱)は、今回加藤ミリヤですが、MayJみたいに妙に叩かれることは無いでしょう。MayJは無名の一発屋だったからなあ…。
あ、エンディングテロップ後に小ネタが入りますので、気になる人は席を立たないように。作中にもディズニー作品からのカメオ出演があったようですが、それはディズニーマニアだけが気づけばいいことです。
あと、実は始まる前にショートアニメがあるんですけど、別に日本人を揶揄してるつもりは無いようですw。

ディズニーが好きな人もそうでない人も、作中で自ら「私はお姫さまじゃない!」と言い放つモアナの冒険譚を楽しんでみませんか?
あの『リトル・マーメイド』や『アラジン』を作った監督が、またワクワクさせてくれるのですから、見ておいて損は無いと思いますよ。
そんで、あの主題歌を頭の中でグルグル回しましょう。
2017/03/19 Sun. 02:37 | trackback: 0 | comment: 0edit

実写版『咲-Saki-』見てきました 

このブログで以前『咲-Saki-』の実写について不安を書きました。
いい漫画故に、原作レイプなんて言われようはしてほしくないですし、アニメ版はとても出来が良かったし。それを嫌な形で上書きされたくはない。学芸会は勘弁。
そんな不安を抱えたまま、昨年12月。まずTVドラマとして1話30分×4話で清澄高校エピソードが描かれ、番外編30分で県予選決勝で激突する龍門渕、風越女子、鶴賀学園のエピソードが補完されました。
……これがね、よかったんですよ。
いやまあ富山じゃ放送してないんで、YouTubeとか画像、実況ログに頼ったんですけどね。ウチWi-Fiとか無いから動画サービス無理なんで。
でも、そういう断片的な情報からもこの実写化が非常に頑張っているのが伝わってきてました。これはイケるんじゃないか? ファン専門だろうけど。
俄然、劇場版の公開が楽しみになってきたんですが、公式サイトで公開館をチェックすると……富山どころか……日本海側には福岡県しか公開館が無いorz。小規模なのは仕方ないけど…。
これは映画館で見るのは無理かな、と諦めておりました。

2月、富山市の三大シネコンのサイトで近日公開作品の動向を調べていたら、やるならここしか無いと思っていた【シアター大都会】で…3月11日から『咲-Saki-』が県内独占上映されることが判明!よっしゃ!
3月に入り、細部の流れを思い出すためブックオフで長野県予選決勝の結末まで立ち読みw、準備万端。
職場のシフトも偶然3月11日が休日となり、これは天の配剤と気合いが入ります。
そして当日、行って参りました。

シアター大都会はガルパン劇場版以来ですから約1年ぶり。片道徒歩100分ほどですが、ガルパンで何度も往復してますから苦ではありません(楽だとは言ってない)。
ガルパンで公開初日の土曜に行ったら…完売無駄足を喰らったトラウマがあるもので、午前11時20分の初回を念頭に、もし買えなかったら午後3時の回を押さえるという二段構え作戦をとります。シアター大都会は全席自由席で、流行りのネット予約なんか無い実力行使のシネコンなのだ。
朝8時30分に起き、9時前に出発しズンズン歩いて、10時40分に現地到着。今んとこ行列は…無い。果たしてチケットは…楽に買えましたw。ていうか一番乗りだったかも。(そう考えるとガルパンは異常過ぎたなあ)
パンフを確保し(お高め1500円)、待合いソファとか無いので立ったままツイッターで暇を潰し、開場と同時にスクリーン3へ。
今までシアター大都会で見たエヴァ序、エヴァ破、ガルパンは大きい箱だったんですが、今回初めて小さめの箱に入りました。
座席数は100くらいですが、奥行きが狭くて金持ちのホームシアターが豪華になった風情。前から2列目真ん中に陣取りましたが、スクリーンは視界に楽に収まるくらい。音響も特筆するものでもない。いい感じに寂れてる感じですね。
予告編が4本入り、カメラ男のキレの良いダンスを挟んで、いよいよ始まります。


(ここからネタバレわんさか入ります)

いきなり自転車で疾走するタコスから入って吹きましたw。TV版の引きがこのシーンだったんですよね。
中田譲治さんのナレーションも入り、オープニングで人物紹介しながら会場に各校集結。
ストーリーはほぼ原作準拠なんですが、原村和が仮眠してる間にエトペンが盗まれるエピソードが改変されたのは個人的にすごく嬉しかったですね。
あの爽やかな青春麻雀群像劇の中で、あのエピソードだけ…ちょっと嫌なものを感じて、原作でもアニメ版でも好きじゃなかったんですよ。(こういう性格だから『聲の形』が見れない)
盗まれるのではなく、一緒に仮眠していた宮永咲が抱いて熟睡していたので、そのまま置いて対局に挑もうとしたら、目覚めた咲がエトペンを和に届けるためやってくる。いいじゃないか!
まあ、エトペンの発見に天江衣が一役買って、ハギヨシが繕ってくれる流れが無くなりましたが、そこは仕方ないでしょう。おそらく時間の都合と、話を散漫にしないためだと思います。
では、順を追って決勝の感想を。

【先鋒戦】
清澄のタコスがエネルギー源のタコスを龍門渕の井上純に喰われてダッシュ出来ない間、その龍門渕の井上が畳み掛け、それを風越女子の福路さんが牽制しつつペースを握る展開。
タコスはTVの時から役作りの破壊力が散々言われてましたが、身体がデカいのも含めてよくやってくれてると思います。
井上純はボーイッシュというか、麗人要素と憎まれ言動が原作以上に加わって申し分ないキャスティング。
福路美穂子さんは常に片目を瞑っている外見が…実写だと妙にインパクトありますが、落ち着いた実力者っぷりがよく出ていました。結果的に先鋒で大成功。映画だけ見ると竹井久との因縁が分かりづらいけど。
鶴賀学園の津山睦月は面子的に目立たないが、美人。

【次鋒戦】
鶴賀学園の妹尾佳織の初心者タコ麻雀に、他3人が翻弄される展開。本来はここでエトペン盗難などが入ってくるんだけど改変されたんで、闘牌自体は地味。
清澄の染谷まこは、個人的に実写化最大の成功。顔がすっげえ好みです、原作ではワカメ扱いなのにw。清澄の5人では一番目立たないポジションでしたが。
鶴賀学園の妹尾佳織の役の子は水着仕事の多いグラビアアイドルですが、素人らしいたどたどしさを買われたのでしょう。
龍門渕の沢村智紀、風越女子の吉留未春はそれぞれいい眼鏡っぷりでしたが、見せ場は少ない。

【中堅戦】
清澄の部長竹井久が場を支配し、他校が圧される展開。
竹井久は清澄の中で一番…似てないんだけども、そもそも造形的なポイントが難しいキャラクターだからね。頼りがいさえ感じさせればいいと思うんで問題無し。ハネ上げツモは無難にカット割ってました。
龍門渕の国広一ちゃんは外見のインパクトはあるんだけど、原作からして闘牌ではさほど活躍してないからね。私服も着てないし、どっちかというと龍門渕透華の話し相手ポジション。可愛い。
風越女子の文堂星夏は糸目キャラクターだけあって細目の子をキャスティング…したのかと思いましたが、美人さんが細目を演じているそうで。悪くない。
鶴賀学園の蒲原智美(実は主将)はハマーン&ミンキーモモ型の髪型ではなく(あれは再現出来ない)、ちょっと工夫して雰囲気出してました。

【副将戦】
原村和を意識する龍門渕透華の仕掛け、ついに「のどっち」と化して場を支配したかに見えた原村和、しかしそこに「ステルスモモ」東横桃子が姿を現す。原作でも見所の多いところ。
清澄の原村和やってる子はかなり大きい脂肪の塊をお持ちなんですが、原作がアレなので少し気の毒。ツインテな髪型、覚醒のどっちなど頑張ってくれています。
龍門渕透華はかなりのハマり役。気位の高い喋りが嫌みじゃないのはスゴくいい。「おはよう、のどっち」も文句無し。
原作で自分が一番好きな鶴賀学園の東横桃子、TV版では徹底して姿を見せませんでしたが、現れ方は普通でした(光学迷彩みたいなCG処理するのかと思った)。顔も声もピッタリ。加治木さんの「私は君が欲しい!」もちゃんと出たしね。
原作では……ぽっちゃりキャラクターだった風越女子の深堀純代、演じてる子も体重増やして挑んだようですが、もう少しぽっちゃりしてほしかったかな。

【大将戦】
問答無用の展開。嶺上開花を連発する宮永咲、チャンカンでそれを止める加治木ゆみ、天江衣海底全開、追い込まれる池田、0点池田に差し込み加カンする宮永咲、池田復活も勝負は天江衣と宮永咲の叩き合いに…。二人の怪物と二人の強豪常人の名勝負。
宮永咲は独特の透明感がよく出ていて、いいキャスティングだと思います。主人公として申し分なし。原作に負けてない。
天江衣役を小学生にしたのは大正解。世の中くまなく探せば天江衣みたいな高校生もいるでしょうが、衣らしさが感じられればいい。喋り方のたどたどしさと、それでいて小難しい言い回しをするとこが実に衣。
風越女子の池田華菜は、顔が池田池田していて素晴らしい。似てるというより、笑って悲しんで調子乗って悔しがるキャラクター性がこっちに伝わってくるんですよ。伝説の名台詞「リーチせずにはいられないな」「そろそろまぜろよ」も言ってくれます。
鶴賀学園の加治木ゆみは、落ち着いたオーラで化け物相手に奮闘する様といい、最終局終了時に手牌を伏せるとこといい、いい芝居をしています。

とにかくね、漫画の実写化作品としては大成功の部類。というか、このレベルまで成功した実写化があったか?
完成度の高い原作を、ほとんどいじらずにただ再現することに徹しつつ、作品のテンポを失わないような改変を混ぜている。エトペンが盗まれないとか、京太郎の存在が消されているとか、一部の闘牌(咲の安アガリ3連とか)が省略されてるとか。
パンフレットに監督が、「原作が面白いのだからそのままやろう!」というコンセプトのもと、オーディションで200人以上の女の子に会って配役を決め、リハと麻雀練習を繰り返したと書いてあります。嬉しいことです。
結果、原作と同じ感動を得ることが出来る。これは難しいんですよ。
あと、作品の出来がいいこともあって、演じている10代20代の若い女の子達の、輝いている時間を閉じこめた映像となっている点も評価したい。これだけの数の若い子らが役になりきって熱演するというのはいいもんです。ここから大物になる子もいるかもしれない。
実際の若い女の子がやることで、原作よりも部活感が出ているのもいいなあ。3年生はこれで引退…。
願わくば続編やってほしいとこですけど、なんせ原作が足踏みしてますしねえ…。一応映画は咲が「お姉ちゃんの待つ全国へ!」という感じで終わるんですが、全国にしろ合宿にしろその他にしろ…現時点で実写化は出来ないでしょうねえ。

基本的には『咲-Saki-』を読んだ、アニメ見たという人向けの映画です。
でも全く知らない人が映画見ても、なんやかんやで楽しめると思うんです。それだけクオリティは高い。
『ガルパン劇場版』はガルパン未見でも存分に楽しめる名作ですが、『咲-Saki-』の実写映画もそれに近いですね。
ただ…いかんせん公開館が少ないので、なかなか見られないかもしれませんが、機会があれば是非御覧頂きたい。レンタルや配信に出たらそれでもいいので。
自分も…あと1回見とこうか思案中。遠いんでねえw。『モアナ』も見たいし。

ともかく『咲-Saki-』はやはり名作だと実感出来る実写版です。毛嫌いせず是非。
2017/03/12 Sun. 21:33 | trackback: 0 | comment: 4edit

『ラ・ラ・ランド』見てきました 

日本人は、果たしてミュージカル映画が好きなのか?嫌いなのか? これ、結構意見割れると思うんですよね。
年輩で映画が好きな人は、『サウンドオブミュージック』や『マイフェアレディ』、『チキチキバンバン』『雨に唄えば』『オズの魔法使』『バンドワゴン』『ウェストサイド物語』など、名作と言われるミュージカル映画には接してきたはずです。この辺の洗礼を受けた映画好きは、ミュージカル映画にそう抵抗は無いでしょう。
比較的若い世代でも、ディズニーの『美女と野獣』『アラジン』『ライオンキング』などに脳を焼かれた方はたくさんいるでしょうし、『シカゴ』や『ムーランルージュ』『レ・ミゼラブル』などハリウッドのミュージカル映画は定期的に供給されています。
それだけに…頑なにミュージカル映画が嫌いという人もいるでしょう。タモリは昔から公言してますが、「なんで歌に乗せて台詞言うの?」というツッコミをして貶すタイプですね。
まあ生理的な問題というか、映画を見る時に理詰めになりがちな人には不向きなのかもしれません。

自分は、ミュージカル映画好きですね。音楽が好きだからというのが大きいかもしれませんが、台詞を歌われても特に不思議には思いません。
『美女と野獣』『アラジン』や、マドンナ主演の『エビータ』は映画館で見て、全てLDも買いました。
まあ…『君の名は。』みたいに歌の歌詞が心情描写に大きく影響するような映画、『ブルースブラザーズ』みたいにゴキゲンなナンバーをサラッと入れてくる映画、80年代洋画みたいに売れ線挿入歌入れまくりの映画、『ムトゥ踊るマハラジャ』みたいに数曲踊り歌うマサラムービーも大好きですよ。なにせすぐにサントラ買っちゃう子ですから。
強いていえば、邦画のミュージカル映画は乗りにくいですかね。
邦画ミュージカル映画の名作といえば『鴛鴦歌合戦』『ニッポン無責任時代』がありますが、作る方も気恥ずかしいのか本数があまり無いし、ノウハウも無い。近年だと『嫌われ松子の一生』と『舞妓はレディー』(タイトル自体が『マイフェアレディ』のモジリ)くらいですか。
確か実写版『めぞん一刻』は、ミュージカル映画仕立てだと当時のスピリッツで読んだ記憶がありますが、そんな恐ろしいものは見たくありません、はい。
姉の影響で、宝塚歌劇に抵抗無いのも大きいかもしれません。

そんな自分が、久しぶりにミュージカル映画を映画館で見てきました。『ラ・ラ・ランド』、今話題の映画です。
アメリカで割と小規模の公開からスタートしたこの映画が、口コミによる絶賛で徐々に上映館を増やし、ランキングも演歌的な上がり方粘り方で話題をさらい、ついにはアカデミー賞13部門ノミネート、そして監督賞や主演女優賞など6部門を制覇。作品賞では運営のとんでもないミスでゴタゴタしましたがw、公開が始まったばかりの日本では逆にいい宣伝になった形。
新時代のミュージカル映画との呼び声も高い作品、見ないわけにはいきません。
ちょうど火曜日メンズデー1100円でもあったので、まずは『君の名は。』(27回目)を鑑賞。10日ぶりということもあって、気持ち良く泣けました。
待ち時間は、ロビーで小一時間ほどくだらないツイートをしまくり、ドリンク剤を飲み、パンフも買って、いざ『ラ・ラ・ランド』へ!


(ここからネタバレ入ります)

映画が始まってすぐ、大渋滞で止まっている高速道路で始まるオープニングは圧巻。スゴいという評判は聞いてましたが、噂に違わぬ先制パンチ。
停車中の車から次々と人が飛び出してきて歌い踊るんですが、それらのパフォーマンスをステディカムぶん回しの長回しで一発撮りしてるのが強烈。こういう映像は邦画じゃ絶対見れんのよ。さすがはアカデミー撮影賞、夢の世界への誘いです。
この渋滞の中に、ピアノ曲のイメトレをする男と、台詞を覚えようとしている女がいまして、この二人がこの映画の主役。
女の方はミア(エマ・ストーン)、役者志望でコーヒーショップのバリスタをやりながらオーディションを受けているが、どこにも引っかからない。
ある夜、レストランで演奏されるピアノが気になり、ピアニストの男に声をかけようとするが無視される。
この男がセブ(ライアン・ゴズリング)、偏屈なこだわりのある彼はレストランのオーナーの指示に従わず弾きたい曲を弾いたため、たった今クビになったのだ。
(余談ですが、レストランのオーナーを演じているのがJ・K・シモンズでして、先日『ザ・コンサルタント』を2回見た自分は吹いてしまいましたw。どう見ても財務省監査局長だよ)
この時は会話も無かった二人ですが、再度出会った時からお互い次第に惹かれていきます。二人の心が接近していく様を、手を替え品を替えミュージカルとして見せていきますので、あらすじ的には大したことは起きませんw。
セブは自分の店を持って、好きなだけジャズを演奏したい。しかしその理想を実現するための金が無い。ミアとの結婚も視野に、セブは夢を封印して友人のバンドに参加する。
しかしミアは、やりたいジャズを封印しているセブに疑問を抱く。それでいいのか。
二人は心も時間もすれ違っていくようになり、ミアが全てを賭けた一人芝居の舞台も失敗。ミアは泣きながら故郷へ帰る。
そのミア宛に配役事務所から連絡があり、セブが伝言を頼まれる。セブはミアの故郷へ向かい…。

ってな粗筋ですね。だいぶ端折ってますが、見所はいろいろあって飽きません。
ミュージカルシーンにも物語の部分にも、いろんな映画へのオマージュが散りばめられています。『シェルブールの雨傘』『バンドワゴン』『理由なき反抗』『ニューヨーク・ニューヨーク』…etc.
そう、この映画は一般の人が見ても充分楽しいのですが、映画好きが見るとニヤニヤ出来るようになっているのです。自分程度が見てもピンと来る箇所はありましたから、ディープな映画マニアはいろいろ引っかかるでしょうね。
そしてこの映画の舞台は『LA LA LAND』、つまりロサンゼルス、ハリウッドです。
邦画にも『蒲田行進曲』と『キネマの天地』という作品がありますが、こういう題材は映画好きが過敏に反応するんですよ。一種の楽屋オチというか。
映画好きをニヤニヤさせつつ、新しい試みを盛り込んで新時代のミュージカル映画を完成させた。音楽もいい。
実に見応えのある作品だと思います。

ライアン・ゴズリングもいい男だけど、エマ・ストーンの「目」はいいよねえ。そそられました。
自分が贔屓する洋画の女優さんって、シガニー・ウィーバーとかドリュー・バリモアとか、ジェニファー・コネリーとか、あまり正統派はいないんですけど、エマ・ストーンはいいわあ。
主演の二人の踊りや演奏も素晴らしい。しっかり役を作り込んできたんだというのが分かります。
こういう贅沢な部分を楽しめるのも洋画の醍醐味ですねえ。

オチは………あえて書きませんが、『君の名は。』とは正反対だとだけ言っておきましょう(モロバレ)。
直前に見たせいもありますが、心地よい余韻が『君の名は。』のメガヒットの要因なんだろうなあ…と再確認しました。
終わる直前に数分流れる"幻の映像"は、アニメ作品にはよくある手法ですが、まさかハリウッドでかましてくるとは…。
別にバッドエンドではなく、まあ…ちとほろ苦いという類のもので映画にはありがちなんですけどね。思いこんで見ると肩すかし喰らうかも。
そのオチも含めて、いい映画だと自分は思います。

ばっちり予算をかけて、役柄と演技を作り込んできた役者で、豪華な画面と音楽、過去の映画へのオマージュを盛り込んだ、王道で新しいミュージカル映画。
アカデミー賞14部門ノミネートで、監督、主演女優、主題歌、作曲、美術、撮影の6部門を制覇(なんてミュージカル映画な受賞だろう)。
作品賞のゴタゴタも、話題性で興行的には追い風。まあ…一旦作品賞を受賞した時に、配給してるGAGA(ギャガ)の広報のツイートが「社内で胴上げが始まりました!」と喜びまくっていたのは気の毒でしたがw。
夢の世界、大人の寓話、浸れる2時間余。そういうのが好きな人は是非見ておくべきだと思います。
ようこそ!ラ・ラ・ランドへ!
2017/03/02 Thu. 08:48 | trackback: 0 | comment: 0edit

青森だけの『この世界の片隅に』 

寒い日が続いてますが、いかがお過ごしでしょうか。
自分は相変わらず仕事が忙しく、ブログの更新も見ての通り滞っています。ツイッターではつまらんつぶやきを書いてますが、あれは推敲の労力も無くて楽なんで。
しばらく前、人手不足の職場に待望の新規雇用があったんですが、その30代後半の男性は…鬱病で前の会社を辞めたということで、こちらも「とにかく厳しく接してはならない」と気を遣いまくってました。オタク趣味なのは分かってましたが、その辺には一切立ち入らないようにしてましたし。
が…一週間ほどで鬱病が再発したとかで来なくなり、申し訳ないが辞める旨のお電話が…"お母様"からありました。ウチの職場的な問題ではなかったようですが。
まあこっちとしては…病気だから仕方がないと思う反面、人手不足解消のアテにはしていたのでね。イラっとは来ますよ。30代後半の男が"お母様"に電話させるというのも腹立たしいですしね。
てなこともあって人手不足は解消せず、自分も残業やら時間外やらが増えまくり、休日は『君の名は。』(現在26回鑑賞)を見てとにかく嫌なことを忘れるようにしています。
先日はついに「一人カラオケ」にまで行ったんですが、それは別に書くつもり。書けてないけどね。
とりあえず、今はしんどいのであります。

さて、『君の名は。』ではなく『この世界の片隅に』の方で、ちょっと変わった話題がありましたので触れたいな、と。


(ここから転載)

ヒット中のアニメ映画「この世界の片隅に」(片渕須直監督)を上映している青森市の映画館で、配給元の手違いのため、約1ヶ月半にわたって最終完成前のバージョンが上映されていたことがわかった。
完成版との違いは背景の一部や色合いの違いなど。別の映画館などで9回鑑賞したファンが気付いたという。

最終完成前のバージョンは、青森市古川1丁目の映画館「シネマディクト」で、昨年12月30日から今年2月14日まで上映されていた。
配給元の東京テアトルによると、ストーリーはほとんど変わらないが、完成版の背景に描かれている鳥や花の絵がなかったり、エンドロールに流れる絵の数が異なっていたりした。

昨年12月17日の上映開始後、音声の不具合があったためスペアに交換したつもりだったが、それが最終完成前のバージョンだった。
9回鑑賞したというファンが別の映画館との違いを見つけ、ツイッター上で片渕監督に「違うバージョンもあるのはなぜですか」と質問して発覚。
最終完成前バージョンが配られたのは全国で同館だけという。

東京テアトルは17日に公式ホームページ上で事情を説明し、「今後二度とないよう細心の注意をはらってまいります」と陳謝した。
同映画館で最終完成前バージョンを鑑賞した人は、上映終了の3月17日までに同館の窓口で申し出れば、無料で鑑賞できる。
半券があれば、3月末まで配給元が返金に応じるという。返金の問い合わせは東京テアトル(03・3355・1013)へ。

(転載ここまで)


同じ映画を9回も見るなんて、どうかしています(視線合わせない)。
それはさておき、これは珍しいトラブルですよね。
フィルム…ではなく、現在はデジタルデータなんでしょうけど、メインにトラブルが出たのでスペアに交換。スペアもちゃんと映画館に用意されているんですね。
ところがそのスペアが、本来世に出ることの無い完成前バージョンだった。色が塗ってないとこがあるみたいな、明らかに作りかけであればすぐ分かったんでしょうけど、おそらく最終調整をするためのバージョンで、映画としては成立していたんでしょう。
だからその映画館で見た人も不審に思わなかったし、1ヶ月半も上映が続いていたんですけど、9回見ているヘビーリピーター(中毒患者)は見逃さなかった。
見つけたリピーターのお手柄ですが、リピーターがいなかったらトラブル発覚もしなかった。複雑です。

公開中の映画が、場所によってバージョンが違うという事例が過去にあったのは知ってます。『宇宙戦艦ヤマト完結編』ですね。
同作はとにかくいろいろあって製作が押しまくり、公開日が迫っても作り続けている状況で、それなのにフィルム時代なので全国一斉公開の為にはフィルムがその日に届いてなくてはいけない。
そういう状況下で、子細は忘れましたが地方によっては数日間だけ完成前バージョンが流れたという話がヤマトのムック本に載ってました。
今ほどネットが発達した時代なら大騒ぎだったでしょうが、当時は一部のファンに違和感を残した程度で終わったようです。「あれ、俺の記憶と違うなあ…」みたいな。
アニメ映画は、そういう修羅場な理由で完成前バージョンが流れることは他にもありそうですね。24時間TVの手塚アニメじゃありませんが。
ただ今回の一件は、製作ではなく……空前のヒットでテアトルの営業や事務方が修羅場だったんじゃないでしょうかw。テアトルの映画がここまで全国拡大上映されるなんて空前絶後のことですし。
青森の映画館に渡すデータのメインの方はちゃんとしてたんでしょうが、スペアのチェックが甘かった。そしてそのスペアに出番が来ちゃった。それでも1ヶ月半バレなかったのに、中毒者が…。
まあ、若干気の毒ではありますが、仕事は仕事ですからね。ミスはイカンです。
フィルム時代には無かったトラブルでしょうね。

片隅族のツイッター上の反応は、「俺もそのバージョン見たい!」一色でしたよw。まあプレミア感ありますよね。全国でその青森の映画館だけで流れたんですから。
自分は2回見た程度のライト層なので、その程度の差異なら気にしませんが、片隅族の為にどこかの映画館であえてそのバージョンを流したら、結構入るんじゃないかなあ。ロビーで楠公飯売って。

『君の名は。』も『この世界の片隅に』も依然として週末ランキング連続トップテン継続中ですが(君26週、片隅15週)、今週末は期待の『ラ・ラ・ランド』を始めとして新作5本あるため、どちらもトップテンから落ちるのが濃厚という予想です。
いよいよとなったら、このバージョン違いを大々的にかけるというのも手かもしれません。そんな商売イヤだけどw。
2017/02/21 Tue. 03:47 | trackback: 0 | comment: 2edit

『ザ・コンサルタント』見てきました 

4日の土曜日は休みだったので、『君の名は。』(24回目)と…もう一本何かハシゴしようと思って、前日からシネコンの上映時間とニラめっこしてたんです。
『この世界の片隅に』『マグニフィセント・セブン』は時間も合わないし、既に見てるから今回はパス。
『ドクター・ストレンジ』にはあまり魅力を感じない。最近のマーヴルヒーローは興味が湧かんのです。CG全開でドヤ顔されたくないというか。
『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』は、前も書いたように脳裏に残って夢に見そうなんで避けたい。ミス・ペレグリンの顔は魅力的だと思うけどね。
『本能寺ホテル』『破門』『恋妻家宮本』は最初からアウトオブ眼中。『沈黙』は…評価すべき作品と分かってても、おそらく自分には息苦しい。
そして残ったのが…『ザ・コンサルタント』。
ベン・アフレック主演の、いかにも渋い佳作という予感があって気になっていた映画です。
こういう映画は得てして拾い物だったりするのよね…という思惑もあって、これを見ることに決めました。

『君の名は。』を見終わって20分後、同じ箱の同じ席(真ん中、前から4列目)にまた座りますw。道理で時間連結がいい訳だ。観客は20人くらいかな。
実はこの映画、原題は『THE ACCOUNTANT』と言いまして、主人公の職業は会計士なんですが、どういうわけか邦題は『ザ・コンサルタント』です。
…いやまあ、アカウンタントという単語が日本ではマイナーだというのは分かるんですが、この邦題は誤解を招くんじゃないかなあ。公認会計士は正確にはコンサルタントではないだろうに。
先日の『マグニフィセント・セブン』の時は…良い邦題を付けたほうが…とか書いたんで朝令暮改なんですけど、これは意味の違う英単語にしてるんでタチが悪いと思います。
ストレートに『ジ・アカウンタント』あるいは『アカウンタント』ではダメだったんでしょうかね。
日本語邦題で「炎の会計士」とかやっちゃうとギャグですし、この映画は伏線が気持ち良いのでネタバレ的なモノは厳禁だし。
結局、日本人の英語力が中途半端以下なのが悪いんですけど。


(ここからネタバレ入ります)

物語は、田舎町で公認会計士をやっているクリスチャン・ウルフが、農家の老夫婦にそれとなく節税アドバイスをしているところから始まります。(あとで思ったけど、『マルサの女』とは真逆の始まり方です)
言葉も少なく、愛想の欠片も無い大柄で眼鏡の無表情な男だけど、善良な老夫婦に与えるアドバイスは的確。仕事の出来る男。
場面は変わって財務省犯罪捜査部。局長のキングが、捜査部分析官のメリーベスを呼び出し、数枚の画像を見せる。
裏社会の大物が多数写っているその画像に、後ろ姿で立っている眼鏡で大柄な男。この男こそが、長年に渡って裏社会の資金洗浄を引き受け、そして…その危険な仕事を完璧にこなしながらも命を落とすことなく生きている謎の会計士だという。
キング局長は、メリーベスが自分の過去の犯罪を抹消して分析官をやっているという弱みをネタに、局長直属としてこの謎の会計士の正体を探るよう命令する。

基本的には、クリスチャン・ウルフがいかに有能かつ恐るべき会計士であるかを見せつつ、そのルーツである彼の過去にたびたび踏み込んでいきます。
彼は子供の頃からの高機能自閉症で、それに苦悩する母親と、生きていける人間にするためあらゆる技能を仕込んでいく父親の存在がとても重要。子供時代の映像がたびたび出てきますが、この映画の伏線が数多く仕掛けられています。

電話とPCだけでクリスチャン・ウルフをサポートするマネージャーから、誰か(メリーベス)がクリスチャンを検索しているので、しばらく表社会の仕事をするようにと忠告し、入ってきた仕事が大手家電電子企業のリビング・ロボ社。
この会社の経理担当の女性が発見した使徒不明金を洗い出すべく、クリスチャンは15年分のあらゆる帳簿に目を通し、わずか1日でダミー会社への送金を割り出す。
(クリスチャンがマーカーで書く膨大な数字が、ホワイトボードをはみ出し、ガラス張りの壁一面に広がっていくシーンはゾクゾクします)
だが翌日、重役の"自殺"を理由に仕事の終了を告げられる。一度始めた仕事を途中で終わらせるのが耐えられないクリスチャンは荒れる。
せめてもの気分転換に、農家の老夫婦の農場で射撃をやろうとしたら、そこで武装集団に襲われ命を狙われるが、これを全て返り討ちにし、老夫婦の命も救う。
リビング・ロボ社の差し金と察したクリスチャンは、経理担当の女性も救い出して身を隠し、財務省犯罪捜査部の追求もかわしながら、リビング・ロボ社と武装集団への反撃に転じていく…。

現在のクリスチャン・ウルフ、過去のクリスチャン・ウルフ、財務省犯罪捜査部、リビング・ロボ社といったラインが交互に展開しながら、次第に明らかになっていくクリスチャン・ウルフと謎の全貌。とにかく脚本がスゴい。
映画の冒頭の方で、子供時代のクリスチャン・ウルフがジグソーパズルを裏向きに組んで完成させてしまうという場面があるんですが、映画が進行するに連れ、見ているこちらの脳内で情報がピシッとハマっていく快感といいますか、伏線の散りばめ方と拾い方が恐ろしく気持ち良いんです。
『ダイハード』の1作目も気持ち良い伏線回収映画ですが、それとタイプは全く違いますけど全く引けはとらないと思います。テンポもいいしダレない。
そして、高機能自閉症というクリスチャン・ウルフを演じるベン・アフレックのハマり度がスゴい。ベン・アフレックの特徴である「デカい体格で、目が死んでる」というのが最大限に活かされています。もちろん役作りもキッチリやっているんですが。
キング局長を演じるJ・K・シモンズ、経理担当の女性を演じるアナ・ケンドリックなど、脇役陣もいい顔、いい芝居してますわ。
残念ながら現在の邦画では撮れない作品ですね。

見終わった時「いやあ、これは当たりだった。いいもの見たわあ」と御満悦でした。昔なら絶対ソフト買ってたろうな。
それくらい人にオススメ出来る映画ですが、残念ながら一部の映画マニアだけが喜んでる状況で、興収ランキングを見てもパッとしません。もったいない。
なんとか2月中は映画館で見れると思いますので、機会のある方はぜひ御覧になってください。伏線回収の快感、味わってみませんか。
2017/02/06 Mon. 02:18 | trackback: 0 | comment: 0edit

映画の予告編に思う・2 

映画館ばっかり行っているので(今日も『君の名は。』23回目行ってきました)、どうしても映画ネタが多くなります。申し訳ない。
以前、よく見る予告編についてつらつらと印象を書きましたが、その時から予告編もほぼ入れ替わったので、また簡単に印象を書いていきますね。

◎『モアナ~伝説の海~』
この春ディズニーが一押しする大作3Dアニメ。基本的に見て間違いのない作品かと。
海に愛される南洋系の少女モアナが、なんか使命を帯びて冒険の旅に出るという筋立てで、ディズニーですからちょくちょくキャラクターが歌いまくるミュージカル風味。
物語が大海原を舞台にしてるんで、ミクロネシアン風の少女を主人公にするのは当然ではありますが、若干あざとい気もしないではありません。世界戦略というか。
日本語吹替版でモアナの役をやる新人の若い女性も、予告編で聞く限り…喋りは若干棒だけど初々しさがあっていい感じ。モアナのお婆ちゃん役の夏木マリは強烈に上手い。ここもソツが無いなあ。
3DCGは、海の表現もモアナ始めキャラクターもスゴいレベル。テーマ曲も耳に残る(英語版の方ね)。
『アナ雪』みたいなメガトン級の興収は無理としても、春映画の中心の一つになることは間違いないでしょう。

◎『一週間フレンズ』
確かスクエニの漫画雑誌で連載されていた漫画で、アニメ化もされていたものの実写版。主演は川口春奈。
川口春奈は五島列島出身なんでちょっと気にしてはいるんですが、女優としてはあまり華が無いと思うんです。美人さんではあるけどね。
予告編を見る限り、少し贅沢な月曜ドラマランドという印象ですねえ。主題歌がスキマスイッチなんで、そういう方面にも多少響くかも。
しかし、本当に漫画原作の映画多いよね。

◎『追憶』
結構前から予告編流してる割には、公開が5月という…おそらく東宝的にかなり力が入っている作品。
監督が降旗康男、撮影が木村大作。この並びだけで「ああ、主演は高倉健かな」とか思っちゃうんですけど、主演は岡田准一です。あと小栗旬とか木村文乃、長澤まさみ、吉岡秀隆など。
岡田准一が頑張ってるのは画面から伝わってくるんですが、本当なら…高倉健とか渡瀬恒彦とかで撮りたかった作品なんだろうなあ…と感じます。こういう中高年向けの題材で主役を張れる俳優が急速にいなくなってる。吉岡秀隆が岡田准一を諭すような役をやっているのを見ると、ちょっと複雑な気分になります。
とはいえ、邦画の為にも中高年の客の為にも、こういう作品は撮らないといけません。漫画原作ばかりじゃいけない。
前々から「高倉健さんのような俳優を目指したい」と公言している岡田准一にとって、今後の試金石となる作品でしょうね。

◎『ブレードランナー2049』
………果たして、この続編は必要なんでしょうか?
なんか…『ブレードランナー』という映画があまりにももてはやされるので、リドリー・スコットとハリソン・フォードと配給の利害が一致して作られるだけのような気がしますけど。
しかもリドリー・スコットは総監督で、監督は別の人というね。どうも胡散臭い。
『ロッキー』シリーズがなんだかんだ言われながら近年の続編も評価されているのは、スタローンがシリーズのポイントを心得ているからだけど、果たして『ブレードランナー』のポイントって何よ。デッカードなの?レプリカントなの?世界観なの?
今までの自分の人生で『ブレードランナー』が大好きという方は数人いましたが、人それぞれであんまり共通した事は言ってなかったと思いますよ。
自分の予想では『ブルースブラザーズ2000』のような、金もキャストも奮発したのに観客ガッカリというタイプの続編になるような気がします。
ちなみに、自分にとっての『ブレードランナー』のポイントは、ヴァンゲリスの音楽です。予告編でタイトルバックで流れた瞬間鳥肌が立ちましたw。

◎『相棒4』
TVドラマの劇場版は、なにかと規模が大きくなるのが恒例ですけど、『踊る大捜査線』に比べると『相棒』はなんか下手ですよね。『踊る…』は監督の手腕と脚本の出来が大きかったのかもしれんけど。
今回の予告編もなんか無駄にデカい事件を扱ってて、消化しきれるのか不安(水谷豊はTVドラマ向きだと思う)。
この作品のおかげで『ポッピンQ』は公開前倒しになって爆死したそうなんで(噂だけどね)、責任は取ってもらわないとね。

◎『キングコング』の新作
予告編を見る限り、ノリが昭和40年代のゴジラ映画みたいなんですけどw。
島の王がキングコングで、他にも巨大生物がウヨウヨいるという設定が、「小笠原の怪獣ランド」とか「南海の大決闘」じゃないですか。
まさかハリウッドに昭和ゴジラを再現されるとは思わなんだ。

◎『3月のライオン』
行きつけのシネコンで『君の名は。』を見ると、必ず"カメラ男"の直前に予告編が入るんですよ。客層を狙ってるんでしょう。
なかなか力の入った実写化だと思います。キャストも豪華だし、神木隆之介は役作りスゴいし。
ただ違和感…というか、「この漫画ってこんな深刻な雰囲気だったっけ?」と思ってしまいます。もともとの漫画は深刻になりそうな話を、羽海野チカ先生の筆致で中和してますからね。
まあ、現在放映中のアニメ版で知名度もあるでしょうから、期待したいとこなんですけど、3月に前編、4月に後編という二部構成はかなり不安。後編は100%客足下がるしね。

◎『パッセンジャー』
藤子F不二雄のSF短編みたいな話だと思いました。


そんなとこですね。
予告編を見る限り、今年は邦画にインパクトが無い感じですが、さてどうなりますやら。
チャウ・シンチーの『美人魚』とか『咲-Saki-』とか、肝心な作品は富山じゃ全くやらないんだけど…。
2017/02/01 Wed. 04:04 | trackback: 0 | comment: 0edit

『マグニフィセント・セブン』見てきました 

『七人の侍』は黒澤映画で…というより、邦画の中でも指折りに好きな作品です。やはり最初に映画館で見れたのは大きかった。207分全く隙が無い。
無論現在でも、全世界の映画界にオマージュやリスペクト、パロディを生みだし続ける果てしない金字塔です。
『荒野の七人』は昔地上波で軽く見た程度であんまり記憶も無いんですけど、『七人の侍』のプロットを大筋で再現しつつ2時間ちょいの西部劇にまとめた一大名作なのは間違いありません。スター映画でもあるよね。
で、今回『マグニフィセント・セブン』を見てきました。『荒野の七人』のリメイクという触れ込み、つまり『七人の侍』の孫みたいなポジション。見ない訳にはいきません。

最初にタイトルを聞いた時、"マグニフィセント"(崇高、偉大)という単語は日本人には語呂が悪い気がして、いい邦題を付けてやれよ…と思ったんですが、まあ…『荒野の七人』の続編的映画で既に「続」とか「新」とか使ってるんで致し方ないですね。「帰ってきた」とか「リターンズ」とか付けられると萎えるし。
そもそもの『荒野の七人』の原題が"マグニフィセント・セブン"なんで、そこは文句のつけようも無いんですが、なんか惹かれにくいタイトルだと思います。
あと、黒澤映画のハリウッドリメイクでは20年ほど前に『ラストマン・スタンディング』(『用心棒』のリメイク)があって、これが…主演のブルース・ウィリスを皮切りに不満の多い出来だったもので、その記憶が一層不安を煽ります。大丈夫なんだろうか…。
まあ、織田裕二の『椿三十郎』とか、数年前の『隠し砦の三悪人』とか、日本の方がとても酷い黒澤リメイクをやらかしてるんですがね…orz。
ともかく、『七人の侍』を比較対象にしても勝てるわけないし、その超良質リメイクである『荒野の七人』を上回るとも思えないので、…まあ『荒野の七人』の70%くらいの出来であれば充分だという腹積もりで行きました。

上映時間の1時間ちょい前にチケットを買ったんですが、その時点ではまだどの席も埋まってません。平日とはいえ公開日なんだけど大丈夫かなあ…と不安がよぎります。
で、予告編見てる間も客は自分1人で、おいおい貸し切りかよ…と思っていたら、直前に1人入ってきて計2人。うーん…女性は好まないタイプの映画だろうけどさ…。


(ここから盛大にネタバレ入ります)

さて、始まります。
アメリカ西部の小さな町ローズ・クリークと、その近くにある金鉱が主な舞台。実に西部劇な遠景、建物の雰囲気、人物など、ハリウッドはちゃんと金をかけて撮るなあ…と思わされます。日本の時代劇は滅亡しかかっているというのに。
今回の話は、悪辣で手段を選ばない資本家であるボーグが、金の採掘拠点としてこのローズ・クリークに目をつけ、町を開拓した住人達を立ち退かせようと保安官買収の上でならず者を送り込み、自ら町の教会で胸くそ悪い演説をぶちあげ、見せしめに教会を焼き払い、住民数人を射殺。そこまでやってみせて、猶予3週間で立ち退きを強要するというのが発端。ちょっと手のこんだ設定ですね。
耐えきれずボーグに抗議した夫を目の前で殺され、未亡人となったエマ(おっぱい)が、町の全財産を持って守ってくれるガンマンを探していたところ、鮮やかな手腕で騒動を鎮めたチザム(デンゼル・ワシントン)を見て仕事を依頼し、乗り気ではなかったチザムも相手がボーグと知って、熟考の末に引き受ける。
あとは仲間を集めて、町で迎撃体勢を整えるおなじみの流れになっていきます。

キャラクター別に寸評を。
◎チザム(デンゼル・ワシントン)
冷静沈着で凄腕、7つの州の委任執行官(時代劇でいう関八州みたいなもんか)を務め、賞金稼ぎでもある黒人ガンマン。『七人の侍』でいえばもちろん勘兵衛ポジション。
デンゼル・ワシントンも結構な年なんだけど、それを感じさせない精悍な役作りで威厳があります。リーダーとして申し分なし。
自分は黒人ガンマンというと『荒野の少年イサム』のビッグ・ストーンを思い出す世代なんでいいんですが、リンカーンの黒人奴隷解放令の後とはいえ、黒人が委任執行官になれるのかはちょっと疑問。

◎ファラデー(クリス・ブラット)
大胆不敵なギャンブラーにして一流のガンマン。酒と葉巻と女が好き。男の色気のあるいい男。
チャラチャラしてるように見えて、義に厚い面もある。『七人の侍』でいえば菊千代かなあ。

◎ロビショー(イーサン・ホーク)
南北戦争で南軍の凄腕狙撃手として活躍し、"グッドナイト"や"死の天使"といった異名を持つ。
戦争で捕虜になった際、北軍のチザムに助けてもらったことで恩義を感じており、チザムの誘いを快諾し、相棒のビリーと共に仲間になる。
しかし、最初の戦いで彼は一人も撃たなかった。その理由は…。
『七人の侍』でいうと、副将格の五郎兵衛かなあ。必ずしも当てはまらないけど。
イーサン・ホークしばらく見ないうちに渋いおっさんになったねえ。確か自分と同世代だと思うんだけど、役柄が広がると思うよ。

◎ビリー(イ・ビョンホン)
東洋系のガンマンで、早撃ちが得意。そしてそれ以上に得意なのが短刀で、ガンベルトには数本の短刀を常に携帯し、次々に敵を血祭りにあげる。
もともと一匹狼のお尋ね者だったが、その高い戦闘力を見込んだロビショーが相棒として名乗りをあげ、以降共に旅をしている。
割と寡黙なとこと戦闘力で、『七人の侍』でいえば久蔵でしょうね。

◎ジャック(ヴィンセント・ドノフリオ)
丸い熊みたいな巨体の狩猟者で、ライフルだけでなく突進から斧やナイフで敵を仕留めるという殺人鬼スタイル。ちょっと怖い。インディアンの頭の皮を剥いでいたそうで。
仲間になれば人懐っこい陽気なおっさんなんだけどね。
ドノフリオはちょくちょく見かける味のある脇役なんだけど、この映画でも印象的。
『七人の侍』にこんな人はいない。…まあ最初に死ぬ薪割り流の平八と言えないこともない。

◎バスケス(マヌエル・ガルシア・ルルフォ)
メキシコ人のアウトロー。2丁拳銃の使い手。
お尋ね者でありチザムに追い詰められるが、仲間になれば見逃すと言われて仲間入り。ファラデーからメキシコネタでからかわれるが、仲は悪くない。
ファラデーとの関係性からいえば『七人の侍』では勝四郎でしょうね。ただ勝四郎みたいな半人前ではないけど。

◎レッドハーベスト(マーティン・センズメアー)
インディアンの若者だが、部族の長老から追い出されて旅をしていたところを仲間になる。
言葉での意志疎通は不自由だが、素直で前向きでやる気マンマン。
銃も扱えるしナイフも得意だが、最大の武器は弓矢。建物の屋根に陣取り、那須与一か源義家かと言いたくなるくらいの百発百中ぶりを見せつける。カッコいい。
チザムへの忠誠ぶりを見るに、『七人の侍』では七郎次が近いかな。

仲間集めを経てローズ・クリークにやって来た彼らは、名刺替わりに駐留しているボーグ一味30人余りを全滅させます。生かしておいた保安官をボーグへの使いにし、いざ迎撃準備。
今回の映画で物足りなく感じたのは、住人とガンマンの交流があまり描かれなかったことですね。
住人にライフルの特訓をするシーンなどはあるんですが、そこから少しずつモノになるという描写が無いので、結局7人で戦う感じがする。未亡人のエマ(おっぱい)は勝ち気な性格故に黙々と特訓して、スゴい狙撃能力を身につけていくんですけどねw。
そのエマ(おっぱい)に気がありそうなファラデーも手を出すでもなく、なんというかドラマ部分が薄い。父親を殺された少年も、意味ありげにカメラが何度か抜く割に、結局意味は無かったし。脇道に逸れるよりはいいんだろうけど。

逆に、最終決戦はとにかくカッコいい。
大平原を横一線の大軍でやってくるボーグ隊を、あの手この手で足止めし吹き飛ばし、撃って撃って撃ちまくる。いいよいいよ!
それでも徐々に防衛戦が決壊し、町を舞台に乱戦突入。7人の活躍っぷりは素晴らしい。
しかし、町を遠巻きに眺めるボーグが手下に用意させたのは、この時代のリーサルウェポンである…「ガトリンク砲」。うわあ長岡藩だよ。
これが敵味方へ無差別に火を噴き、形勢は一気に不利へ。どうなる7人…!

まあ、『七人の侍』も『荒野の七人』もそうですが、この『マグニフィセント・セブン』も…七人の誰かが死にます。それが誰かは書きませんが、墓の数は同じです。
実は、生き残った面子を見ると…ああ気を遣ってるんだなあと思いますけどね。
七人の奮闘で町が守られた感慨はありますが、上でも書いたようにドラマ部分が薄いんで、「勝ったのはあの住人達だ」みたいな感慨は無いです。
それと、実はチザムとボーグには因縁があることが最後に明かされるんですけど、このプロットにこういうウエットな話が必要だったかは微妙だと思いました。この因縁故に今回の仕事を引き受けたということなんでしょうけどね。
そして、…エンドロールで『荒野の七人』のメインテーマが流れましたw。おかげで余韻は良かったんですが、「やっぱこのテーマ曲には勝てないかあw」と笑うしかなかったですね。

『七人の侍』はともかくとして、『荒野の七人』と比較しても深みは無いです。
ただ、ドラマを犠牲にしてでもカッコよさを優先したんでしょうし、そもそもプロットが上質なのでドラマで変に盛り上げなくてもイケますからね。
キャラクターの妙、新解釈、細かい設定の工夫は感じられますし、何より…久しぶりの大作西部劇ですよ。ここは評価しなきゃね。
だもんで自分としては、偉大な『荒野の七人』の75%という評価をしたいと思います。リメイクとしてはまずまず。
「見てきたよ。なかなか面白かった」と言える映画です。

これで西部劇が復権するとは思ってませんが、ちょくちょく作られるようになるといいですねえ。
おい、日本の時代劇、『超高速!参勤交代』みたいなコミカルばっかやってないで、たまにはバリバリのチャンバラをやってくれよ。大衆が見たいのはそういう映画なんだよ。
2017/01/29 Sun. 04:22 | trackback: 0 | comment: 0edit

洋画と邦画の、気になる違い 

はい、生きてますよw。寒いです。
最近思っていることがあるんですよ。上手く文章に出来るか自信が無いんですけどね。
映画が好きな人はたくさんいて、皆それぞれ自分が好きな映画を語ります。で、投票によるベストテン企画なんてのがよくあります。
これが近年………洋画と邦画で傾向が違うような気がするんです。

自分が映画に興味を持ち始めた頃、洋画のオールタイムベストテンとかで必ず上位に名前が挙がっていた映画といえば、『天井桟敷の人々』『市民ケーン』『第三の男』『ローマの休日』『カサブランカ』『風と共に去りぬ』『ウェストサイド物語』などなど、名作の誉れ高い映画ばかりでした。
それは、その企画に答えていた方々の思い入れがその時代の映画に集中していたからでしょう。
1990年代初頭に、「芸能人は歯が命」というキャッチコピーで歯磨き粉のCMが流れてましたが、高岡早紀と東幹久が群衆の中で手を伸ばしながら離れ離れになっていくその映像は、『天井桟敷の人々』のラストシーンのパロディでした。CMの製作者がそういう世代だったということですね。(若い世代は、物好きな映画マニアのみ反応していた)
自分も『市民ケーン』『アラビアのロレンス』は大好きですが、『風と共に去りぬ』も『イントレランス』も…「はあ、大作だねえ」とは思えども、別段好きではありません。『ウェストサイド物語』は途中で寝てました。世代間ギャップですね。

それから幾星霜、21世紀に入って早15年以上。この手のオールタイムベストテンの顔ぶれが大きく変わってきたのです。
有り体に言えば「1970年代の映画の評価が高騰し、それ以前の映画は下がった」んです。
『ゴッドファーザー』『俺たちに明日はない』『明日に向かって撃て』『時計じかけのオレンジ』『ディアハンター』『2001年宇宙の旅』『フレンチコネクション』『タクシードライバー』『アメリカングラフィティー』…なんていう本命線の映画はもちろん、『燃えよドラゴン』『ポセイドンアドベンチャー』『イージーライダー』『タワーリングインフェルノ』『エイリアン』『スターウォーズ』『ロッキー』『小さな恋のメロディー』『エマニエル夫人』『ゾンビ』…といった好事家の心に響く映画まで、70年代の映画がもてはやされるようになったのですよ。
これはもちろん、企画に答える人々の顔ぶれが変わり、年齢が下がった…というか生まれ年が下がったからでしょう。多感な時期に見た映画が70年代の作品群だったと。
あと、現在でも活躍されている俳優や監督が名を挙げた時代が70年代だというのもあるでしょうね。若い人がDVDなり配信なりで映画を見る時、その人の過去の作品を見るというのは大いに有り得ます。それ以前の作品を好んで見るというのは、よほどの映画マニアじゃないと無理でしょうし。
じゃあいずれ80年代洋画が上位になる時代が来るかと言われると………それはちょっと難しいかもw。80年代のノリは重厚じゃないので、こういうベストテン企画には挙げにくいのよね。『アマデウス』『ターミネーター』『ブルースブラザーズ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『炎のランナー』『フルメタルジャケット』『スタンド・バイ・ミー』なんかは上位に来るだろうけど。
まあいずれ、80年代と90年代の映画も上位に食い込みだし、60年代までの映画はジリジリと消えていくでしょう。健全な変化といえます。


対して邦画なんですけどね。
邦画はこの変化が…極めてゆっくりしているというか、オールタイムベストテンではいまだに「黒澤・小津・成瀬・今村」がもてはやされる傾向があります。1960年代までの邦画が依然として強い。
答えてる人達の生まれ年が下がっているのに、何故か評価される邦画の年代が変わらないのです。
これも有り体に言ってしまえば、日本の映画界は評価される邦画の年代が下がると困るので、下がらないように気を遣っています。映画という大衆娯楽に妙な権威を持たせたい方々の意向ですね。
実は、近年ツイッターで邦画オールタイムベストテン企画があって500人余りの一般の方の意見が集計されたんですが、そこで1位になったのは『太陽を盗んだ男』でした。70年代ですねえ、なかなか興味深い。
黒澤はまだまだ評価されるでしょうが、そろそろ60年代までの映画には下がってもらって、70年代以降の映画が評価の中心にならないと健全ではないと思うのですよ。アニメ映画も含めてね。まあ…70年代はともかく、80年代以降の邦画は良作が減っていくんだけどw。
それと、地上波はもう難しいんだろうけど、配信でもいいから気軽に邦画を見られるようにしてほしい。アニメや特撮以外の邦画を年に何本も見る人なんて、相当少数派ですよ。
こういう現状は良くない。

先日、自分の好きな俳優だった根津甚八さんが亡くなられましたが、あのいい男っぷりを説明しようにも出演作品がほとんど放送されない。
松方弘樹さんまで逝ってしまわれましたが、『柳生一族の陰謀』『赤穂城断絶』『真田幸村の謀略』『野性の証明』とかを流す地上波も無い。(BSやCSではあるんだろうけど)
気になった俳優がいても遡れないようになってるから、いつまでたってもオールタイムベストテンの面子が変わらないんじゃないですかね。
このままであれば、邦画の未来は暗いと思います。
2017/01/26 Thu. 04:54 | trackback: 0 | comment: 0edit